文:ラリーズ編集部
<2021年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)、2021年1月11日~17日>
全日本選手権大会はついに17日で最終日を迎える。男女シングルスの準決勝、決勝が行われ、全日本王者が決まる。今回は、大波乱の男子シングルスの見どころを紹介する。
波乱に次ぐ波乱 男子シングルス
試合前に誰がこのベスト4を予想できただろうか。田中佑汰(愛知工業大学)、森薗政崇(BOBSON)、及川瑞基(木下グループ)、吉田雅己(栃木県スポーツ協会)の4選手が、準決勝に勝ち残った。
写真:張本智和(木下グループ)は及川に敗れた/撮影:ラリーズ編集部
東京五輪代表に内定している張本智和(木下グループ)は及川に、丹羽孝希(スヴェンソン)は田中にそれぞれ敗れ、準々決勝で姿を消した。また、昨年の王者である宇田幸矢(明治大学)は4回戦で敗れている。
写真:丹羽孝希(スヴェンソン)は田中佑汰の勢いを止められず/撮影:ラリーズ編集部
男子シングルスは、誰が優勝しても初タイトルとなる。
準決勝組み合わせ
田中佑汰(愛知工業大・愛知県) – 森薗政崇(BOBSON・東京都)
及川瑞基(木下グループ・鹿児島県) – 吉田雅己(栃木県スポーツ協会・栃木県)
田中佑汰 – 森薗政崇
丹羽を下した田中は、サウスポーの森薗と対戦する。
写真:丹羽孝希を打ち抜いた田中佑汰の中陣からのバックドライブ/撮影:ラリーズ編集部
田中は、サウスポーの丹羽を威力満点のバックドライブとチキータでゲームカウント4-2で下し、勝ち上がってきた。敗れた丹羽も「バックハンドが強烈でそこで点を取られた」と脱帽。森薗にとっては、このバックハンドにどう対応するかが1つ目のポイントとなる。
写真:フォアハンドの威力もトップクラス/撮影:ラリーズ編集部
また、丹羽は「こちらが攻めても守備の技術が上手かった」と田中の特徴を語った。田中は台から下げられても、一撃で逆襲する両ハンドドライブを持っており、ラリー戦に強さを誇る。森薗はラリーに持ち込まれる前の早い展開で得点を奪えるかがもう1つのポイントとなるだろう。
写真:森薗政崇(BOBSON)はチキータで先手を取れるか/撮影:ラリーズ編集部
田中は「対左との練習もやってきた。1本でもいいプレーができるように」、森薗は「(田中は)ガンガン攻めている印象なので勢いに負けないように押し返せるように頑張りたい」とそれぞれ初の決勝への切符を掴み取るため、意気込んでいる。
及川瑞基 – 吉田雅己
もう1試合の準決勝は、張本を下した及川と2年連続ベスト4に入った吉田の青森山田先輩後輩対決。直近のTリーグの対戦では、後輩の及川がゲームカウント3-0で勝利している。
写真:吉田雅己(栃木県スポーツ協会)/撮影:ラリーズ編集部
両選手とも戦術に長けており、巧みな試合運びを見せる。目まぐるしく戦術転換が起こる玄人好みの試合となるだろう。
写真:及川瑞基(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
及川は「バック対バックで少しタイミングを変えたり、少しミドルにずらしたり変えた」と緩急やコース取りを操り、張本を下している。台から離れても、ドイツ・ブンデスリーガ仕込みのミスのない両ハンドドライブを見せていた。吉田は、サーブレシーブで主導権を握り、先手を取っていきたいところだ。
大波乱の男子シングルスを制するのは誰か。田中、森薗、及川、吉田。誰が優勝しても初優勝となる。