文:ラリーズ編集部
<天皇杯・皇后杯 平成30年度全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 2019年1月14日~20日>
1月14日から20日まで、丸善インテックアリーナ大阪にて、平成30年度全日本卓球選手権大会が開催される。優勝候補はやはり、前年度最年少優勝を果たした張本智和(1月度世界ランキング3位・15歳)=JOCエリートアカデミー=だろう。
張本は、前年度の全日本選手権決勝で水谷隼(同10位・29歳)=木下グループ=を破り優勝したが、その後も勢いは止まらない。
昨年4月のアジアカップでは樊振東(同1位・21歳)に勝利しており、同6月のITTF卓球ジャパン・オープン荻村杯では馬龍(同12位・30歳)、李尚洙(同7位・28歳)、張継科(同75位・30歳)を下し優勝、さらに同12月のITTFワールドツアーグランドファイナルでは南米の天才ヒューゴ・カルデラノ(同6位・22歳)、中国の新星・林高遠(同4位・23歳)を破り優勝、今年1月度の世界ランキングでは日本男子歴代最高位の3位をマークした。
世界で活躍する張本だが、国内ではどのような試合を見せるだろうか。昨年開幕したTリーグでの張本の個人戦績は、マッチ勝利数、マッチ勝率共に1位である。日本国内では無敵にも思えるが、優勝への道は決して容易くない。
難関1・準決勝:一番の成長株・平野友樹と対戦か
写真:平野友樹/撮影:ittfworld
平野友樹(同137位・26歳)=協和発酵キリン=は、ロンドンオリンピック銀メダリスト・平野早矢香の弟である。
「卓球の鬼」と呼ばれた姉とは対照的に、優しい笑顔が印象的な選手だが、2017年の全日本選手権で張本、神巧也(同307位・25歳)=シチズン時計=を下し3位、Tリーグでは水谷、上田(同32位・27歳)=岡山リベッツ=、松平健太(同60位・27歳)=木下グループ=にも勝ち星をあげており、姉同様、底知れぬ力を持っている。
昨年12月に行われた2019世界卓球選手権ブダペスト大会男子日本代表1次選考会でも2位と好成績で、非常に勢いのある選手であるといえる。順調に勝ち進めば、張本とは準決勝で対戦する。
最大の難関・決勝:立ちはだかる壁は水谷のみならず
写真:松平健太(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
決勝で対戦しうる選手はやはり強敵揃いだ。返り咲きを狙い、張本対策を行っているであろう水谷はもちろんだが、他にも脅威となる選手は複数いる。
例えば、上田仁。上田は、2018年のチームワールドカップで韓国の丁祥恩(同21位・29歳)に大逆転勝利し、一躍有名となった。上田は、Tリーグにも参戦しており、その舞台で昨年10月に張本をフルゲームの末倒している。
松平健太も強敵であるといえよう。卓球の天才と呼ばれる松平は、2018年8月のITTFブルガリアオープン準決勝で張本に勝利している。Tリーグではチームメイトである二人の天才対決が実現すれば、見ごたえのある試合が期待できる。
スーパーシードではないものの、吉村和弘(同66位・22歳)=愛知工業大学=もあなどれない。彼は、2012年に水谷を破り全日本優勝を果たした吉村真晴(同28位・25歳)=名古屋ダイハツ=の弟であり、Tリーグでは、1ゲームマッチの試合ではあるが、張本に対し2戦2勝している。昨年12月の世界選手権の選考会は1位で通過しており、着実に力を伸ばしている。
また、全日本選手権シングルスで優勝した選手は、世界卓球選手権の代表に選出される。張本、二連覇なるか。男子シングルスの試合は1月16日から始まる。