文:ラリーズ編集部
前年度の全日本で女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの三冠を達成した伊藤美誠(1月度世界ランキング7位・18歳)=スターツSC=。今年の全日本ではどのような戦いを見せるのか。連覇達成までの山場を詳しく見ていきたい。
最初の難関:準々決勝・異質ラバーとの戦い
写真:橋本帆乃香(ミキハウス)/撮影:西村尚己(アフロスポーツ)
準々決勝で伊藤は、橋本帆乃香(同26位・20歳)=ミキハウス=と安藤みなみ(同38位・22歳)=専修大学=のいる山の勝者と戦うことになる。橋本と安藤は共にバック面に表ソフトラバーを貼っており、ボールに変化をつけて戦うタイプの選手である。
もしカットマンの橋本が勝ち上がってきたら、カットマンキラーの伊藤にとってはラッキーかもしれない。しかし、攻撃型の安藤が勝ち上がってきた場合、苦戦を強いられることになるだろう。2017年の全日本の五回戦で両者は対戦しており、伊藤は安藤のバック面から放たれる異質なボールに対応できず、2-4で敗北している。この二年でどれほど異質に対応できるようになったかが準々決勝突破への鍵となる。
最大の難関:準決勝・石川ら強豪選手との対戦
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部
伊藤が準決勝で対戦するのは、先日の記事でも紹介した、石川佳純(同3位・25歳)=全農=のいる強豪揃いの山の勝者だ。
まずは何と言ってもリベンジに燃える石川。昨年の全日本では伊藤が4-1で快勝したが、その後のワールドツアー韓国オープンでは、石川のレシーブからの積極的な攻撃、前陣でのブロック・カウンターなど強気なプレーに押し負け、0-4で完敗している。勝利のためには、石川の気迫のこもったプレーに負けない攻めが必要になるだろう。
早田ひな(同43位・18歳)=日本生命=も伊藤にとってはやりづらい相手かもしれない。伊藤の最大の武器の一つに、回転の見分けが難しい巻き込みサーブがあるが、ダブルスのパートナーである早田はそのサーブを誰よりも間近で見ている。さらに、早田はサウスポーであるため、伊藤得意のバック対バックからの展開を作るのが難しい。Tリーグでは負けなしの早田の勢いを止めるのは容易ではない。
また、芝田沙季(同15位・21歳)=ミキハウス=が勝ち上がってきた場合も厳しい試合となるだろう。芝田は、持ち味である豪快なフォアドライブに加え、サーブレシーブやバックハンドの打ち分けを強化し、急成長を遂げている。粘り強さに磨きのかかった芝田のプレーを振り切ることができるのか。
※お詫びと訂正
本記事内における伊藤美誠選手の年齢に誤りがあり、訂正致しました。 伊藤選手並びに関係者の皆様、読者の皆様に謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正いたします。