文:ラリーズ編集部
<第91回全国高等学校卓球選手権大会 日程:7月29日~8月8日 場所:宇和島市総合体育館(愛媛県)>
7日、第91回全国高等学校卓球選手権大会(以下、インターハイ)は大会9日目を迎え、女子学校対抗が終了した。前回大会準優勝の高知県代表の明徳義塾が、今大会も準優勝を飾った。
準決勝では、快進撃続ける広島県代表の進徳女子に2番とダブルスを取られ追い込まれたが、4番の白山亜美(明徳義塾)、ラストの上澤依央(明徳義塾)が粘り強さを見せて3-2で制した。
試合後、佐藤利香監督が報道陣の質問に答えた。
佐藤利香監督(明徳義塾高校)コメント
選手の6年間の成長について
中1から、四天王寺さんも同じ6年間だと思うんですけど、お互いに見させていただいたときに、やはり人として成長することが部活動をしていて意味があるなと思った。
仲間と一緒に戦えたり、仲間に助けてもらったり支えてもらったり、そういうことの気づきが1番大きく成長した6年間だったんじゃないかなと思います。
そして、3年生にとっては最後のインターハイになるので、プレッシャーがすごくかかるし、誰でも勝ちたいと。最後だから頑張りたいんだけど、やはり誰でも勝ちたいと思うのが本当だと思うんですよね。
写真:上澤茉央(明徳義塾)/撮影:ラリーズ編集部
高校1年生、2年生の時のほうが思いっきりできて、3年生になるとプレッシャーを感じて硬くなってしまったりっていう中で、力を発揮するということはすごく困難なことだとは思ってるんですね。
そういう辛いところを乗り越えて、そしてコロナがあったのでなかなか県外遠征とかも一度も行けずに感染対策を守って頑張ってきたので、なかなか難しい状況もあるだろうなと思いながら、やることは精一杯全部やってきた。
後は全力を出し切って、苦しい場面がたくさんあるけどみんなで楽しんで、応援団も精一杯頑張ってくれて。もうそれだけが、みんなに感謝し、学校に感謝し、一番は生徒一人一人に感謝して終えられたのが良かったかなと思います。
コロナで県外遠征はずっといけなかった?
もうずっとでした。一度も行けないまま終わってしまったので、予定は立ててたんですけど感染が広がってきたので。もし私たちの中でも、学校の中でも外から菌を持ってきて、それでこの大会に出れなくなったりとかしたら、もっとかわいそう。
一生懸命頑張ってたことが全てパーになってしまうっていう事だけは、学校としても違うだろうということも言われたり、私たちももちろんそうであるっていうことから、できる努力を学校内でするしかないっていう中頑張ってやってきたので。
写真:青井さくら(明徳義塾)/撮影:ラリーズ編集部
でも、ここまでしっかり頑張れて、何より人として成長したことと、卓球のほうで成長したことも見えましたが、一致団結して応援団と出てる人出てない人が一丸となって戦えたということが、部活動としての一番の醍醐味で、良かったなと思う形ではありました。
生徒の話では、最初に四天王寺と対戦した時に絶対無理だと思ったと言っていたが
中学校2年生とか3年生の時に初めてやった時は、ボールがラケットに当たらないような状態で、もちろん小学生時代のチャンピオンとかそういう人たちの集まりなのでそうだと思うんだよね。
それがどこまで自分たちが成長していけるんだろうっていうことを楽しみにしながら、頑張っていこうということを約束した6年間だったので、最後まで1年生(中学1年生)から6年生(高校3年生)まで6年間し続けて頑張れたことが良かったなと思います。
今日の決勝を経て、差はどのくらい縮まったか?
彼女たちの頑張りとかは、きっとあちら(四天王寺)も頑張っていると思うし、こちらも頑張ってると思うんですけど、何が違うかって言ったらやはり環境が違う。
卓球をやる環境であったり、目指すところがもちろんスタートラインからも違うし世界を目指しているっていうのはもちろんあるとは思うんですけど。
それよりも、皆で一丸となってこのインターハイに向けて切磋琢磨して青春を満喫できたということが、次の人生に彼女たちにとって大きな役割を与えてくれると思うので、ここが本当にわかって知ったことが、気づけたことが大きかったんじゃないかと思います。
準決勝もすごい試合でしたよね
写真:青井さくら・白山亜美(明徳義塾)/撮影:ラリーズ編集部
個人戦で白山が、最後勝ちたいという気持ちで相手が見えなくなって空回りして負けた後だったので、非常に苦しい形になるかなと思っていたんですよ。
ダブルスも取るべきところが取られてしまったので、モードが苦しいなとは思ったんですけど、順調にいくところがいかないのが試合だったり、インターハイだったりするのでそこが面白さではある。
そこで流れでそのまま行ってしまうのか、そこから踏ん張って出し切っていくのか。きっと生徒の中にも、どういう状態であっても何度でも四天王寺さんには挑戦したいとかそういう気持ちはあったと思うんですよね。
だからこそ頑張ってきたしそこで砕けなかったのが、私は得たものは大きいなと思います。
白山がベンチに戻ってきたときにリラックスしていたが、何を話した?
写真:白山亜美(明徳義塾)/撮影:ラリーズ編集部
何を言ったかって言ったら、やはり硬くなってるのでほぐさなきゃいけないと思って。自分でもシングルス(敗戦)の頭もあるだろうし、ダブルスで負けてしまったっていう頭があるだろうし、負けたくて負けたのではなく、ちょっとここを丁寧にしていれば、って雑になりたくてなったんではなく、そういう状態になってしまうのが選手だと思うんですよね。
だからもう少し地味な点を取るような感じで、力抜くようなちょっと笑わせるような感じの事を言っただけです。
そしたら元の力が抜けてきて、随分と強弱や緩急つけながらできてきたので、シングルスの時に(白山の)ベンチ入れなかったのが心残りではあるんですけど、そこでだらっとしてはだめだ、チームのために頑張らないとっていう本人のなにかも出てきたと思うので、そういうところでチーム力が大きかったんじゃないかなと思います。
生徒たちの成長を感じたのはどのポイント?
写真:上澤依央(明徳義塾)/撮影:ラリーズ編集部
1回戦から厳しい組み合わせだったので、はじめから調子上げていくよ、みたいなそういう試合ではなかったと思うんですよ。だから、相手が1回戦終えて調子を上げて向かってくる状態の中でいつも戦うので、当然押され気味の試合をしていくところが多かったなと思うんですね。
それぞれ1回シングルスやって負けてもすぐ切り替えられる、次はもっとこうしようとか逆に負けた後に笑顔が出てきたり、切り替える心がすごく良かったというのと、進徳女子戦では苦しい場面で、ラストに回っても厳しいかなといったところで、上澤依央が2-0でリードしたというのがすごく大きかったなと思うんですね。
写真:上澤依央(明徳義塾)/撮影:ラリーズ編集部
そこでフルゲームに追い付かれて苦しくなるんですよね。それでも自分が頑張ってきたことを出そうっていう。ただ楽しんでやっているわけではなく、楽しみつつ苦しみを乗り越えてきたところが、大きかったと思います。
そういう部分が各選手1人1人にあったことが大きかったですね。
女子学校対抗準決勝
進徳女子(広島) 2-3 明徳義塾(高知)〇
福井蓮花 0-3 青井さくら〇
9-11/8-11/9-11
〇東川陽菜 3-2 上澤茉央
11-7/11-4/10-12/6-11/11-7
〇東川陽菜/工藤真桜 3-2 青井さくら/白山亜美
9-11/5-11/11-9/11-9/11-5
工藤真桜 1-3 白山亜美〇
11-6/9-11/5-11/7-11
藤原優 2-3 上澤依央〇
12-14/3-11/13-11/11-8/7-11
女子学校対抗決勝
〇四天王寺(大阪) 3-0 明徳義塾(高知)
〇大藤沙月 3-1 上澤依央
11-8/7-11/11-5/11-8
〇伊藤詩菜 3-1 青井さくら
11-9/9-11/11-7/11-8
〇大藤沙月/横井咲桜 3-0 青井さくら/白山亜美
11-5/11-6/11-7
横井咲桜 – 上澤茉央
面田采巳 – 白山亜美