写真:激戦に勝利した北島涼太郎と握手を交わす白山正之監督(羽佳卓球倶楽部)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 「あきらめないこと、仲間を応援すること」指導者たちの夏<全国ホープス取材を終えて>
2022.08.16
<ロート製薬杯 第40回全国ホープス卓球大会 日程:8月13日~15日 場所:東京体育館(東京都)>
指導者たちの夏
今年の全国ホープス卓球大会が終了した。
5番までもつれ込む熱戦が多く、久しぶりに東京体育館で開催された小学生のチーム全国大会は、活気にあふれていた。
大接戦を終えてベンチに戻ると、勝った選手も負けた選手も感極まる。
それは、チームの勝敗が自分の両肩にかかる重圧と、ずっと準備してきた日々が、いまこの瞬間のためにあるという興奮だ。
小学生の夏に経験できるのは、悪くない。
写真:松井清美監督(石田卓球N⁺)/撮影:ラリーズ編集部
指導者たちがベンチで掛ける言葉のいくつかが、この“小学生のチーム戦”の意義を象徴しているように思った。
あきらめないこと、仲間を応援すること
「自分が負けたからと言って、そんな顔で応援するな」
ある監督は、ただそれだけを短く注意した。
写真:伊藤和真監督(イトウTTC)/撮影:ラリーズ編集部
「ここだ、ここで粘るぞ」というアドバイスも、ベンチでよく聞いた。
同じ負けでも、あきらめずに1本取れたことがこの先の人生に生きてくる、と、試合後すっきりした表情で監督は語った。
写真:町田進一郎監督(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部
あきらめないこと、仲間を応援すること。
結局この2つだけを、会場でずっと指導者たちが子どもたちに言っていた気がする。
写真:大内健裕監督(宇土クラブ)/撮影:ラリーズ編集部
試合後、相手チームの小学生たちが挨拶に来たとき、指導者たちがみな、とても丁寧に挨拶を返すことも印象に残った。
コロナの影響も
コロナや被災の影響も随所に感じられた。
エース級の選手を欠いて敗れたチーム、地元が大雨災害に遭い、直前にほとんど練習ができなかったチーム。
公共交通機関を避け、片道12時間かけて車で東京にやってきたチームもあった。
写真:丹藤貴監督(弘前卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
地元の卓球クラブで全国レベルの選手をチーム戦に必要な3、4人育てることだけでも、気が遠くなるほど時間のかかる仕事だ。
本業の仕事は別に持つ、ボランティアに近い指導者も多い。
強くなった子どもたちは卒業していき、また新しいメンバーでの卓球場生活が始まる。
写真:渡辺理江監督(新発田ジュニア)/撮影:ラリーズ編集部
「頑張って、また来年来ます」
負けて会場を後にする指導者も、勝って「子どもたちに聞いてやって下さい」と譲る指導者も、ひと夏の終わりに一瞬だけ、充実と安堵の表情を見せる。
子どもの成長を無上の喜びとするこの指導者たちが、日本の卓球界を粘り強く支えている。
写真:竹本泰彦監督(ヒゴ鏡卓球クラブ)/撮影:ラリーズ編集部
第40回ロート製薬杯全国ホープス結果 男子
優勝:羽佳卓球俱楽部(東京)
写真:羽佳卓球俱楽部(東京)/撮影:ラリーズ編集部
準優勝:宇土クラブ(大分)
写真:宇土クラブ(大分)/撮影:ラリーズ編集部
3位:STライトニング(富山)
写真:STライトニング(富山)/撮影:ラリーズ編集部
3位:T.T彩たま(埼玉)
写真:T.T彩たま(埼玉)/撮影:ラリーズ編集部
ベスト8
礼武道場(東京)
弘前卓球センター(青森)
Y.Y LINK(岡山)
フェニックス卓球クラブ(福井)
第40回ロート製薬杯全国ホープス結果 女子
優勝:石田卓球N⁺(福岡)
写真:石田卓球N⁺(福岡)/撮影:ラリーズ編集部
準優勝:新発田ジュニア(新潟)
写真:新発田ジュニア(新潟)/撮影:ラリーズ編集部
3位:スネイルズ(北海道)
写真:スネイルズ(北海道)/撮影:ラリーズ編集部
3位:卓桜会栃木卓球センター(栃木)
写真:卓桜会栃木卓球センター(栃木)/撮影:ラリーズ編集部
ベスト8
岸田クラブ(神奈川)
フェニックス卓球クラブ(福井)
T.Cマルカワ(岡山)
卓伸クラブ(愛知)