<卓球・2022 全農CUP TOP32 船橋大会 日程:11月12日、13日 場所:船橋アリーナ(千葉県)>
13日、2022 全農CUP TOP32 船橋大会が閉幕した。男子は張本智和(IMG)が、女子は平野美宇(木下アカデミー)が優勝を飾った。
2日間の激闘を戦い抜き、決勝に進んだ男女シングルスのファイナリスト4名は、どのような思いで試合に臨んでいたのか。
男子シングルスで優勝を果たした張本は「自分の中では一番苦しかった選考会。追われるというよりも、自分も一緒に他の選手と走っている感覚です。」とコメントし、パリ五輪選考会という特殊な戦いの難しさを語った。
また、今大会躍進を遂げた田中は「負けたことは悔しいですが、決勝の舞台の雰囲気を味わうことができたことは自分の中で良い経験になりました」と、充実感を伺わせた。
女子シングルス決勝を戦った平野と早田は以下のように語った。
平野美宇コメント
写真:平野美宇(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
試合を振り返って
パリ五輪代表選考会の1回大会、2回大会では思うように勝ち星を挙げることが出来ず、悔しい思いをしてきたので3回大会ではやっとの思いで優勝することができて嬉しいです。
早田選手とは近年多く対戦していて、負け越していたので準決勝が終わった後にどのように戦うかをよく考えていました。決勝戦では、早田選手に第1、第2ゲームに先制を許してしまいましたが、そこで気持ちが折れずに3ゲーム以降も戦うことができたので勝ちに繋げることができました。
サービス、レシーブのバリエーションが増えたので、戦術転換の幅が広がったことが自分の中で成長できた部分だと思い、優勝に繋がったと思います。監督やコーチなど、たくさんの方々に協力して頂いたので気合も入りましたし、自信を持って試合に臨めました。
今後について
今回は監督やコーチなど、たくさんの方に協力していただいたし、応援していただいたので、その感謝の気持ちを忘れずにプレーできました。もっと上を目指して頑張ります。
早田ひなコメント
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
試合を振り返って
決勝の舞台に立てたことが素直に嬉しかったです。平野選手はあまり得意な選手ではないので、工夫して第1、第2ゲームを取ることに成功したのですが、第3ゲーム目以降で大きく流れを変えることができなかったことが悔やまれます。
ですが今まで平野選手と対戦した時にはできなかったことが今大会で出来た部分がいくつかあったので、本調子の自分と組み合わさった時にさらに成長できると感じました。
怪我からの復帰明けということもあり、直近では十分な練習量が確保できていなかったけれど、普段通りではない感覚の中で、最終日の2試合では以前では為し得なかった面白い発見が出来ました。
選考レースについて
選考ポイントでトップにいますが、トップにいる感覚は全くなくて、女子トップ8~10人はみんな強くて誰が第1シードに入ったり優勝したりしてもおかしくないと思います。自分に必要な練習をして、誰と当たっても自分の100%の力が出せれば国内では絶対に負けないというレベルまで自分を高めていきたいです。
今後について
今大会を終えて、世界選手権代表に内定できたことはとても嬉しいです。この結果は今大会だけでなく、今までの実績の積み重ねだと思うので、世界選手権シングルスでしっかりと勝てるように練習内容を見直し、無駄を省いた練習で自分自身を作り上げていきたいと思います。
大会を振り返って
苦しい試合を乗り越え2度目の選考会優勝を果たして得た以前にも増した確かな自信と、「五輪で金を取るまでは自分もチャレンジャー」と語る謙虚さが印象的だった張本。過去の選考会では苦しんだが、たくさんの応援を力に初優勝を飾った平野。
本調子ではない中でも、新境地を見せ決勝まで勝ち上がった早田。「今年に懸けている」という言葉を体現するようなプレーで決勝に進んだ田中。決勝での輝かしいプレーの裏には、4者それぞれの抱える思いがあった。
張本智和インタビュー(2021年2月公開)
写真:張本智和(木下グループ)/提供:長田洋平/アフロスポーツ
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