文:ラリーズ編集部
<ITTFワールドツアー・香港オープン 2019年6月4日~6月9日>
9日、香港オープン男子シングルス決勝で、張本智和(6月世界ランキング4位・木下グループ)が林高遠(同2位・中国)にゲームカウント2-4で敗れた。
張本は昨年12月のグランドファイナル決勝で林高遠を破っていたが、今回はリベンジを許す形となった。
世界トップクラスのバックハンドが最大の強みの張本だが、今大会を通じて、フォアハンドでの攻撃やストップ(相手に強打させないため、ネット際に小さく返す技術)を組み込んだ戦術を多用し、決勝まで勝ち上がった。
張本は5月の中国オープンで3位、今回の香港オープンで2位といずれも日本人トップの成績を残し、6月12日から札幌で行われるジャパンオープンに臨む。昨年のジャパンオープンでは中国の馬龍、張継科の2人の五輪金メダリストを破り優勝しており、連覇に期待がかかる。
張本智和 試合後コメント
写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
(決勝を振り返って)
1ゲーム目、相手が思った以上に対策してきた。最近安定感がついて2ゲーム取り返せたが、4ゲーム目、2−5から4−5となったところでタイムアウトをとられ、タイムアウトの後、自分の勢いがなくなっていた。
また5ゲーム目、8−6で優勝がチラついて弱気のレシーブをしてしまった。考えないようにしなきゃと思ったけど少しプレーに出てしまった。その後スーパープレーで流れが完全にあっちに行った。相手の粘りが少し上だった。
スタートが悪くても2−1でリードできたのは成長の証。そこから相手が作戦変えてきても打ち負かせる実力をつけたい。今日は(林高遠に)負けたけど、総合的に1試合1試合では五分五分。試合で耐えた方が勝つのでは思っている。
(レシーブ、台上技術について)
世界選手権の後からストップを練習してきた。(中国の世界王者の)馬龍選手はチキータが無くてもストップだけであれだけ強い。自分はチキータプラスストップがあれば強くなれる。まだ1ヶ月しか練習できていない。10球中3〜4球しか思ったように出来ていない。それにしてはこの2大会(中国オープンと香港オープン)はうまく使えている。
でも決勝まで来ると技術だけでは勝てない。気持ちと気持ちの戦い。9−9からチキータがなくなったり、相手に回り込まれたりして今回は相手の方が上だった。
(中国オープンで3位、香港オープンで2位という結果について)
(中国の)馬龍と樊振東以外には中国だろうが誰だろうが勝ちたいと思っていた。ここ(香港オープン決勝)で勝てれば、ほぼ完璧な2大会だった。馬龍にもいい試合ができていた。ここでまた林高遠に負けてしまって、他の国の選手もああいうプレーすれば(張本に対して)チャンスあると思ってしまう。
ただ、世界選手権が終わって練習してきたことが確実にいい方向に行っている。練習の期間をもっと増やしていければもっと安定する。安定感と爆発力、勝負強さを同時に発揮できるようにしたい。試合全体として安定感が8割ぐらい必要。
でも今日の5ゲーム目9−9だったり勝負所では安定を求めず、入ったら勝ち、入らなかったら負けぐらいの(プレーが必要)。今日はそこで(安定を求めて)入れに行ってしまって。そこでミスしてくれる相手ではない。もっと質のいいチキータをコース厳しく行くべきだった。
(昨年優勝しているジャパンオープン開幕について)
優勝を考えてしまうと今日みたいになる。ジャパンオープンが終わったら1ヶ月ぐらい試合が無いので、全部出し切るつもり。
香港OP最終日 男子シングルス結果
写真:林高遠(中国)/撮影:ラリーズ編集部
<決勝>
張本智和 2-4 ○林高遠(中国)
3-11/11-7/11-8/6-11/9-11/7-11