文:ラリーズ編集部
<ITTFワールドツアープラチナ・ドイツオープン 2019年10月8日~10月13日>
13日、ドイツオープンは最終日を迎え、男子シングルス準決勝が終了し、決勝進出者が決まった。ハイレベルな準決勝を勝ち抜いたのは、中国の許昕(シュシン)と同じく中国の樊振東(ファンジェンドン)の2選手だ。この後、決勝戦が行われる。
世界ランキング1位・許昕、3冠に王手
写真:許昕(中国)/提供:ittfworld
10月時点の世界ランキング1位に君臨する許昕が韓国の鄭栄植(チョンヨンシク)に対し、4-1で勝利し、決勝進出を決めた。
許昕は、通算対戦成績7勝0敗と得意とする鄭栄植を寄せ付けなかった。序盤、許昕は回り込むタイミングでフォア側を狙われノータッチで失点する場面が何度か見られた。しかし、持ち前の強力なフォアハンドと打点の速いバックハンドを活かしたアグレッシブなプレーで得点を重ねた。また、最終ゲームでは、鄭栄植がネットにかけた球を台の横から返球して得点するなど、観客を魅了するプレーも披露した。
本大会、許昕はすでに男子ダブルスと混合ダブルスで優勝しており、男子シングルスを制すと3冠達成となる。今年すでに3つのワールドツアーを優勝している許昕。4大会目の優勝に注目が集まる。
写真:鄭栄植(韓国)/提供:ittfworld
昨シーズン、Tリーグ・T.T彩たまの選手として活躍した鄭栄植は、1回戦でチャイニーズタイペイの林昀儒、2回戦で丹羽孝希(スヴェンソン)、準々決勝で地元ドイツのパトリック・フランチスカと強敵に勝利して、準決勝に勝ち上がってきた。しかし、許昕に敗れ、ベスト4で大会を終えた。
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樊振東、今年初タイトルなるか
写真:樊振東(中国)/提供:ittfworld
世界ランキング2位の樊振東が、準々決勝で張本智和(木下グループ)を下した梁靖崑(リャンジンクン)に競り勝ち、決勝進出を決めた。今年の世界選手権では、梁靖崑が樊振東に勝利していたが、今回は樊振東がリベンジを果たした形となった。
序盤は、梁靖崑の落ち着いた粘りのあるプレーに対して樊振東が先にミスする展開が多かった。第1ゲームを梁靖崑が取ると、樊振東は台に近いポジションでプレーをし、速い打点で相手を攻め立て2ゲーム連取。
このまま樊振東が押し切るかに思えたが、梁靖崑は離されない。バック対バックの展開で樊振東を上回った梁靖崑が勢いに乗る。さらにYGサーブで樊振東を苦しめ、ラリーを優位に進めた梁靖崑が2ゲーム連取して3-2と勝利に王手をかける。後のなくなった樊振東は、これまでのやや強引なプレーをなくし、リスクを負わない安定したプレーを見せる。
梁靖崑のYGサーブに手を焼き、タイムアウトを取った樊振東は、重要なタイムアウト後のラリーを制し雄叫びを上げると第6ゲームを制す。勝負は最終ゲームにもつれこむ。
写真:梁靖崑(中国)/提供:ittfworld
最終ゲームは、集中力の上がった樊振東が梁靖崑を押し切りゲームカウント4-3で苦しみながらも勝利した。
梁靖崑は、スウェーデンオープンに続いてベスト4。今大会は、神巧也(T.T彩たま)と張本と2人の日本選手を倒し勝ち上がった。今後も日本の前に立ちはだかる存在になるだろう。
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決勝見どころ
写真:世界卓球2017では男子ダブルスを制した樊振東(写真左)/許昕(写真右・中国)ペア。今宵どちらに軍配が上がるか/提供:ittfworld
決勝は、許昕と樊振東の中国選手の対決に。国際大会では過去21回対戦しており、樊振東が13勝8敗と大きく勝ち越している。しかし、今年に限ってみれば1勝1敗の五分だ。直近では、T2ダイヤモンドで樊振東が許昕を4-0のストレートで圧勝しているが、今回の対決から目が離せない。
詳細スコア
男子シングルス準決勝
◯許昕(中国) 4-1 鄭栄植(韓国)
11-8/8-11/11-6/11-4/11-6
梁靖崑(中国) 3-4 ◯樊振東(中国)
11-3/8-11/5-11/11-4/11-4/6-11/4-11