水谷隼「気持ちで負けないようにプレー」 宿敵下し準々決勝へ<卓球・T2ダイヤモンド> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)
水谷隼「気持ちで負けないようにプレー」 宿敵下し準々決勝へ<卓球・T2ダイヤモンド>

写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 水谷隼「気持ちで負けないようにプレー」 宿敵下し準々決勝へ<卓球・T2ダイヤモンド>

2019.11.23

文:ラリーズ編集部

T2ダイヤモンド2日目となる11月22日、男子シングルスの1回戦が行われた。日本からは水谷隼(木下グループ)が登場し、ドイツのドミトリ・オフチャロフと対戦した。両選手の対決は、4-3で水谷に軍配が上がった。

T2ダイヤモンドは、7ゲームマッチのシングルス形式だが、従来の卓球のルールとは異なり、デュースなしの1ゲーム11点先取で行われる。また、試合時間が24分を越えた場合は1ゲーム5点先取のFAST5へと移行する。

>>水谷隼、30代突入で極める“オトナの戦い方” 3つの敵を倒せ

水谷隼、宿敵オフチャロフに勝利

ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)
写真:ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)/撮影:ラリーズ編集部

日本とドイツを長きに渡って支えてきた両者が対戦し、水谷隼がオフチャロフに勝利した。世界卓球2014東京大会でのゲームオールの激闘が目に焼き付いている人も多いだろう。

第1ゲームからオフチャロフがスタートダッシュを決める。水谷はうまくレシーブができず、オフチャロフに打ち込まれた。リードを広げられ5-10とオフチャロフがゲームポイントを握ったが、ここから水谷が驚異の粘りを見せる。4連続ポイントで9-10まで追い上げるとたまらずオフチャロフがタイムアウトを取るも流れは変わらず、6連続ポイントで第1ゲームを逆転で奪った。

第2ゲームも序盤はオフチャロフのペースで試合は進む。4-8と大量リードされた水谷であったが、第1ゲーム同様差を縮めていき9-10に迫る。しかし、水谷のバックがサイドにオーバーし、2ゲーム連続の大逆転とはならなかった。

水谷
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

第3ゲームは終始オフチャロフの勢いが勝り、ゲームカウントを2-1とリードした。第4ゲームは、この試合初めて水谷が序盤からリードを広げ、先にゲームポイントを握った。オフチャロフのバックサーブに苦しむなど失点を重ねた水谷は10-9と一点差に迫られるも、ダイナミックなラリーを制し、ゲームカウント2-2に追いつき勝負の行方はFAST5へ持ち込まれた。

第5ゲームは、水谷がフォアハンドで果敢に攻め込み3-0とリードを広げる。4-1とゲームポイントを握ると、勢いそのまま第5ゲームを獲得し勝利に王手をかけた。水谷は第6ゲームでオフチャロフの猛攻を防ぎきれず、1点も取れずにこのゲームを落とした。

水谷隼(木下グループ)
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

水谷のサービスエースで始まった第7ゲーム。先制した水谷はレシーブでポイントを奪い2-0とリードする。点差を広げたいところだったが、オフチャロフも負けじと点を取り返す。2-2とオフチャロフが追いついたところで水谷がタイムアウト。タイムアウト後、水谷のサーブをオフチャロフがレシーブミス。

水谷が先行してオフチャロフが追いつく展開は続き4-4の両者マッチポイント迎えた。水谷のサーブがネットにかかりレット(やり直し)となると、会場からはどよめが起こる。緊迫した中で、水谷はストップの展開からバックハンドを振り抜き、水谷のポイントに。まさに死闘と呼べる戦いは、水谷に勝利の女神が微笑んだ。

水谷
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

>>東京五輪金メダルへ 卓球王国・中国に強い日本選手は誰だ!<対中国勝率ランキング>

「気持ちで負けないようにプレーした」

試合後水谷は「今回は接戦をものにできて良かった。この半年はマッチポイントを握って大逆転負けがずっと続いていて、苦しい負けばかり。今日もマッチポイントをとったときに、また負けるんじゃないかと不安になったが、最後自分を信じてプレーできてよかった」と大激戦を振り返った。

T2ダイヤモンド
写真:光での華やかな演出のあるT2ダイヤモンド/撮影:ラリーズ編集部

目に不安を抱える水谷はT2ダイヤモンドの光については「1ゲーム目、光の影響が少ないコートをとった。見やすい方では絶対取る、見えない方ではしょうがないかなと(いう気持ちでプレーした)。意識しても余計(ボールが)見えなくなるだけので、何も考えず、じっくり見ることができるレシーブで思い切って打って、そこからは読みで打っていた。今日はとにかく気持ちで負けないようにプレーした」とコメント。

水谷
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

最後マッチポイントを握った4-4の場面は「ロングサービスを出すと決めていたがネットにかかるとは想定外。緊張していたのでロングサービスの質が低かった(のでネットにかかった)。ただ最後、(バックハンドドライブで)思い切ってループでなくて振り切れたのが成長できた部分かなと思う」と勝利を決めた1点について語った。

また、チームワールドカップ欠場の原因となった腰痛に関しては「だいぶ良くはなってきた。良くなってきた中で試合が連戦なのでもう少し時間はかかるが上向き」とコンディションは良くなっていることを明かした。

次戦は中国・林高遠(リンガオユエン)との対戦となるが「次は久しぶりの中国選手ということで、自分の力を出して勝ちたい」と力強く意気込みを述べた。

>>【連載】なぜ中国は卓球が強いのか?<Vol1.水谷隼>

詳細スコア

水谷
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

◯水谷隼 4-3 ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)
11-10/9-11/5-11/11-9/5-2/0-5/5-4

>>【水谷隼#2】「実は1年間、球がほとんど見えない」深刻な目の症状を告白