文:ラリーズ編集部
<卓球 WTTマカオ・11月25日~29日>
29日、ITTF主催の新大会、WTTマカオは大会最終日を迎え、男女シングルス決勝が行われた。決勝は11ポイント先取の9ゲームマッチであり、男子は馬龍(マロン・中国)、女子は孫穎莎(スンイーシャ・中国)が優勝を収め、新大会WTTの初代王者となった。
“卓球の商業化”狙う変則ルールの新大会 男女16選手ずつが参戦<WTTマカオ見どころ>
男子は馬龍が貫録のプレー
決勝は、先日のITTFファイナル覇者の馬龍と、20歳の王楚欽(ワンチューチン・中国)との同士討ちとなった。
写真:馬龍 /提供:ittfworld
第1ゲームは王楚欽より12歳年上の、経験豊富な馬龍が先取する。
第2ゲームは打って変わって、王楚欽6-2と大きくリードする展開となる。しかし、馬龍もじりじりと詰め寄る。何度か相手にチャンスボールを送ってしまうこともあったが、冷静にブロックし、逆に自分のポイントにして見せた。最後はネットをかすめた馬龍の球を王楚欽が返せず、第2ゲームも馬龍が奪取した。
第3、4ゲームも馬龍が王楚欽のバックサイドを上手く攻め、連取した。
写真:王楚欽/提供:ittfworld
4ゲームを連取され後がなくなった王楚欽は、3-4と1点ビハインドで、タイムアウトを取る。同士討ちのため、コーチからのアドバイスを受けることはできないが、ここから王楚欽は息を吹き返す。この試合では最終ゲーム以外デュース制度は導入されないので、10-10から先にポイントを取った王楚欽が、このゲームをもぎ取った。
ここから王楚欽の反撃が始まるかと思われたが、馬龍がカットブロックなどの技が光り、リードを重ねる。最後は王楚欽のバックハンドがオーバーし、馬龍が栄冠をつかんだ。
女子は孫穎莎がV
女子決勝は世界ランク3位の孫穎莎と同ランク13位の陳幸同(チェンシントン・中国)との対決となり、こちらも男子同様、同士討ちとなった。
写真:陳幸同/提供:ittfworld
第1ゲームは中盤までは拮抗する展開となるが、陳幸同が長いラリーの中でフォアストレートに打ち抜く見事なプレーを見せ、10-7とゲームポイントを握る。しかしここでフォア前に浮いた球を陳幸同がミスしてから、孫穎莎が4ポイント連続で取り、逆転で第1ゲームを先取する。
第2ゲームもラリー中に陳幸同がバックストレートを抜いて会場が沸くプレーを見せリードを奪うが、終盤でまたも孫穎莎が逆転し、このゲームも奪う。
3ゲーム目は序盤から孫穎莎がリードする展開となる。長いラリーが多く見られ、白熱したゲームだが、最後は孫穎莎がパワフルなボールで陳幸同のフォアを打ち抜き、連取した。
写真:孫穎莎/提供:ittfworld
リードを奪いながらも、なかなか取りきることができない陳幸同であったが、第4ゲームでは6-4の2点リードでタイムアウトを取り、落ち着いて点数を重ね、初めてゲームを奪った。
だがここから孫穎莎が全く隙のないプレーを見せる。ラリーでは攻め込まれた展開でも、パワーのあるボールを相手の両サイドに打ち込み、相手に主導権を握らせない。さらにギアを一段上げた孫穎莎が第5、第6ゲームを奪い、優勝を収めた。
丁寧(ディンニン・中国)と陳夢(チェンムン・中国)を倒して決勝に勝ち上がってきた陳幸同だったが、孫穎莎に黒星をつけることはできなかった。
決勝 詳細スコア
男子シングルス
〇馬龍 5-1 王楚欽
11-5/11-9/11-4/11-5/10-11/11-8
女子シングルス
〇孫穎莎 5-1 陳幸同
11-10/11-8/11-6/9-11/11-6/11-4
男子シングルス最終順位
1位 馬龍
2位 王楚欽
3位 林高遠(リンガオユエン・中国)、マティアス・ファルク(スウェーデン)
女子シングルス最終順位
1位 孫穎莎
2位 陳幸同
3位 王曼昱(ワンマンユ・中国)、陳夢(チェンムン・中国)