文:ラリーズ編集部
<7月23日~8月2日 全中国選手権 天津市武清体育センター>
7月23日から全中国選手権が開催されており、男女団体・男女シングルス・混合ダブルスの計5種目が行われる。
27日には混合ダブルスの決勝が、続く29日には男女シングルスの決勝が行われた。日本の全日本選手権にあたる大会だが、男子では許昕(シュシン・7月世界ランキング1位)、樊振東(ファンジェンドン・同3位)、馬龍(マロン・同5位)が欠場し、女子でも劉詩雯(リュウスーウェン・同2位)と丁寧(ディンニン・同3位)が欠場するなど主力選手が不在となった。
しかし選手層の厚い中国では他にも有力な選手は多く、レベルの高い試合が繰り広げられた。
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男子シングルス試合結果
写真:惜しくも優勝を逃した王楚欽/提供:ittfworld
1位:侯英超
2位:王楚欽
3位:周启豪、馬特
39歳のカットマンで、Tリーグに参戦する侯英超(ホウインチャオ)が、梁靖崑(リャンジンクン・同6位)、周启豪(ジョウチーホウ・同81位)らを連破し、19年ぶりの優勝を飾った。
強い下回転のかかったカットとナックルカットを巧みに織り交ぜ、甘くなったボールは全て見逃さずにカウンターや、得意のカーブロングで攻撃に転じるプレーはまさにベテランにしかできないプレーだった。
準優勝は王楚欽(ワンチューチン・同71位)。先日行われたT2 Diamondで敗れていた林高遠(リンガオユエン・同2位)を破ると勢いそのままに決勝まで駆け上がった。準決勝ではカットマンの馬特(マテ・同183位)を一蹴したが、決勝では同じくカットマンの侯英超に及ばなかった。
侯は試合後「王楚欽は肩に痛みを抱えていたことが、今日4-0で勝てた理由の一部です。今は子供が2人いて、19歳で初めて全中国選手権のタイトルを取った時に比べて、考え方や精神面が成熟してきました。だからコート上でもより落ち着けるのです。私はただ試合を楽しみたいと思っています。」と話した。
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女子シングルス試合結果
写真:国内大会では初優勝を飾った孫穎莎/提供:ittfworld
1位:孫穎莎
2位:朱雨玲
3位:陳夢、何卓佳
女子シングルスは、陳幸同(チェンシントン・同21位)、陳夢(チェンムン・同1位)、朱雨玲(ジュユリン・同4位)を連破した孫穎莎(スンインシャ・同11位)が初優勝。初めての国内大会のタイトルとなる。
準決勝では、世界ランキング1位の陳夢と対戦したが、序盤から持ち前のパワープレーで陳につけ入る隙を与えなかった。
決勝戦では、T2 Diamondで負けている朱雨玲と対戦。孫はチャンスボールのミスなどが重なり、ストレートで敗れていたため、今回は序盤から積極的に攻め続けた。朱雨玲もかなり善戦したが、要所で孫が思い切った回り込みを見せ、朱を突き放した。
また3位に入賞した何卓佳(フーズオジャー・同14位)は準々決勝で王曼昱(ワンマンユ・同5位)を破る金星。準決勝では堅守の朱雨玲に屈したが、バックに変化形表ソフトラバーを貼った前陣速攻のプレーで世界トップ選手に勝てることを存分にアピールした。
混合ダブルス試合結果
写真:試合を経るごとに息が合う林高遠(写真左)と王曼昱(写真右)/提供:ittfworld
1位:林高遠/王曼昱
2位:周启豪/陳幸同
3位:周雨/木子、郑培峰/顧玉婷
優勝は林高遠/王曼昱、準優勝は周启豪/陳幸同となった。決勝は1ゲーム目が17-19というかなり競った内容で、林・王ペアが落としたものの、その後はしっかりと調整し、4ゲームを連取した。決勝戦まではあまりかみ合わないと話していた林・王ペアだが、決勝では息の合ったプレーで一気に優勝を決めた。
個人戦は29日で全試合が終了したが、30日からは団体戦が行われる。個人戦で優勝した選手の活躍はまだまだ見逃せない。