写真:優勝した陳夢(中国・左から3人目)と準優勝の伊藤美誠(スターツ・左から2人目)/提供:ittfworld
大会報道 伊藤、2大会連続の表彰台 最強中国は男女ともV<卓球・カタールオープン最終日総括>
2020.03.09
文:ラリーズ編集部
<ITTFワールドツアープラチナ・カタールオープン 2020年3月2日~3月8日>
8日、最終日のカタールオープンでは男子シングルス準決勝・決勝、女子シングルスの決勝が行われた。男子は樊振東(ファンジェンドン・中国)、女子は陳夢(チェンムン・中国)が優勝を果たし幕を閉じた。
リアム・ピッチフォード(イングランド)と伊藤美誠(スターツ)の2大会続けての活躍が光った中、中国勢が不参加だったハンガリーオープンから一転、5種目中4種目で中国勢が優勝となった。
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男子シングルス総括
写真:優勝した樊振東/提供:ittfworld
準決勝の第一試合は樊振東と王楚欽(ワンチューチン・中国)の中国勢対決。王は切れのある動きで両ハンドを打ち込んでいき、最初の2ゲームを連取する。対する樊は得意のパワフルなラリー戦に持っていき得点を重ね、第3ゲームから4ゲームを一気に連取し勝利した。
王は、2019スウェーデンオープン以来の決勝進出とはならなかったがベスト4となった。
写真:ベスト4の王楚欽/提供:ittfworld
準決勝の第二試合は前日男子ダブルスの決勝で対戦した、ピッチフォードと許昕(シュシン・中国)の顔合わせ。
回転量の多い返球の許と独特の間合いで両ハンドを放つピッチフォードが、互いの持ち味を生かし2ゲームずつを取り合う。ここから互いに譲らない大接戦を繰り広げたが、ピッチフォードが許のプレー領域の広さを凌駕する厳しいコース取りから第5,6ゲームをものにし勝利を収めた。
許は前回出場大会の2020ドイツオープンに続いて決勝進出とはならず、ベスト4となった。
写真:ベスト4の許昕/提供:ittfworld
決勝は過去1度しか対戦のない樊とピッチフォードの一戦。
写真:準優勝のリアム・ピッチフォード/提供:ittfworld
樊は威力のある両ハンドで得点し、最初の2ゲームを連取する。対してピッチフォードは、手足のリーチを活かしたコース取りをみせ1ゲームを取り返す。その後互いに1ゲームずつを取り合い迎えた第6ゲーム、樊が強力なドライブでピッチフォードを押し込んでこのゲームを取り、2019年男子ワールドカップ以来の優勝を果たした。
ピッチフォードはワールドツアープラチナ大会でイングランド勢初の準優勝となった。
写真:優勝した樊振東(中国・右)と準優勝のリアム・ピッチフォード(イングランド・左)/提供:ittfworld
女子シングルス総括
女子シングルス決勝は、2020ドイツオープン以来の優勝を狙う陳夢と準決勝で丁寧(ディンニン・中国)をストレートで下した伊藤美誠の対戦。
伊藤はバックハンドから緩急をつけたボールを繰り出し、第1ゲームを取る。しかし第2ゲーム以降、陳は徐々に伊藤のバックハンドに対応し始める。左右にボールを散らし的を絞らせないことで伊藤の打点の早い攻撃を封じ、一気に4ゲームを連取して優勝を果たした。
伊藤は2大会連続の優勝とはならなかったが、準優勝で再び表彰台に上る活躍をみせた。
写真:準優勝の伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld
ITTFワールドツアープラチナ・カタールオープン最終日結果
男子シングルス準決勝
〇樊振東(中国)4-2王楚欽(中国)
7-11/8-11/11-6/14-12/11-7/11-9
〇リアム・ピッチフォード(イングランド)4-2許昕(中国)
3-11/11-7/11-9/6-11/15-13/11-9
男子シングルス決勝
〇樊振東(中国)4-2リアム・ピッチフォード(イングランド)
11-9/11-7/8-11/11-4/6-11/11-7
女子シングルス決勝
〇陳夢(中国)4-1伊藤美誠(日本)
3-11/11-7/11-9/11-7/11-7