文:ラリーズ編集部
<世界選手権個人の部(世界卓球2021)ヒューストン大会 日時:11月23日~29日 場所:アメリカ・ヒューストン>
現地時間25日、世界選手権は3日目を迎え、男女シングルス3回戦と男女ダブルス、混合ダブルスの2回戦が行われた。
3日目男子シングルス
写真:戸上隼輔(明治大)/撮影:ラリーズ編集部
日本代表で唯一3回戦に勝ち上がっていた戸上隼輔(明治大)は王楚欽(ワンチューチン・中国)と対戦。ラリーで戸上が粘り強く返す場面も見られたが、王楚欽が試合の主導権を握り4-0のストレートで勝利した。試合後、戸上は「2、3倍の努力をしないと(差が)埋められない」と実力差を痛感した。
写真:林鐘勲(イムジョンフン・韓国)/撮影:ラリーズ編集部
海外勢でも波乱の展開となっている。今大会第3シードで、東京五輪男子シングルスでベスト4に入った林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)が林鐘勲(イムジョンフン・韓国)に敗れ、3回戦で姿を消した。このほかワン・ヤン(スロバキア)がシモン・ゴジ(フランス)に、トルルス・モーレゴード(スウェーデン)がパトリック・フランチスカ(ドイツ)に勝利した。
写真:樊振東(ファンジェンドン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
一方、第1シードの樊振東(ファンジェンドン・中国)をはじめとする中国勢、ティモ・ボル(ドイツ)、ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)らは順当に4回戦進出を決めている。
3日目女子シングルス
写真:平野美宇(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
日本代表から全5名が3回戦に出場、石川佳純(全農)、早田ひな(日本生命)は難なく勝利するが、平野美宇(日本生命)はバラボラ・バラージョバー(スロバキア)の猛攻に苦しみながらフルゲームの激闘を制した。
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
また、伊藤美誠(スターツ)と芝田沙季(ミキハウス)による同士討ちも熱戦となった。伊藤の緩急のあるボールに芝田がフットワークと圧倒的なラリー力で対応し、五分五分の展開が続いていた。フルゲームまでもつれ込んだが、最終ゲームは伊藤が制した。
写真:ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)/撮影:ラリーズ編集部
海外勢では、陳夢(チェンムン・中国)をはじめとする中国代表全員が4回戦へ進出。他には、ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)や杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)、アドリアーナ・ディアス(プエルトリコ)ら各地域のトップ選手が勝ち進んでいる。
3日目ダブルス
写真:宇田幸矢(明治大)と戸上隼輔(明治大)/撮影:ラリーズ編集部
男子ダブルスには張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)ペア、戸上/宇田幸矢(明治大)ペアが初戦を迎えた。張本/森薗はアルゼンチンのペアに対して落ち着いたラリーを展開し、3-0のストレートで勝利、戸上/宇田ペアも抜群のペアリングでストレート勝利を飾った。
写真:早田ひな(日本生命)・伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
女子ダブルスも伊藤/早田ペア、石川/平野ペアが2回戦に登場した。伊藤/早田ペアは台湾のペアに、石川/平野ペアは欧州の強力なペアにストレートで勝利し、危なげなく3回戦進出を決めた。
写真:宇田幸矢(明治大)・芝田沙季(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部
混合ダブルス2回戦では宇田/芝田ペアと、張本/早田ペアが直接対決に臨んだ。互いに2ゲームずつ取り合い、フルゲームまでもつれ込んだ熱戦となったが、最終ゲームで張本/早田ペアの攻撃が得点につながり、張本/早田ペアに軍配が上がった。
写真:林昀儒/鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)ペア/撮影:ラリーズ編集部
混合ダブルスでは、中国ペアに加え、カナック・ジャー(アメリカ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)ペアや林高遠(リンガオユエン・中国)/チャン・リリー(アメリカ)ペア、第1シードの林昀儒/鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)ペアが3回戦へと駒を進めた。
写真:林高遠(リンガオユエン・中国)/チャン・リリー(アメリカ)ペア/撮影:ラリーズ編集部
4日目となる26日には、男女シングルスの4回戦、男女ダブルス、混合ダブルスの3回戦が行われる。
4日目見どころ
写真:平野美宇(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
日本代表は女子シングルスと各ダブルスに登場する。女子シングルスでは平野、早田が中国代表との試合に臨む。平野は陳夢(チェンムン・中国)と対戦するが、過去には2017年のアジア選手権決勝で勝利した以外は負けを喫している。大舞台で再び平野旋風を巻き起こすことができるのか注目の一戦だ。
写真:張本智和(木下グループ)・森薗政崇(BOBSON)ペア/撮影:ラリーズ編集部
男子ダブルスでは張本/森薗ペアと、戸上/宇田ペアによる同士討ちが見逃せない。2回戦終了後、「まだまだ自分たちの形が分からない」と話していた張本/森薗ペアは、ここで良い連携を見せることができるのか。女子ダブルスでも、伊藤/早田ペア、石川/平野ペアが準々決勝進出を目指して3回戦に挑む。
写真:張本智和(木下グループ)・早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
混合ダブルスの張本/早田ペアは、黄鎮廷(ウォンチュンティン)/杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)ペアと対戦する。2019年の国際大会では2戦2敗と分が悪い相手だが、日本勢4大会連続での決勝進出を目指すには落とすことのできない、目が離せない試合だ。
写真:ティモ・ボル(ドイツ)/撮影:ラリーズ編集部
26日で、全種目のベスト8が決まり、以降さらにハイレベルな戦いが予想される。中国やアジアの選手だけでなく、ティモ・ボルやユアン・ジャナン(フランス)といった欧州の実力者の勝ち上がりにも注目が集まる。
3日目 日本代表結果
男子シングルス3回戦
戸上隼輔 0-4 王楚欽(ワンチューチン・中国)〇
女子シングルス3回戦
〇平野美宇 4-3 バラボラ・バラージョバー(スロバキア)
〇石川佳純 4-0 マルガリタ・ペソツカ(ウクライナ)
〇伊藤美誠 4-3 芝田沙季
〇早田ひな 4-1 ディナ・メシュレフ(エジプト)
男子ダブルス2回戦
〇張本智和/森薗政崇 3-0 ホラシオ・シフェンテス/ガストン・アルト(アルゼンチン)
〇宇田幸矢/戸上隼輔 3-0 デボス・ロビン(ベルギー)/ベネデック・オラー(フィンランド)
女子ダブルス2回戦
〇伊藤美誠/早田ひな 3-0 陳思羽(チェンズーユ)/Li Yu-Jhun(チャイニーズタイペイ)
〇石川佳純/平野美宇 3-0 ソフィア・ポルカノバ(オーストリア)/ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)
混合ダブルス2回戦
宇田幸矢/芝田沙季 2-3 張本智和/早田ひな〇
4日目 日本代表試合予定
女子シングルス4回戦
平野美宇 – 陳夢(チェンムン・中国)
石川佳純 – ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)
伊藤美誠 – サウェータブット・スターシニー(タイ)
早田ひな – 王藝迪(ワンイーディー・中国)
男子ダブルス3回戦
張本智和/森薗政崇 – 宇田幸矢/戸上隼輔
女子ダブルス3回戦
伊藤美誠/早田ひな – サビーネ・ウィンター/ニーナ・ミッテルハム(ドイツ)
石川佳純/平野美宇 – サウェータブット・スターシニー/パラナン・オラワン(タイ)
混合ダブルス3回戦
張本智和/早田ひな – 黄鎮廷(ウォンチュンティン)/杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)
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