文:ラリーズ編集部
<東京五輪卓球競技 7月24日~8月6日 場所:東京体育館>
29日、東京五輪の卓球競技6日目、女子シングルス3位決定戦に伊藤美誠(スターツ)が登場。于梦雨(ユモンユ・シンガポール)に対し、ゲームカウント4-1で勝利し、日本女子卓球初の五輪シングルスメダルとなる銅メダルを獲得した。
伊藤美誠の対戦相手は石川を下した于梦雨
写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:ITTF
伊藤は今大会、混合ダブルスで金メダルを獲得すると、女子シングルスではユ・フ(ポルトガル)、サウェータブット・スターシニー(タイ)、田志希(ジョンジヒ・韓国)を下し、準決勝まで危なげなく勝ち上がった。しかし、準決勝では孫頴莎(スンイーシャ・中国)に阻まれ、3位決定戦に回ることとなった。
写真:于梦雨(ユモンユ・シンガポール)/提供:ITTF
対する于梦雨は、Tリーグ・日本生命レッドエルフでもプレーしている31歳だ。リオ五輪の団体3位決定戦では日本の福原愛に勝利し、今大会の準々決勝では石川佳純(全農)を下し勝ちあがってきた。準決勝では中国の陳夢(チェンムン)に敗れたものの、手足の長さを活かした両ハンドドライブには要注意だ。
2012年ロンドン五輪では石川が、2016年のリオ五輪では福原が阻まれた女子シングルス3位決定戦の壁に伊藤が挑んだ。
伊藤美誠vs于梦雨
第1ゲームは、于梦雨は回転量の多いドライブを、伊藤はスマッシュ気味のボールをお互い放ち互角のラリーを展開する。
ポイントとなったのは、石川も準々決勝で苦しめられた于梦雨の切れたツッツキだ。少し浮いていても強烈な下回転がかかっているため、注意しないとネットミスになってしまう。6-7で伊藤もスマッシュがミスとなってしまい、そのまま6-11で第1ゲームを落としてしまった。
写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:ITTF
第2ゲームもラリーでは于梦雨有利に進むが、伊藤がサービスエースを連発。得意のサービスで立ち直った伊藤が、ゲームポイントもサービスエースで決め、11-8でゲームカウントを1-1に戻した。第3ゲームも于梦雨に7-5とリードを許すもそこからサービスを中心に伊藤が6連続得点で逆転で奪取した。
写真:伊藤美誠/提供:ITTF
第4ゲームからは少し笑顔も見えてきた伊藤。ラリーでも于梦雨に打ち勝てるようになってきた。伊藤は、追い上げられた8-7でタイムアウトを取り、そのタイムアウト明けにいきなりサービスエースを奪い、流れをグッと引き寄せた。
そのまま第4、第5ゲームを連取した伊藤が、ゲームカウント4-1で勝利。会場で早田ひな、平野美宇(ともに日本生命)と“黄金世代”の同期が見守る前で、日本女子卓球史上初のシングルスメダル獲得を果たした。
試合後のコメント
試合を終えて
伊藤:すごく勝ったことは嬉しいんですけど、正直悔しい気持ちのほうが大きいかなと思います。
準決勝の負けが尾を引いているということでしょうか
伊藤:今日まず勝てたことは一番だと思うんですけど、3位決定戦も、サーブレシーブは良くなったと思いますが、全体が良くなった状態で試合に臨めなかったので、そこはちょっと悔しい気持ちです。
それでも、周囲の支えたくれたみなさんや、日本中が、ここまでの頑張りを称えていると思います
伊藤:負けた後もたくさん励ましてもらって、すごくみなさん明るく接してくれて、実際気持ちを切り替えることは早くできたんですけど、正直勝っても、準決勝の悔しい気持ちと自分がうまくいかなかった気持ちが、ちょっと残っています。
その涙は悔し涙でしょうか
伊藤:はい、悔し涙です。
女子シングルス3位決定戦
〇伊藤美誠 4-1 于梦雨(ユモンユ・シンガポール)
6-11/11-8/11-7/11-7/11-6
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