文:ラリーズ編集部
<東京五輪卓球競技 7月24日~8月6日 場所:東京体育館>
4日、東京五輪卓球競技の男子団体準決勝で日本とドイツが対戦した。1番ダブルスで水谷隼(木下グループ)/丹羽孝希(スヴェンソン)ペアが、ドイツペアにゲームカウント2-3で敗れた。
水谷/丹羽 vs ボル/フランチスカ
写真:水谷隼(写真右)と丹羽孝希(写真左)/提供:ロイター/アフロ
日本は、準々決勝のスウェーデン戦では、丹羽/張本智和(木下グループ)の右左ペアを起用したが、準決勝は1回戦と同じく水谷/丹羽の世界的にも珍しい左利き同士のダブルスを起用した。2019年の香港オープンでは1回戦敗退と国際大会では実績を残していなかったが、1回戦のオーストラリア戦では3-0で完勝と良い動きを見せていた。
写真:パトリック・フランチスカ/ティモ・ボル(ドイツ)/提供:ITTF
対するはドイツのエースペアであるパトリック・フランチスカ/ティモ・ボル(ドイツ)だ。世界ランク10位のボルと17位のフランチスカの左右ペアは、ラリーの安定感も抜群でともに両ハンドの威力は折り紙付き。
ラリーに持ち込まれると厳しい日本ペアの戦い方に注目が集まった。
左左ペアが見せ場作る
ラリーに持ち込まず、3球目、5球目と早い展開で決めたい日本ペア。レシーブから積極的にチキータで仕掛けていく。しかし、そこも織り込み済みのドイツペアは、チキータに対しカウンターを叩きこんでいく。
また、ドイツペアはロングサービスを織り交ぜ、チキータを封じてくる。さらにコース取りも水谷/丹羽のフォア側を打ち抜く展開を多く見せ、第1ゲームは11-2でドイツペアに軍配が上がった。第2ゲーム、水谷/丹羽がなかなか打開策を見出せず、3-11と2ゲーム連続で落としてしまう。
写真:丹羽孝希・水谷隼ペア/提供:ロイター/アフロ
第3ゲーム、水谷の積極的な攻めを中心に何とか意地の1ゲームを奪取すると、第4ゲームも水谷・丹羽が早い打点のバックハンドなどで積極果敢に攻め立てる。試合中に徐々にコンビネーションを高めていく日本ペアに、ドイツペアは守りの展開が増えていく。
日本卓球界が誇る“天才左腕”のコンビが挑む勝負の最終ゲーム。ドイツペアが台上の展開から得点を重ね、1-5と日本ペアはリードを奪われる。しかし、4-5と日本ペアが追い上げると、ドイツペアはたまらずタイムアウト。そこから手に汗握る一進一退の攻防が続いたが、最後は安定感の勝るドイツペアに軍配。ゲームカウント2-3で日本ペアは惜しくも敗れた。
2番シングルスでは張本智和(木下グループ)とドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)の対戦となる。張本とオフチャロフは通算3勝4敗で張本が1つ負け越しているも、2021年はWTTの2試合で1勝1敗とほぼ互角。この試合の命運を握る2番シングルスの行方は果たして。
男子団体準決勝
日本 0-1 ドイツ
丹羽孝希/水谷隼 2-3 パトリック・フランチスカ/ティモ・ボル〇
2-11/3-11/11-9/11-8/7-11
張本智和 – ドミトリ・オフチャロフ
水谷隼 – ティモ・ボル
張本智和 – パトリック・フランチスカ
丹羽孝希 – ドミトリ・オフチャロフ
丹羽孝希インタビュー
写真:丹羽孝希(スヴェンソン)/撮影:伊藤圭
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