張本「これまで以上に危機感を持たないと」 早田との混合複で自身初のメダル獲得<世界卓球2021> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:張本智和・早田ひなペア/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 張本「これまで以上に危機感を持たないと」 早田との混合複で自身初のメダル獲得<世界卓球2021>

2021.11.29

文:ラリーズ編集部

<世界選手権個人の部(世界卓球2021)ヒューストン大会 日時:11月23日~29日 場所:アメリカ・ヒューストン>

現地時間28日、世界選手権は6日目を迎え、混合ダブルス決勝に張本智和(木下グループ)/早田ひな(日本生命)ペアが登場。王楚欽(ワンチューチン・中国)/孫穎莎(スンイーシャ・中国)ペアに0-3で敗れ、準優勝となった。

試合後、張本・早田が報道陣の質問に答えた。

張本智和・早田ひなインタビュー


写真:張本智和・早田ひなペア/撮影:ラリーズ編集部

決勝の中国ペアについて

張本:本当に攻撃力が高くて、他の中国ペアとは違うなと思いました。

早田:最初私が男子選手にボールを送るローテだったんですけど、張本選手が反撃できないくらいボールの威力があって、私自身もそこまでボールの質は経験したことがないので、逆に打たせるなら打たせる、止めるなら止めるとはっきりしておけばやりやすかったのかなと思うんですけど、(相手選手の)勢いもすごかったので、そういったところが自分たちもなかなか戦術を絞ることができなくて、負けてしまったのかなと思います。

初めての世界選手権でのメダル獲得の感想は

張本:自分にとって世界選手権での初のメダルは本当にうれしいですし、やっと取れたってほっとする気持ちも強くて、それも早田選手が初戦から引っ張ってくれたおかげで、2人で力を合わせて勝てたと思ってるので、優勝はできなかったんですけどこうしてメダルを取れて本当にうれしく思います。

中国選手と戦った、最初のラウンドと最後のラウンドはどう違いましたか?

張本:レシーブが本当に強くて、(レシーブから)ドライブのようなレシーブが返ってきて、なかなか攻めづらいっていうのと、あとは守備力で自分たちが打っても何事もなかったようにブロックしてきて、完璧だなと思います。

早田:張本選手が言ったように攻撃力プラス守備力も本当に高くて、私たち自身も何本も何本も打ってやっと1点につながるという場面が多くて、そういった部分で強さを感じましたし、私たちも連続攻撃がもっともっとできるようになると、こういったペアにももっと競るんじゃないかなと思いました。

張本智和囲み取材


写真:張本智和・早田ひなペア/撮影:ラリーズ編集部

決勝戦の最初の印象

もちろん今までとは違うことはわかってたんですけど、それ以上にチキータがドライブみたいで常に差し込まれてる状態で、なかなかカウンターもできずに、本当に準備してきた以上のプレーをされてしまったので、1ゲーム目で2点しか取れなくて、そこで完全に委縮してしまった部分がありました。

相手ペアは男女ともにパワーのある選手だったが

自分が女子選手に打つパターンでも良いバックを打っても普通にブロックされたり、軽くカウンターされたりというのがあったので、そこで得点できないともちろんどっちのパターンでも、ゲームでも取れないので、唯一悔しいとするなら8-9のチャンスボールを決め切れなかったのが自分の中で心残りなんですけど、それ以上に完敗だった。

(張本は)ユース五輪で中国ペアと対決してるが、当時との違い

王選手はあの時よりも何倍も強くなっていて、あの時はまだミスもちょっとあって荒々しい卓球だったんですけど、今はそれにミスが減って精度も増しているので、本当に王選手(に対して)のレシーブが良くなかったです。

中国の壁はどこに感じたか

結果は2位であと一歩ですけど、その一歩が本当に大きくて、本当に今回はかすりもしなかったので、正直な印象は。まずは1ゲーム取るところから、3ゲーム目ちょっとはチャンスがあったので、次もし対戦する機会があればまずは1ゲームというのが現実的な目標であるかなと。

それで1ゲーム取れれば相手も少しは緊張すると思うし、なかなか最初みたいに思いっきり振れないと思うので、まずは相手を、(日本ペアが)今回は違うなと思わせられるところが次の課題かなと思います。

中国勢に単で負ける、複で負ける違いはあるか?

シングルスでも、王選手に完璧にやられる試合が多くて、次世代で樊振東(ファンジェンドン・中国)選手の次に強い選手だと思ってるので、もちろん今後の世界卓球、五輪でメダルを取るには絶対に超えなきゃいけない壁ですし、金(メダル)を取るならもっと超えなきゃいけないと思います。

自分の場合はまだ、ヨーロッパ選手だったりアジア選手に足元すくわれてるのが続いているので、課題はたくさんありますけど、やっていくことは変わらないかなと思います。

最後のツッツキは誰の提案?

ベンチで田勢さんと3人で話し合っているときに、おとなしくストップして浮いて打たれるのはチャンスがないので、打たせるにしても威力を落とさせたり、長く(返すことができて)自分たちが自信をもってできる思い切ったプレーがチキータかツッツキぐらいしかなかったので、それでその結果少しは点が取れた。

それができたとしても(ゲームカウント)0-2で相手もなかなか崩れないので、ちょっと遅かったのかなと(思います)。

今後に向けての改善点

準決勝と違うのは、王選手がフォアにもいいチキータを持っているのでそれをカバーしなきゃいけない、今日はそれができずに何本も抜かれたりブロックで返すことになったので、バックをカバーしつつフォアでもカウンターできるようにしておくのが最善の策かなと思います。

張本:世界選手権の総括


写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

シングルスが終わった時点で、メダル0の可能性が一番高いと思ったので、でも混合をやっていく中で、男子ダブルスでも少しづつシングルスよりいいプレーができていたので、メダル2つ取れたかもしれないですし、結果的に1つ獲得することができて、本当にほっとしています。

シングルス、男子ダブルスの反省は今までにないくらいたくさんあるので、まずはシンガポールでしっかり戦いきって、全日本選手権に向けてしっかり反省していかなきゃいけないと思います。

同世代のライバルの台頭について

日本も海外も若い選手が活躍していて、特にトルルス・モーレゴード(スウェーデン)選手は決勝まで勝ち上がっていて素晴らしいなと。

自分が今まで先に活躍してきた中で、こうやって後ろからどんどん追いついてきている選手がいるので、これまで以上に危機感を持たないといけないですし、結果だけがすべてなので、早く結果を特にシングルス残さないとおいてかれるので、そこは自分自身が一番わかっているので、危機感を持っていきたいと思います。

混合ダブルス決勝結果

張本智和/早田ひな 0-3 王楚欽/孫穎莎(中国)〇
2-11/5-11/8-11

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