パリ五輪銅から丸2年を経た早田ひな「強かったときの感覚が戻ってきている」<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 パリ五輪銅から丸2年を経た早田ひな「強かったときの感覚が戻ってきている」<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026>

2026.08.06

文:ラリーズ編集部

<2026WTTチャンピオンズ横浜 日時:8月4日〜9日 場所:横浜BUNTAI(神奈川県)>

5日、WTTチャンピオンズ横浜は2日目を迎え、女子シングルス1回戦では早田ひな(日本生命)が杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)と対戦した。

直近のWTTスターコンテンダーの大会で2大会優勝している早田。ゲームカウント1-1で杜凱琹もミスの少ないプレーで得点を重ねるも、早田がサービスやラリーの駆け引きで上回り、ゲームカウント3-1で早田が勝利した。

試合後、早田が報道陣の囲み取材に答えた。

早田ひな(日本生命) コメント

── 試合お疲れ様でした。勝った瞬間に笑みもこぼれましたが、率直にどんな気持ちでしたか?

早田:今日の試合は負けてもおかしくないような、自分の中でも苦しい試合でした。でも、みなさんに応援してもらってる分、1回戦で負けたくない、最後まで勝ちきりたいという気持ちがあって、本当に大事な一本や、変えなきゃいけない一本をしっかり取れたので嬉しかったです。

── 試合内容を振り返ってみていかがですか?

早田:第1ゲームの入りは悪くないなと感じたんですけど、相手もやっぱり強い選手ではあるので。

ちょっと自分の展開に苦しい部分が多いなかでも、8-7や最後の10-8のタイミングでサービスを変えてから、自分の強みでもあるフォアドライブにつなげられました。そういった戦術転換は今までの自分にないところですし、ああいった緊張した場面でもしっかり勇気を出して、仮に相手に点数を取られても後悔しない選択はできたんじゃないかなと思います。

── まさに10-8の場面でのバックサービスが素晴らしかったと思いますが、あの場面ではどういったことを考えていたのでしょうか?

早田:他にもサービスの選択肢は色々あったんですけど、もし(ゲームカウント)1-2になったり、2-2になったりした場合、どのサービスが効くのかを情報として持っていた方がいいなと思ったので(バックサービスを出しました)。

もちろん(点数が)取れたことは嬉しかったですし、戦術の展開としては点数を取ったからこそ正解になったとは思うんですけど、もしも点数を取られていたとしても(ゲームカウント)2-2になったときにまた(バックサービスを)使ったりもできますし、そういう諸々を含めて使いました。

そのためにサービス練習をやってきていますし、それが繋がって点数を取れたのは自分の中で自信になりました。


写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

── タフな試合だったと思いますが、試合全体ではどんなことを考えながらプレーしていましたか?

早田:杜凱琹選手とは前回の対戦がパリ五輪前だったので、3年間ぐらい対戦がなくて。そこからお互いに色々変わっていますし、(杜凱琹選手は)頭がよくて駆け引きがすごく上手い選手なので、自分のやりたいことをやらせてもらえない我慢の展開が続きました。

その中でサービスやレシーブももちろんですけど、ラリーの中でもちょっとずつコースをついたり、粘る場面は粘ったり、そういった駆け引きの部分で少し上回れたのかなと思います。ちょっとした選択が良かったなと思います。

── 試合後の笑顔も印象的でしたが、試合中から楽しかったという思いもありましたか?

早田:今日に関しては、自分の持ち味が出せる展開になかなか持っていけなかったので、苦しい気持ちの方が強かったなと思います。卓球は自分だけでやるスポーツではないですし、我慢しながらどうにか一点を取る重要さを今日は改めて感じたので、だからこその解放された笑顔だったかなと思います。

── お客さんの声援は、実際にプレーしていて届いていましたか?

早田:第2ゲームを取られてしまったタイミングで、「ひなちゃん頑張れ」とか、色々な方が声を出して応援してくれていたのが聞こえていました。本当にすごく嬉しかったですし、その応援があるからこそ「自分も諦めちゃダメだ」と思って、耐え抜くことができました。

── 海外のお客さんと日本のお客さんで、試合中の声援の聞こえ方は変わりますか?

早田:(日本のファンの方々は)いい意味で静かに応援してくださるというか、礼儀やマナーがすごくいいなと思います。私も日本人ですし、応援する側の立場になったら多分そうなるだろうなとは思うので、もちろん今日の声援でもすごくありがたいんですけど、もっと盛り上げていただいてもいいなと思っています。

ただ、会場に来て応援してくださるだけでも嬉しいですし、みなさんに自分の卓球をできるだけ多く見てもらえたらいいなと思っています。

── 世界卓球の直後は色々と思うところもあったと思いますが、直近で結果が出ていることで、ご自身の中で気持ちの変化は起きていますか?

早田:どちらかというと、世界選手権の選考会で負けて、WTTザグレブで横井選手に日本人対決で負けた後のほうが気持ちの変化は大きかったです。その期間に自分と向き合って、チームひなのみなさんとも色々な話をした結果、自分の中でなんとなく(気持ちが)まとまったからこそ、WTTリュブリャナとWTTブラジルを優勝できたと思うので。

結果が出て良くなったというよりは、自分のなかでモヤモヤしていて自問自答していた部分に光が見えたから、それがうまく卓球につながったという感じですね。

── どんなモヤモヤがあったところからパッと晴れたんでしょうか?

早田:色々な人と関わっていく中で、自分の中でこの感情が邪魔してるのかもなと思って、それを意識して過ごすようになってから、卓球が結構よくなった感じはあるので。

── 今はメンタルもフィジカルも100%に近いと、いい形になってきているのでしょうか?

早田:もちろん100%とは言えないですし、まだまだ伸ばしたいので、今がもし100だったとしたら、120、150とかに伸ばしていきたいなとは思うんですけど、パリ五輪より自分自身が分厚く、幹が太くなっているような感じはするので、パリ五輪の時の自分と対戦したら今のほうが強いだろうなという自信はあります。

── 世界ランキングトップ10から外れる時期も経験していたと思いますが、今は7位まで戻ってきました。

早田:逆に言うと、落ちるとこまで落ちたほうが楽だったのかなと思った時期もありました。

結果が出ていないのに12、13位ぐらいの位置にいるのが、「まだ自分は上位にいる」という捉え方をしていたので。これが30位ぐらいまで落ちていたら、「また一から頑張ろう」となれるんですけど(そうではなかった)。

2年前がちょうどパリ五輪で銅メダル取ったタイミングなんですけど、その2年間ですごく苦しかったところかなと。でも現実的に考えると、13位にいて今7位に戻ってきたことは自分としてはすごいなと思います。パリ五輪後に復帰したのも怪我から3ヶ月ぐらいだったんですけど、復帰も治療の一環で「プレーしているうちに徐々に良くなっていくから」という感じだったので、完治してから再開したわけでもないですし。

それを考えると、自分が休んでいた期間と自分を取り戻すまでの期間で、他の選手はどんどん強くなっていってるなかで、自分の卓球人生が違うところでスタートしているような感覚だったので、他の選手と比べてしまって苦しかった部分もあったんですけど、今7位に戻ってきて、「(戻るのが)早いよな」というのは自分で思っています。

── パリ五輪のときの4位、5位と今の7位は、また違う価値があるということですか?

早田:そうですね、全然違うと思います。今は、色々と覆いかぶさっていたものが一枚ずつ剥がれていっているような感覚で、卓球面でも生活面でも、より自由に生き生きしているなという感じはします。

── WTTザグレブでの収穫を得て、そこから何かチャレンジする中で変えていったこと、自分の中で始めている取り組みは何かありましたか?

早田:上の選手に勝つことも大事ですけど、下の選手に負けない強さがないといけないと感じています。やっぱりスターコンテンダーもレベルが高くなってきていて、優勝するのはなかなか難しいんですけど、試合に負けない強さは自分の持ち味でもありますし、強かったときの感覚がいい意味で戻ってきてるなと思います。

そのなかで、パリ五輪が終わって自分が磨いてきた部分や、ロス五輪までに自分が強化していきたい部分をどうマッチングさせるのかはすごく大事になっていくと思うので、技術や戦術など色々ありますけど、うまく自分としての武器に最終的に持っていけたらいいなと思っています。

── 2回戦ではオーストラリアのリウ・ヤンズー選手と台湾の葉伊恬選手の勝者と対戦することになります。この点についてはいかがでしょうか?

早田:葉伊恬選手はUSスマッシュで対戦したんですけど、リウ・ヤンズー選手はまだ対戦したことがなくて。でも、リウ・ヤンズー選手は日本人がみんな競っているイメージがあるので、どちらの選手が上がってきても強い選手に変わりはないです。

明日は一日空くのでしっかり練習して、今日よりももっといいプレーができるように頑張ります。


写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

── 今大会の目標や意気込みをお願いします。

早田:6月のWTTコンテンダーザグレブからWTTスターコンテンダーで2大会優勝することができて、自分の中でも充実した日々を送れてるかなと思うんですけど、今回の横浜を機に、また自分として新しいチャレンジをしているところでもあるので、今日はその部分で難しいところもあったんですけど、自己投資というか、自分が目指すところまで行くために、今必要な部分なんじゃないかなと思っているので。

もちろん目の前の結果は大事ですし、優勝したい気持ちがありますけど、それと同時に自分がどこまでいけるのか、自分が強くなることを並行に進めていけたらいいなと思ってます。

女子シングルス1回戦

〇早田ひな(日本生命)3-1 杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)
11-5 / 7-11 / 11-8 / 11-9

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