写真:佐藤瞳(日本ペイントグループ)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 佐藤瞳の決勝進出は何がすごい? グランドスマッシュ史上初の3つの快挙を解説<卓球・チャイナスマッシュ2026>
2026.10.11
文:ラリーズ編集部
<卓球・チャイナスマッシュ2026 日時:10月1日〜11日 場所:北京(中国)>
10日、チャイナスマッシュ2026の女子シングルス準決勝で、世界ランキング13位の佐藤瞳(日本ペイントグループ)が、同7位の陳幸同(チェンシントン・中国)をゲームカウント4-1で下し、決勝進出を果たした。
日本人選手の決勝進出は非常に喜ばしいことだ。しかし、この決勝進出は単に「日本選手が勝ち上がった」というものではない。本記事では、佐藤が成し遂げた偉業を3つのポイントから解説する。
ポイント①:日本勢初の女子シングルス決勝進出
写真:佐藤瞳(日本ペイントグループ)/撮影:ラリーズ編集部
まず挙げられるのが、日本選手として初めてグランドスマッシュの女子シングルス決勝に進出したという点だ。
グランドスマッシュはWTT(World Table Tennis)が主催する最高格付けの大会。優勝時に付与される世界ランキングポイントが五輪と同ポイントで、男女ともに世界のトップ選手が一堂に会する。
日本勢はこれまで、早田ひな(日本生命)、張本美和(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)といった世界トップクラスの選手がグランドスマッシュに参加してきたが、過去最高成績が早田、張本、伊藤の3位。誰も決勝の壁を越えられずにいた。
今回、その壁を最初に破ったのが佐藤だった。
ポイント②:異質ラバー使用選手として初の決勝進出
写真:佐藤瞳(日本ペイントグループ)/撮影:ラリーズ編集部
2つ目のポイントが、グランドスマッシュのシングルスで初めて、異質ラバーを使う選手が決勝に進出したという点だ。
異質ラバーとは、一般的な裏ソフトラバーとは異なる性質を持つラバーの総称で、粒高ラバーや表ソフトラバーなどが存在する。相手の回転をそのまま返したり、逆の回転に変えたりと、独特の変化を生み出せるのが特徴だ。一方で、自分から強い回転をかけて攻めることは難しく、現代卓球の高速化が進むなかでは、トップレベルで異質ラバーを武器にする選手は年々少なくなっている。
グランドスマッシュが創設されて以降、男女を通じてシングルス決勝に進出してきたのは、いずれも両面に裏ソフトラバーを貼る攻撃型の選手だった。
女子では、表ソフト使いの伊藤や張瑞(ジャンルイ・中国)、アンチラバー使いのサビーネ・ウィンター(ドイツ)が準決勝まで進出していたが、バック面に粒高ラバーを使用している佐藤が、史上初の“異質使い”ファイナリストとなった。
ポイント③:カットマンとして初の決勝進出
写真:佐藤瞳(日本ペイントグループ)/撮影:ラリーズ編集部
そして3つ目が、グランドスマッシュのシングルスで初めてカットマンが決勝に進出したという点だ。
カットマンとは台から距離を取り、下回転をかけた返球を続けることを基本とする戦型。相手のミスを誘いながら、好機を見て攻撃に転じることが持ち味の一つでもある。日本では、今大会にも出場した橋本帆乃香(デンソー)もカットマンとして知られている。
かつては世界のトップでも一定の存在感を示していたが、用具の進化とプレーの高速化によって、国際大会の上位で見かける機会は大きく減っていた。グランドスマッシュにおいても、決勝の舞台にカットマンが立つのは今回が初めてとなる。
準決勝の佐藤は、第2ゲームで促進ルール(※)が適用されて以降、カットと攻撃を織り交ぜた多彩な技術で陳幸同を翻弄した。守るだけではないカットマンの姿が、中国勢を相手に通用することを証明した形だ。
※ラリーが長引く試合を長時間化させないためのルール。
決勝の相手は世界ランク2位・王曼昱
写真:王曼昱(ワンマンユ・中国)/撮影:ラリーズ編集部
決勝で佐藤が対戦するのは、もう一方の準決勝で張本美和(木下グループ)を下した、世界ランキング2位の王曼昱(ワンマンユ・中国)。
準決勝後のインタビューで佐藤は、「勝った瞬間はまだ信じられない気持ちのほうが強かった」と振り返り、翌日の決勝に向けては、「ここまで来たからには絶対に優勝するという気持ちで臨みたい」と語った。
日本女子初のグランドスマッシュ女子シングルス制覇をかけて、中国の大エースの一角に挑む。
女子シングルス決勝 組み合わせ
王曼昱(ワンマンユ・中国)- 佐藤瞳(日本ペイントグループ)
※日本時間の18時に試合開始予定
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