文:ラリーズ編集部
<東京五輪卓球競技 7月24日~8月6日 場所:東京体育館>
3日、東京五輪の卓球競技で男子団体準々決勝が行われた。男子日本代表はスウェーデン代表相手に3-1で勝利して、準決勝進出を決めた。
丹羽/張本 速攻ペアがトップを取る
写真:丹羽孝希・張本智和/提供:ロイター/アフロ
昨日の1回戦とは起用を変えて、丹羽孝希(スヴェンソン)と張本智和(木下グループ)がペアを組んだ。ドイツ・ブンデスリーガでもペアを組むクリスチャン・カールソン/アントン・ケルベリ(スウェーデン)ペアとの試合では、日本ペアがラリーに持ち込む前に決める戦術で第1ゲームを取った。
第2ゲームでも早い展開で点を稼ぐ日本ペアに対し、スウェーデンペアも力強いラリーで追い上げを見せる。勝負所でカールソンのストップ、丹羽のサービスが得点源となり、デュースへ。張本がYGサービスでカールソンの読みを外し、第2ゲームを取って王手をかけた。
写真:アントン・ケルベリ(写真手前)とクリスチャン・カールソン/写真:ロイター/アフロ
第3ゲームでも丹羽のサービスが得点につながる。しかしスウェーデンペアが、台上技術で日本ペアを上回りこのゲームを取った。第4ゲームでは一転、張本がフォアハンドでの攻撃を多用しリードを広げる。日本ペアが台上でチャンスを作りドライブで決める展開を増やして10-6でマッチポイント。3点を返されるも最後はラリーで決めた。
水谷、スウェーデンのエースに苦杯
写真:水谷隼/提供:ロイター/アフロ
2番手には水谷が登場。フォア面に表ソフトを使用するマティアス・ファルク(スウェーデン)との試合では、序盤からファルクの表ソフトの変化に水谷が翻弄され、第1ゲームをファルクが取った。
第2ゲームでもファルクの変化をつけた攻撃が決まり、リードを広げる。水谷も安定したドライブで得点を重ね、徐々にファルクに追いつくが、ファルクが第2ゲームを逃げ切り、ものにする。
第3ゲームは両者譲らず接戦に。マティアス・ファルクが先にマッチポイントを握ったが、水谷が怒涛の粘りでデュースを制する。第4ゲームでは水谷がサービスと安定感のあるドライブでリードを保つ。しかし、ファルクの強烈なバックハンドにミスが重なり、ファルクのマッチポイントに。最後はファルクがフォアハンドで決めた。
張本 気迫のあるプレーで接戦を制す
写真:張本智和(木下グループ)/提供:ITTF
1-1で回ってきた張本は、ドイツ・ブンデスリーガで25勝をあげているスウェーデンの期待の若手、アントン・ケルベリとの対戦となった。序盤からアントン・ケルベリが猛烈な攻撃を仕掛け、点差を広げる。デュースを制してアントン・ケルベリが第1ゲームを取った。
第2ゲームでは両者譲らぬ攻防で1点の取り合いに。追いつ追われつの展開から張本が抜け出し、最後は張本のサービスが決まって第2ゲームをものにする。
写真:アントン・ケルベリ(スウェーデン)/提供:ittfworld
第3ゲームは序盤から張本が安定した攻撃でリードを広げる。そのままの勢いで張本が第3ゲームを取り第4ゲームへつなぐ。積極的な攻撃で張本が点差を広げていく。ケルベリも隙をついたプレーで追いつき、再び接戦に。そして10-8で張本がマッチポイントを握り、最後はデュースを制した。
丹羽が冷静な対応で水谷の敵討ちを制す
写真:丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)/提供:ITTF
団体のシングルスに初登場した丹羽が、水谷を破ったマティアス・ファルクと対戦。序盤から接戦となった第1ゲームのデュースを丹羽が制する。
第2ゲームは丹羽がファルクの動きを読み、冷静な判断で得点につなげる。ファルクのオーバーミスが続き、第2ゲームも丹羽が取って、日本チームの勝利に王手をかけた。
写真:マティアス・ファルク(スウェーデン)/提供:ittfworld
第3ゲームも丹羽が落ち着きながら着々と点を取り、リードを広げる。そして10-4でマッチポイントを丹羽が握り、最後は丹羽のカウンターが決まり、日本チームの準決勝進出が決定した。
男子日本は準決勝で、台湾代表とドイツ代表の試合の勝者と対戦する。各選手のコメントは以下の通り。
試合後のコメント
張本選手、3番大激戦でしたね
張本:3番は、団体戦で非常に大事な役割で取ると取らないで折返しが全然違うので、何点でも良いから勝ちたいと思ってました。
自身のプレーはいかがでしたか
張本:1,2ゲーム目はちょっと固さがあって、ただ1ゲーム目取られたんですけど、10-10まで追いついたっていうのが気持ちを楽にしてくれました。
ダブルスも大活躍でしたね
張本:今の自分の調子を考えたり、チーム全体を考えたときに、それが一番ベストなので、ダブルスに出ても2回出れるので2点取るという気持ちで臨みました。
丹羽選手もダブルス、素晴らしい活躍でした
丹羽:一番のダブルスがすごく大事だと思っていたので、相手も非常に良いプレーだったんですけど、なんとか競り勝つことができて良かったです。
自らの勝利で、チームの勝利を決めました
丹羽:2−1で回ってきて、自分で勝てばチームが勝てるっていう状態だったので、絶対勝つんだという気持ちでプレーしました。
ベスト4進出となりました。チームとしては総合力の勝利ですね
水谷:今日僕は負けてしまったんですけど、それでも勝つっていうのは、やはり今の日本の力なので、明日は自分自身もチームに貢献できるように頑張りたいです。
試合が終わってチームのみなさんで話してましたが、どんなことを
水谷:やはり、反省しなきゃいけない部分もあるので、その辺を明日に活かせるように話してました。
明日の準決勝に向けて意気込みを
水谷:明日、いよいよ準決勝ということで、リオのときのドイツ戦を思い出して、倒したいです。
男子準々決勝 結果
日本 3-1 スウェーデン
〇丹羽孝希/張本智和 3-1 クリスティアン・カールソン/アントン・ケルベリ
11-8/13-11/8-11/11-9
水谷隼 1-3 〇マティアス・ファルク
3-11/9-11/12-10/8-11
〇張本智和 3-1 アントン・ケルベリ
10-12/11-9/11-9/12-10
〇丹羽孝希 3-0 マティアス・ファルク
12-10/11-5/11-6
日本代表 試合予定
19:30~ 女子団体準決勝
日本 – 中国香港
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写真:張本智和(木下グループ)/提供:長田洋平/アフロスポーツ