写真:オフチャロフ(ドイツ)と張本智和(木下グループ)/提供:AFP/アフロ
大会報道 【五輪卓球】水谷「泣いても笑っても最後の一戦」総力戦はドイツへ軍配 日本は韓国の待つ3位決定戦へ
2021.08.04
文:ラリーズ編集部
<東京五輪卓球競技 7月24日~8月6日 場所:東京体育館>
4日、東京五輪の卓球競技で男子団体準決勝が行われた。男子日本代表はドイツ代表相手に2-3で敗れ、3位決定戦へと回ることとなった。
左利きペア ドイツペアに苦杯
写真:丹羽孝希・水谷隼ペア/提供:ロイター/アフロ
トップのダブルスは1回戦と同じ水谷隼(木下グループ)と丹羽孝希(スヴェンソン)の左利きペアで登場。ドイツのティモ・ボル/パトリック・フランチスカのペアに序盤からラリーでリードされる展開に。第1ゲームをドイツペアが奪う。
第2ゲームも変わらずドイツペアがリードし、ゲームカウント0-2となった。第3ゲームから日本ペアがストレートを多用した戦術で得点を重ね、11-9で取る。
写真:ティモ・ボル/パトリック・フランチスカ(ドイツ)/提供:ITTF
第4ゲームでもラリーで主導権を握った日本ペアが取り、2-2で追いついた。最終ゲームの序盤はドイツがリードを広げ、5-1でチェンジコート。日本ペアが追いつくも、10-7でドイツペアがマッチポイント。最後はパトリック・フランチスカのボールを水谷がミスして試合終了となった。
張本、シングルス銅メダリストにエースの意地を見せる
写真:張本智和(木下グループ)/提供:ITTF
2番のエース対決では張本智和(木下グループ)と、男子シングルス銅メダリストのドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)の対戦カードとなった。第1ゲームはオフチャロフのカウンターが決定打となり、オフチャロフがものにする。
第2ゲームの序盤もオフチャロフがリードするが、張本が気迫のあるドライブやカウンタープレーで追いつき9-9に。サーブ合戦となったデュースを張本が制する。
写真:ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)/提供:ITTF
第3ゲームは互いに譲らぬ攻防で接戦に。張本がオフチャロフのフォアサイドを狙った攻撃でリードを広げ、11-5で王手をかける。第4ゲームはオフチャロフが積極的に攻めに転じ、リードを広げる。しかし、張本もカウンターで点を稼ぎ7-7で追いつく。そして10-9で張本がマッチポイント。最後は、張本のバックハンドが決まり3番の水谷へつなぐ。
水谷、ドイツの皇帝に逆転負けを喫す
写真:水谷隼(木下グループ)/提供:ITTF
日本の大黒柱である水谷とドイツを支えるベテランのティモ・ボルによる試合は、序盤から水谷が前陣でのフォアハンドを振りぬき得点につなげる。11-7で第1ゲームを水谷が制する。
第2ゲームではティモ・ボルがつなぎ、水谷に打たせる展開でリードする。水谷も追いつくが、デュースにもつれ込んだこの第2ゲームをボルが取った。
写真:ティモ・ボル(ドイツ)/提供:ITTF
第3ゲームも序盤から接戦となった。随所で水谷のバックハンドが効き、リードを保つ。しかし、ボルもバックハンドで得点につなげ7-7と並んだ。その後もボルがリードを広げ、11-7でボルが2-1と勝利に王手をかけた。
第4ゲームはボルが先に取り、水谷が追いつく展開に。後半、安定したボルの攻撃に水谷のミスが増え、ボルがリード。そして10-7でボルがマッチポイント。最後は長いラリーをボルが制し、ドイツが決勝進出に王手をかけた。
張本、0-2からの大逆転勝ち
写真:張本智和(木下グループ)/提供:AFP/アフロ
第1ゲームからパトリック・フランチスカが積極的に攻撃を仕掛け、得点につなげる。張本の攻撃をカウンターで決めるフランチスカが第1ゲームを奪った。
第2ゲームでもフランチスカの攻撃は止まらず、点差が広がる。張本が追い上げを見せるも、フランチスカが11-9で逃げ切り、ドイツの勝利まであと1ゲームとなった。
写真:パトリック・フランチスカ(ドイツ)/提供:ITTF
第3ゲームでは張本が先に点を取り、フランチスカが追いかける展開に。そこから張本が点差を広げ、11-5で第3ゲームを取った。第4ゲームも互いに譲らない展開に。張本が抜け出し、11-9で勝負は最終ゲームへもつれ込んだ。
序盤は張本が落ち着いたサービスやレシーブで得点を重ねる。フランチスカも徐々に追い上げを見せ、6-6に追いつく。粘った張本が10-9でマッチポイント。そして張本がラリーを制し、大逆転勝利を飾った。勝負はラストの丹羽に託された。
丹羽リベンジならず ドイツが決勝へ
写真:丹羽孝希(スヴェンソン)/提供:ITTF
男子シングルスのリベンジマッチとなったラスト。第1ゲームから両者の持ち味が得点につながる接戦に。オフチャロフがラリーでリードし第1ゲームを取った。
写真:ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)/提供:ITTF
第2ゲームでも丹羽のカウンターにオフチャロフがさらに返して得点につなぎ、オフチャロフがものにして王手をかけた。第3ゲームでもオフチャロフがラリーで優位に立つ。台上でも隙を見せないオフチャロフがリードを広げ、10-6でオフチャロフがマッチポイントを握る。最後はオフチャロフのドライブがエッジにあたり、ドイツの決勝進出が決まった。
男子日本は3位決定戦で、韓国代表と対戦する。各選手のコメントは以下の通り。
試合後のコメント
丹羽・水谷のダブルスについて
丹羽:1,2ゲーム目は全然ダメだったんですけど、3,4ゲームはなんとか取れて、最後のゲームも5-5くらいまで行ったんですけど、そこで勝ちきれなかったのが痛かったです。
この悔しさは3位決定戦にぶつけることができますか
丹羽:まだちょっと切り替えられないんですけど、明日1日休みがあるので、そこでしっかり切り替えたいと思います。
水谷選手、ドイツとの死闘を振り返っていかがですか
水谷:ダブルスとシングルス、どちらもチャンスがあったので、勝ちきれなかったっていうのは本当に悔しいですし、日本としては張本が2点取ってくれて理想的な展開だったんですけど、自分が1点も取れなかったことが、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
3位決定戦に向けてひと言お願いします
水谷:泣いても笑っても最後の一戦なので、すべての力を出し尽くしたいです。
男子準決勝 結果
日本 2-3 ドイツ
丹羽孝希/水谷隼 2-3 〇ティモ・ボル/パトリック・フランチスカ
2-11/3-11/11-9/11-8/7-11
〇張本智和 3-1 ドミトリ・オフチャロフ
7-11/13-11/11-5/11-9
水谷隼 1-3 〇ティモ・ボル
11-7/11-13/7-11/7-11
〇張本智和 3-2 パトリック・フランチスカ
5-11/9-11/11-5/11-9/11-9
丹羽孝希 0-3 〇ドミトリ・オフチャロフ
9-11/7-11/8-11
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張本智和インタビュー
写真:張本智和(木下グループ)/提供:長田洋平/アフロスポーツ