文:ラリーズ編集部
<ITTFワールドツアーグランドファイナル(韓国・仁川) 2018年12月13日〜16日>
16日、グランドファイナル最終日、男子シングルス決勝に張本智和(12月度世界ランキング5位・15歳)=JOCエリートアカデミー=が登場した。対するは中国のサウスポー・林高遠(同4位・23歳)。
直近の対戦は今年5月に開催された中国オープン。この際は、張本が1-4で敗れている。しかし、張本は前日、世界ランク1位を破って準決勝に進出してきたブラジルのカルデラノを4-0で撃破しており、状態はかなり良いと言える。
第1ゲーム、張本は林高遠に打たせてカウンターを狙う戦術を採る。林高遠の意識を散らすために、ロングサーブを混ざるなど、巧みなプレースメントで林高遠のミスを誘い、大差でこのゲームを取った。
第2ゲームは林高遠のミスが減り始め、台上から積極的な攻撃が目立つように。しかし張本は無理に攻めず、「大人の卓球」で対応する。林高遠も高速のバックハンドで張本に対抗するも、張本は冷静に中陣からラリーを引き、9-9となる。11-11と拮抗した場面で林高遠がなんとサーブミス。日本サイドは好機と見て“攻め”のタイムアウトを取った。タイムアウト明けのポイントは張本がミスしてしまい、13-15の接戦を林高遠が制した。
第3ゲーム、張本が6-0とリードを奪う。バックハンド対バックハンドの対決では五分五分ではあるものの、張本が守りとフォアハンドのカウンターが冴え、10-4とゲームポイントを握るも、チキータのミスが目立ち、10-9まで追い上げられる。しかし最後は嫌な流れを断ち切り張本が勝負の第3ゲームを奪った。
第4ゲーム、張本は序盤からロングサーブを使用し、速攻で点を取りに行く。張本は林高遠に繋がせたボールをカウンターするパターンで得点を重ね、8-4と離すも、またも林高遠が追い上げる。8-8となった場面で張本がラッキーなネットインに加え、次のポイントを林高遠がサーブミス。守りの卓球が目立つ張本だが、最後は林高遠のループドライブを見事にカウンターし、このゲームを奪った。
第5ゲーム、張本がサーブから連続得点すると中国サイドがタイムアウト。しかしここから林高遠がYGサーブを起点に連続得点で張本を一気に突き放す。張本はハーフロングサーブを駆使して林高遠のつなぎをカウンターし、追いつこうとする。8-9としたところで張本はロングサーブで勝負をかけ、9-9に。さらに、林高遠のフォア前サーブを強烈なカウンター。ラストポイントも同じく、ストレートのチキータで決めた。
張本は勝利後のコメントで「最高に嬉しいです。どの試合も相手に負けたくないという負けず嫌いがここまで導いてくれました」と嬉しさをにじませた。ここに、ワールドツアー史上最年少の年間王者が誕生した。
ワールドツアー・グランドファイナル4日目 日本選手の結果
男子シングルス 決勝
張本智和 4-1 林高遠(中国)
11-4/13-15/11-9/11-9/11-9
ワールドツアー・グランドファイナル 男子最終結果
男子シングルス
<優勝>
張本智和
<準優勝>
林高遠(中国)
<ベスト4>
水谷隼、ヒューゴ・カルデラノ(ブラジル)
男子ダブルス
<優勝>
張禹珍/林鐘勲(韓国)
<準優勝>
黄鎮廷/何鈞傑(中国香港)
混合ダブルス
<準優勝>
張禹珍(韓国)/チャ・ヒョシム(朝鮮民主主義人民共和国)