石川「東京に向けて重要」 最大の壁、中国のライバル達を一挙紹介<世界卓球2019> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:左から平野美宇(日本生命)、石川佳純(全農)、伊藤美誠(スターツ)/撮影:ittfworld、千葉格(アフロ)、松尾(アフロスポーツ)

大会報道 石川「東京に向けて重要」 最大の壁、中国のライバル達を一挙紹介<世界卓球2019>

2019.04.20

文:ラリーズ編集部

<2019世界卓球選手権大会(ハンガリー・ブダペスト) 2019年4月21日~4月28日>

2年に1度の大舞台。いよいよ、世界卓球選手権ブダペスト大会が開幕する。東京五輪前最後の世界選手権個人戦だ。今回は開幕に先立って各種目の見どころを紹介しよう。

女子シングルス 5名の日本代表

女子シングルスに挑む日本代表選手は以下の5名だ。
石川佳純(4月世界ランキング6位・26歳・全農)
伊藤美誠(同7位・18歳・スターツ)
平野美宇(同9位・19歳・日本生命)
佐藤瞳(同13位・21歳・ミキハウス)
加藤美優(同22位・20歳・日本ペイントホールディングス)

石川は、2007年の初出場から、団体戦を含めて13度目の世界選手権出場となる。シングルスは2009年から6大会連続出場だ。過去最高成績は2009年と2017年のベスト8。26歳と経験も積んで臨む今大会は、自身初の表彰台に期待がかかる。先日のアジアカップでは3位入賞。安定した成績を残しているが、上位進出には中国撃破がカギとなる。石川は公開練習でも「東京の代表選考において重要な大会になる」と語っており、この大会に掛ける思いは人一倍強いことであろう。

伊藤は、世界選手権シングルスは3度目の出場。全日本選手権では2年連続3冠を果たし、国内での活躍は目覚ましい。ワールドツアーでは昨年、ジャパンOPとスウェーデンOPの2大会で優勝を果たし、前回大会時よりも確実に実力が上げたと言えるだろう。今大会はダブルス含め全3種目に出場。国内だけでなく世界でも3冠を狙う。

平野は前回大会、持ち味の高速卓球で女子シングルス48年ぶりの表彰台という快挙を果たした。しかしその後、平野の高速卓球は対策され、目立った成績を残せない時期が続く。14日には誕生日を迎え、19歳として初めての国際大会となるブダペスト。心機一転、2017年を超える上位進出を目指す。

佐藤は2017年に続いて2度目の世界選手権だ。上記の3人と比べると知名度では劣るが、2017年から2年以上にわたって世界ランクトップ20位内をキープする実力の持ち主だ。代表唯一のカットマンとして、華やかなプレーにも注目だ。前回大会のベスト32を上回る好成績を残し、その名を世界に知らしめたいところだ。

加藤は3月、早田ひならを破り、熾烈な代表選考会を勝ち抜いた。自力で掴んだ世界選手権代表の座だ。2017年は初出場ながら女子シングルスでベスト16まで勝ち進んだ。3月のスペインOPでは優勝を果たして好調だ。加藤は14日には20歳の誕生日を迎えた。20代最初の大会で前回大会を上回る快進撃に期待だ。

日本のライバル~中国編~

日本にとって最大の壁、中国からは丁寧(同1位・28歳)、陳夢(同3位・25歳)、王曼イク(同4位・20歳)、劉詩文(同5位・28歳)、孫穎莎(同29位・18歳)の5名がシングルスにエントリー。世界ランキング2位で、先日のアジアカップチャンピオンの朱雨玲 (同2位・24歳)が代表落ちする中国の層の厚さはさすがだ。

注目は世界ランク1位で、3回連続4度目の優勝が懸かる丁寧。昨年のワールドカップでは優勝を果たし、長年にわたって世界のトップに君臨する彼女の実力は衰えを見せない。劉詩文は過去2度決勝に進出したが、いずれもあと一歩で優勝を逃している。今大会は悲願の初優勝に燃えている。

世界ランクトップ5を独占する中国勢。その牙城を崩して代表の座を得たのが若い孫穎莎だ。2017年世界ジュニア女王の孫は、ブダペストが世界選手権初出場。将来性が加味されたか、18歳での代表大抜擢となった。他の2選手含めて実力が拮抗する中国代表。誰が相手となっても、日本にとっては脅威だ。

日本のライバル~アジア編~

先日のアジアカップで石川佳純と激闘を繰り広げた馮天薇(同10位・32歳・シンガポール)や、平野美宇を破った杜凱琹(同12位・22歳・中国香港)、2018年ワールドカップ3位の鄭怡静(同8位・27歳・チャイニーズタイペイ)ら、中国以外にも強豪が揃う。上記の3人は皆Tリーグにも参戦していた選手だ。

韓国勢Tリーガー、徐孝元(同11位・31歳・韓国)や田志希(同20位・26歳・韓国)も、今回は敵国として立ちはだかる。

ダークホースとして挙げられるのがリオ五輪銅メダリストのキム・ソンイ(同16位・24歳・北朝鮮)。国際大会への参加が少ないが、リオ五輪のように番狂わせを起こし得る選手だ。

日本のライバル~ヨーロッパ編~

ヨーロッパは、アジアに比べると層の厚さが劣るのは否めない。ライバルとしてはTリーグに参戦していたエリザベタ・サマラ(同21位・30歳・ルーマニア)とハン・イン(同37位・35歳・ドイツ)のほか、ヨーロッパ勢で世界ランクトップにつけるベルナデッタ・スッチ (同17位・24歳・ルーマニア)らが挙げられる。彼女らのほかにも、数多くいる中国からの帰化選手らの実力は侮れない。

21日いよいよ開幕

これまでになく層を厚くして臨む日本女子。前回大会の平野美宇の銅メダルを超える好成績を残せるか。2年に一度のビッグイベントは21日からハンガリー・ブダペストで開幕する。