張本「やはりメダルを取りたい」 立ちはだかる世界の強豪を一挙紹介<世界卓球2019> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

*写真:張本智和(木下グループ・左)、水谷隼(木下グループ)/提供:ittfworld

大会報道 張本「やはりメダルを取りたい」 立ちはだかる世界の強豪を一挙紹介<世界卓球2019>

2019.04.20

文:ラリーズ編集部

<2019世界卓球選手権大会(ハンガリー・ブダペスト) 2019年4月21日~4月28日>

2年に1度の大舞台。いよいよ、世界卓球選手権ブダペスト大会が開幕する。東京五輪前最後の世界選手権個人戦だ。今回は開幕に先立って各種目の見どころを紹介しよう。

男子シングルス 5名の日本代表

男子シングルスに挑む日本選手は以下の5名だ。
張本智和(4月世界ランキング4位・15歳・木下グループ)
丹羽孝希(同8位・24歳・スヴェンソン)
水谷隼(同13位・29歳・木下グループ)
森薗政崇(同45位・24歳・岡山リベッツ)
吉村和弘(同50位・22歳・東京アート)

張本は2017年のデュッセルドルフ大会に引き続き個人戦は2度目の出場。デュッセルドルフでは、当時13歳で初出場ながらベスト8に進出。2回戦では水谷を下し、世界を驚かせた。それから2年、世界ランキングは当時の69位から4位にまで昇りつめた。2018年グランドファイナルでは頂点に輝き、弱冠15歳にして実力は世界トップだ。公開練習でも「やはりメダルを取りたい」と語っており、自身初の個人戦メダルが大いに期待できる。

丹羽は2009年、当時14歳での初出場から6大会連続の個人戦出場だ。デュッセルドルフ大会では自身最高成績のベスト8に進出。準々決勝では樊振東(同1位・22歳・中国)に敗れ、表彰台には届かなかった。丹羽は2011年大会から4大会連続で中国選手に敗れている。先日のアジアカップでは3位に入り、好調ぶりがうかがえる。ブダペストでは中国の壁を破り、上位進出を目指す。

水谷は、世界選手権個人戦は今年が最後と公言している。2005年に初出場した日本のエースは今大会で8大会連続の出場だ。先日、目の不調を明かして世間の注目を浴びた水谷。今大会もまぶしさを抑えるサングラスを着用して試合に臨むことが予想される。過去の最高成績は2011年と2015年のベスト8。最後の世界選手権で悲願の表彰台に期待がかかる。

森薗は3月の代表選考会を勝ち抜き、初のシングルス代表の座を手にした。ダブルスを得意とし、2015年、2017年大会ではダブルス代表として出場。2017年では準優勝を果たした。今大会は男子選手で唯一、男子ダブルス、ミックスダブルスとあわせて全種目に出場する。ダブルスはもちろん、シングルスでも結果を残したいところだ。

吉村は個人、団体通じて初の世界選手権出場だ。2018年は吉村にとって飛躍の年といえるだろう。5月の香港オープンで韓国選手を連破し、センセーショナルな優勝を果たすと、12月の世界選手権1次選考会では20名中1位で突破。一年間の成績を評価され、代表に選ばれた。初のひのき舞台での大暴れに期待だ。

日本のライバル~中国編~

日本のライバルとして、中国は別格だろう。世界選手権個人戦は2005年大会から中国勢が7連覇を果たしている。今大会のシングルス中国代表は樊振東(同1位・22歳)、許キン(同2位・29歳)、林高遠(同3位・24歳)、梁靖崑 (同9位・22歳)、馬龍 (同11位・30歳)の5名だ。

注目は3連覇がかかる馬龍だ。ケガからの復帰戦となった3月のカタールOPでは優勝。年齢は30とベテランの域に達したが、実力は折り紙つきだ。

1年以上にわたって世界ランキング1位をキープする樊振東も優勝候補の一角だ。先日のアジアカップでは馬龍を破って連覇を果たしている。前回大会は決勝で惜しくも敗れた樊。悲願の初優勝を狙う。
許キンは長く世界のトップで活躍しているが、世界選手権の最高成績はベスト4にとどまる。世界ランキング3位の林高遠や、若い梁靖崑も日本勢にとっては脅威だ。

日本選手が勝ち上がれば、彼ら中国勢が立ちはだかるだろう。日本勢の上位進出は、中国勢をいかに崩すかがカギとなる。

日本のライバル~アジア編~

中国以外でも、アジアには数多くの強敵が乱立する。

韓国からはTリーグで活躍した李尚洙(同6位・28歳)、鄭栄植(同22位・27歳)や、昨年の韓国OPチャンピオン張禹珍(同10位・23歳)らが出場する。卓球に限らずあらゆるスポーツで激闘が繰り広げられる日韓戦。今大会も韓国勢の戦いぶりには要注意だ。

他のTリーガーでは黄鎮廷 (同14位・27歳・中国香港)や、荘智淵(同20位・38歳・チャイニーズタイペイ)、林イン儒 (同21位・17歳・チャイニーズタイペイ)、陳建安 (同30位・27歳・チャイニーズタイペイ)が出場する。Tリーグ観戦ではチームの一員として応援した方も多いだろう。しかし、今回は日本選手の対戦相手として立ちはだかる。これもTリーグが開幕したからこそできる楽しみ方だ。

日本のライバル~欧米編~

ヨーロッパの強豪ドイツからはティモ・ボル (同5位・38歳)、ドミトリ・オフチャロフ (同12位・30歳)、パトリック・フランチスカ (同18位・26歳)らが出場する。38歳のティモ・ボルは1997年に初出場をしてから、個人戦、団体戦含めて19回目の世界選手権となる。2018年ワールドカップでは準優勝の成績を残し、年を重ねた今でも実力は健在だ。

ブラジルのヒューゴ・カルデラノ (同7位・22歳)の活躍にも期待がかかる。世界ランキングはアジア勢を除けば2番手につけ、いま最も勢いのある若手選手のひとりだ。また、スウェーデンのマティアス・ファルク(同16位・27歳)も好調だ。世界ランク上位がこぞって参加した3月のカタールOPでは張本を破ってベスト4に進出した。

ベラルーシのブラディミル・サムソノフ (同19位・43歳)はティモ・ボルや荘智淵をしのぐ大ベテランだ。世界選手権の出場は団体戦含めて23回目。初出場は1993年までさかのぼる。43歳の今もなお、ランキングはトップ20につける強者だ。
 

21日いよいよ開幕

ここでは挙げきれないが、上位進出の可能性がある選手は数多くいる。今大会、ランク上位選手が実力を見せるか、あるいはニュースターが現れるか、2年に一度のビッグイベントは21日からハンガリー・ブダペストで開幕する。