卓球の見方は5分で変わる(1)点を獲るか?拾うか?


文:川嶋弘文(ラリーズ編集部)
写真:getty images

あなたはテレビの中継や試合会場で卓球の試合を観戦したことがあるだろうか?
 
最近では「リオ五輪をテレビで見て卓球のイメージが変わった!」「あんなに激しいラリーが続くの!?」という声を多く聞くようになった。
 
これまで卓球界においては中国がメダルを独占する時代が長く続いていたが、ここに来て流れが変わりつつある。
 
日本ナショナルチームのジュニア育成の成果もあり、平野美宇、伊藤美誠、張本智和らがワールドクラスの大会でメダルを量産。平野は今年のアジア選手権で中国選手を3連破してアジアチャンピオンとなった。
 
このように東京五輪での金メダルへの期待が高まる中、マスコミ各社の卓球への注目度は上昇している。最近ではテレビで卓球のニュースも連日流れるようになり、選手が雑誌の表紙を飾ることも増えてきた。加えて映画「ミックス。」のヒットもあり、卓球ブームとも言える盛り上がりを見せている。
 

 
そしてテレビやインターネットで試合の放映時間も伸びてきた。それに伴って「卓球観戦の楽しみ方を教えて欲しい」「プレーが早すぎてどこに注目して見ればいいか分からない」という声も聞こえてくるようになってきた。
 
これから東京オリンピックへの機運の高まりとともに卓球の中継も増えてくることは確実だろう。ならば「もっと面白く」卓球を見れたらーー??今から“たった5分だけ”この記事にお付き合いいただければ、あなたの卓球の見方は確実に変わる。
 

ポイント1:点を獲るか?拾うか?

卓球はルール上、必ずどちらかの選手に点が入る。そこで選手は常に2つの選択を迫られる。
 
自ら攻めて点を「獲る」か、相手のミスを誘って点を「拾う」か。
 
選手によって、「獲る」と「拾う」の比率が大きく異なる。
 
例えば男子ナショナルチームの丹羽孝希はほぼ全てのボールを積極的に攻撃して点を「獲る」ハイリスクハイリターンなタイプだ。伊藤美誠も同様にフォアハンドもバックハンドも強気でバシバシ攻撃をしていく「獲る」スタイルである。
 
一方、女子ナショナルチームの佐藤瞳は「カットマン」だ。カットマンとは、卓球台から一定の距離をとって、ひたすらボールを拾い続け、相手のミスを待つ戦い方だ。ド派手なスマッシュを撃つスタイルとは異なり、コツコツと粘り強い戦い方をしなければならない。Tリーグ理事で4度の五輪出場経験のある松下浩二氏も現役時代は世界有数のカットマンで強烈なスピンで相手にミスを誘い、ポイントを量産した。
 
日本男女のエースである水谷隼や石川佳純は相手のミスを誘うプレーと攻撃ボールをバランス良く使う。
 
また、平野美宇はもともと相手のミスを誘うことの多い「拾う」プレーヤーだったが、最近プレースタイルを改造し、全てのボールを積極的に攻め、「獲る」スタイルに変え中国の脅威へと進化した。
 
だが、スタイル(戦型)変更は諸刃だ。平野の戦型であれば、以前は守って守って相手のミスを待っていた。それが攻めも取り入れるとなれば自分がミスを冒すリスクも高くなる。徹底したトレーニングにより技術力を高めるトレーニングをしたため、平野のスタイルチェンジは成功した。
 
このように「今の得点は攻めて取った!」「このポイントは相手にミスさせて点を取った!」というふうに攻めと守りのどちらでポイントしたかを見ていくと、その選手のタイプが分かり、面白い。
 
本来攻撃が多い選手が、オリンピックの大舞台で緊張して守りが多くなってしまうことや、相手のミスを誘えばポイント出来るのに、無理をして攻めて自分がミスしてしまうパターンもある。
 
この2種類の点の取り方を意識して試合を見るだけで選手のタイプやその時のメンタルまで分かってしまうのである。

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