卓球の見方は5分で変わる(3)プレイしている時間は2割。残りの8割は「掛け声」「表情」を見るべし 


文:川嶋弘文(ラリーズ編集部)
写真:getty images

5分でガラリと変わる卓球の見方、第3回は「プレー以外に現れる選手の性格」だ。

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卓球の試合時間の中で、実際にボールを打ち合っている時間の割合はどのくらいだろうか?
 
一般的な攻撃選手同士の試合の場合、約2割弱と言われている。

つまり試合時間の8割以上は卓球をしていないとも言えるのである。
 
実は卓球の試合観戦を楽しむポイントはここにあり、各選手のプレー以外の部分に注目していただきたい。
 
例えば、選手の表情。

表情を一切変えずにポーカーフェイスでプレーする選手がいる一方で、感情を表に出してプレーするタイプがいる。
 
福原愛がいい例だ。一般的に表情豊かなイメージがある“愛ちゃん”だが、卓球選手福原愛になると真逆だ。徹底したポーカーフェイスで有名なのだ。得点をしても失点をしても表情を変えずにプレーをすることで相手に心理状態を悟られないよう感情をコントロールする。リオ五輪では女子団体のメダル獲得に大きく貢献をした。
 
一方で世界ジュニアチャンピオンの張本は1本取るごとにガッツポーズをし、感情をむき出しにしてプレーをする。2017年の世界大会では「チョレイ!」という掛け声は一躍有名になった。これにより相手に威圧感を与え、自分を乗せながら試合の流れを作っていく。
 
日本のエース、水谷は普段は感情を表に出さずにプレーをし、勝負を左右する重要なポイントを獲り勝利を確信した瞬間に大きな声を出しガッツポーズをする。これにより対戦相手に失点以上のダメージを与えているのだ。
 
また、ベンチでの振る舞いに注目するのも面白い。卓球の試合ではゲーム間とタイムアウトの際にベンチに戻り、1分間のアドバイスを受けることが出来る。ベンチからのアドバイス次第で試合の勝敗が左右されることもあり、重要な局面である。
 
このシーンでも選手の心理状態やベンチとの信頼関係が見て取れるのが面白い。
 
例えば日本女子チームは世界一ベンチワークが良いと言われている。通常は選手へのアドバイスは監督やコーチがすることが多いが、日本女子の場合、選手同士でアドバイスするシーンが多い。これは国内大会で何度も対戦をしており、お互いを知り尽くしているのと、選手同士の信頼関係があって初めて出来ることである。
 
中国では代表監督が元世界チャンピオンであるため、監督がアドバイスをするシーンが多いが、選手自身も現役の世界チャンピオンであることも多く、その場合、あまり真剣にアドバイスを聞かない選手も多い。監督がアドバイスをしている最中でも、目を見ずに横を向いて水分補給をしているシーンを何度も目にする。自力で勝てるので余計な口出しをしないで欲しい、自分で冷静に戦術を整理したい、と思っているようにも見える。
 
一見ふてぶてしい態度にも見えるが、結局試合に勝ってしまう中国選手はすごい。試合を戦うのは選手本人であるため、アドバイスを聞きつつも、どうプレーに取り入れるかは本人の自由ということなのだろう。
 
今回は卓球の試合の見方のポイントについて解説を行った。
 
自ら点を獲るか拾うか、サーブのトスの高さと立ち位置、プレー以外の表情やベンチでの態度に注目しながら卓球の試合を見て頂ければ楽しさは3倍にも5倍にもなる。
 
あなたの卓球の見方は確実に変わったはずだ。

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