東京2020に向けた卓球日本代表争いが激化する1年に【卓球展望2018(1)アスリート編】 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球ニュース 東京2020に向けた卓球日本代表争いが激化する1年に【卓球展望2018(1)アスリート編】

2018.01.02

文:ラリーズ編集部

文:ラリーズ編集部
写真:長田洋平/アフロスポーツ
※1月の全日本選手権で10回目の優勝がかかる水谷隼。東京五輪に向けた戦いが今年から本格化する

東京五輪に向けた代表争いが本格スタートする1年に

2018年の卓球界は東京五輪を目指すトップアスリートにとって変化への対応が求められる激動の1年となりそうだ。

まず、変化があるのは代表選考にも用いられる世界ランキングルールだ。1月よりITTF(国際卓球連盟)の世界ランキングの計算方式が変更となり、従来に比べ直近1年以内の国際大会での実績がより重視されるようになる。

既に新ルールが適用されている1月の世界ランキングでは、昨年のプロツアーへの参加数が少なかったリオ五輪金メダリストの馬龍(中国)が1位から7位に、ロンドン五輪金メダリストの張継科(中国)は9位から54位にランクダウン。日本男子のエース水谷隼も昨年はロシアリーグやマレーシアリーグ参戦のため、プロツアーへの参加が少なかった影響もあり7位から13位に順位を下げている。

卓球王国である中国はこれまで世界選手権などのビッグゲームでランキングポイントを稼ぎ、その他のプロツアーへの出場頻度を抑える傾向にあったが、今回のルール変更によりプロツアーへ年間を通じて積極参加するようになるものと予想される。

これまで中国を除く卓球強豪国は、中国勢が出場しないプロツアーでポイントを稼ぎ、世界ランキングを上げる戦略を取っている節があったが、今年からそれがしにくくなる。真の実力がランキングに反映される年になりそうだ。

また、気になる五輪の代表選考基準は、ITTFより五輪の2年前を目途に発表される傾向にある。(2016年リオ五輪の代表選考基準は2014年3月に発表。)リオと同様のスケジュール感であれば東京五輪の代表選考基準は遅くとも今年の春頃にはITTFより発表されるものと想定される。

国内最大の大会である全日本選手権(1月)とその上位者ら男女12名ずつが出場するジャパントップ12(3月)で勢いをつけ、世界卓球団体(4月〜5月・スウェーデン)とその後のITTFプロツアーで成績を残した選手が世界ランキングを上げていく。そんな1年になりそうだ。

卓球選手への影響大 Tリーグのレベルと待遇は?

また、今秋の開幕を予定している国内トップリーグ「Tリーグ」の動向も卓球アスリートの環境変化に少なからず影響しそうだ。

現時点ではTリーグのチーム編成や出場選手は公表されていないが、Tリーグのレベル次第ではロシア、ドイツ、スウェーデンなど海外リーグで腕を磨く日本人選手たちが拠点を国内に置き、強化に集中できるようになる可能性もある。

卓球の場合、既に日本の世界チームランキングは女子が2位、男子が3位と世界トップクラス。国内リーグのレベルが高く、待遇が良ければ、わざわざ強化のために海外リーグに参戦する必要はなくなり、また国内でコンディションを整えられるため、選手にとってプラスは大きい。

2018年は「世界ランクルール変更」と「Tリーグ開幕」により大きな変化がある1年になりそうだ。今年も卓球界の動向から目が離せない。