吉田雅己、ピッチフォード下す 青森山田組の活躍で岡山勝利<卓球・Tリーグ> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:2勝を挙げた吉田雅己(岡山)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 吉田雅己、ピッチフォード下す 青森山田組の活躍で岡山勝利<卓球・Tリーグ>

2019.08.31

文:ラリーズ編集部

<ノジマTリーグ2019/20シーズン 8月31日(土)アリーナ立川立飛>

31日、岡山リベッツ(以下、岡山)とT.T彩たまのTリーグ2ndシーズン初対決は3-2で岡山に軍配が上がった。岡山は林昀儒や吉村和弘といった主力を欠く中、青森山田出身の吉田雅己、町飛鳥が躍動。ビクトリーマッチ(1ゲーム限りの延長戦。以下、VM)までもつれ込んだ大熱戦を、全試合詳しく解説する。

>>【最新版】Tリーグの特別ルール “原則デュースなし”など大幅な変更点も

1番:上田仁/森薗政崇 0-2 黄鎮廷/神巧也


写真:T.T彩たまの黄鎮廷(写真左)、神巧也(写真右)/撮影:ラリーズ編集部

岡山のダブルスは恒例の上田/森薗となったが、T.T彩たまは平野の欠場もあり黄鎮廷/神巧也のペアを試すオーダーに。

試合は序盤から森薗と黄鎮廷のチキータ合戦となる。しかしチキータから展開されるラリーでは上田/森薗に積極的な攻めが見られず、終始黄鎮廷/神に押される形となった。対する黄鎮廷/神は、打点の高いフォアハンドで攻めの姿勢を貫き、岡山ペアを圧倒。初ペアにも関わらず、昨季ベストペア賞の上田/森薗をストレートで破る値千金の勝利となった。

2番:町飛鳥 3-1 松平健太


写真:勝利した町飛鳥(岡山)/撮影:ラリーズ編集部

日本人対決となったこの試合は、両者に流れが行き来し、どちらが勝ってもおかしくない戦いだった。

第1ゲームは勝負所の大きなラリーを松平(T.T彩たま)が制し、先取。しかし第2ゲームは冷静な町(岡山)がフォアハンドで着実に得点を重ね、このゲームを奪取する。

勝負の分かれ目となったのが第3ゲーム。つなぐバックハンドが多い町に対し、松平が積極的なバックハンドで攻め立て、10-7とゲームポイントを握る。しかしここから松平にミスが重なり、10-11で町に逆転を許してしまう。

続く第4ゲームは町のペースに。得意のサーブとバック深くに送るツッツキで松平のミスを誘い、3-1で松平を下した。試合後、町は「早く初勝利が欲しいと思っていたので、2戦目で勝つことができてホッとしている」と自身の勝利を噛み締めた。

町の華麗なるバックハンドを確認!

3番:吉田雅己 3-0 リアム・ピッチフォード

Tリーグ初戦勝利を収めたピッチフォード(T.T彩たま)が勢いのまま吉田(岡山)を圧倒するかと思われたが、実際は全く逆の展開となった。

勝負を決めたのは第1ゲーム。吉田がインタビューで「1ゲーム目の10-10の一本勝負に勝つことができて、そこから自分のプレーをすればチャンスはあると感じた」と話すように、第1ゲームを11-10で制した吉田(岡山)が勢いに乗ることに成功。以降吉田が強気の攻めで、ピッチフォードに主導権を握らせなかった。試合は3-0のストレートで吉田がピッチフォードを下している。


写真:ピッチフォード(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部

この試合で光ったのは、吉田のバックハンド。ピッチフォード得意のバック側に甘い球を送らず、ピッチフォードに本来のリズムを掴ませなかった。

>>英ピッチフォードに聞く「最強中国の倒し方」と「Tリーグ参戦のワケ」

4番:森薗政崇 2-3 黄鎮廷


写真:黄鎮廷(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部

森薗と黄鎮廷の戦いは一進一退のシーソーゲーム。森薗は得意のチキータにあえてストップを混ぜることで、黄鎮廷の的を絞らせない戦術を取る。

対する黄鎮廷は森薗のバックハンドを徹底的に狙う戦術を取り、両者交互にゲームを奪い合った。

ゲームカウント2-2で迎えた最終ゲーム、黄鎮廷がミスのないプレーでリードし、フルゲームの激闘を制した。

5番:吉田雅己 1-0 神巧也


写真:吉田雅己(岡山)/撮影:ラリーズ編集部

VMはピッチフォードを破った吉田と、T.T彩たまキャプテン・神の対決に。フォアハンドの対決では互角だったが、バックハンドでも得点を重ねた吉田がVMを制した。

インタビューで吉田は「自信がなかったのでVMには出たくなかった」と話していたが、堂々たるプレーでチームに勝利をもたらした。

>>吉田雅己・森薗政崇の“害虫退治物語”に「声出して笑った」と反響

T.T彩たま、坂本竜介監督 コメント

今日はダブルスが取れて、シングルスは昨日話し合っててドンピシャのオーダーだった。今日は卓球の難しさを改めて味わった。

ピッチフォードは昨日初の試合で緊張していて、ほぐれるかなと思ったがなかなかほぐれず、ピッチをビクトリーマッチにという気持ちもあったが、心を強く持ってる神を最後におくのが今日の流れではいいのかなと思った。

ピッチはまだパフォーマンスが良くなかったので環境に慣れていくのが重要。力を持っている選手だし優勝するには彼の力が絶対に必要なのでいい状態にするのが勝つための一番の近道。

健太のプレーは去年より良くなってるし、健太復活計画を立てているのでめげずに使っていきたい。

>>T.T彩たま、2ndシーズン初戦の結果はこちらから

スコア:岡山 3-2 T.T彩たま


写真:勝利者インタビューの様子/撮影:ラリーズ編集部

上田仁/森薗政崇 0-2 〇黄鎮廷/神巧也
9-11/7-11

〇町飛鳥 3-1 松平健太
7-11/11-7/11-10/11-7

〇吉田雅己 3-0 リアム・ピッチフォード
11-10/11-9/11-8

森薗政崇 2-3 〇黄鎮廷
10-11/11-7/6-11/11-8/8-11

〇吉田雅己 1-0 神巧也
11-6

>>岡山、2ndシーズン初戦の結果はこちら