写真:勝利の立役者となった侯英超(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 Tリーグ個人ランク1位の侯英超、神巧也との大激戦制した2つの要因<KM東京vsT.T彩たま>
2019.11.25
文:ラリーズ編集部
Tリーグの見逃せない名勝負をラリーズ編集部独自の視点で解説する【T.LEAGUE 名場面解説】。
今回は11月24日に行われた木下マイスター東京(以下KM東京)とT.T彩たま(以下彩たま)の一戦から、第2マッチの侯英超と神巧也の試合にスポットライトを当てる。
試合は侯英超が神巧也を3-1で下したが、すべてのゲームが10-10までもつれる大接戦となった。この一戦も含め3-1で首位攻防戦を制したKM東京は勝ち点で彩たまを抜き首位奪還を果たした。
神は今シーズン、琉球アスティーダの朱世赫をドライブ連打で攻略し勝利するなどカットマンとの相性は決して悪くない。今回もツッツキをほとんどせず連続攻撃をする戦法の神にカットマンの侯英超はどのように対抗し勝利したのか。
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1.神のコースに合わせた立ち位置の微調整
写真:侯英超の立ち位置の変化/図:ラリーズ編集部
通常、ドライブマンとカットマンの対戦では、ドライブマンが、相手を前後左右に揺さぶる緩急をつけたドライブでチャンスが来るのを待つ。一方のカットマンは、チャンスボールを与えまいと、できるだけ低くカットし、さらに変化をつけて相手を惑わす。
序盤、神は侯のフォア側への浅いドライブとバックへの深いドライブを使い分け、侯を大きく動かす。この戦術を察知した侯は、2ゲーム目以降、フォア側への浅いループを処理する際少し立ち位置を前にすることでミスを減らすと同時に、台の下でラケットに当てることでカットの変化を分かりにくくし、逆に自分のチャンスへとつなげていった。
フォア側の立ち位置を微調整することでカットだけでなく、カーブロングや引き返してのドライブなどの安定感が増し、最終ポイントでもフォアハンド同士のドライブの引き合いを制し勝負を決めた。
2.ミスを誘うレシーブの変化
写真:侯英超のレシーブの配球/図:ラリーズ編集部
長いラリーで優位に立っていた神に対し、侯はレシーブから仕掛けていく。神のサーブに対しレシーブで横回転や下回転などの変化をつけることで神の3球目攻撃のミスを誘う。第3ゲーム目10-10の最終ポイントでも神のサーブに対し強烈な下回転をかけることでミスを誘い勝負所を制した。
レシーブの仕掛けはその後のラリーにも効果が出てくる。神が攻撃ミスを恐れバックサイドに繋ぎに来た場合には、時間の余裕があるため侯英超はより大きな変化をつけることができた。
従来はカットマンが長いラリーを制するイメージがあるが、今回のようにカットを切る切らないの変化が効かない相手にとってはレシーブから勝負を仕掛けていく戦術が有効なのかもしれない。
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ノジマTリーグ 木下マイスター東京対T.T彩たま:候英超VS神巧也
大接戦を制した侯英超のプレーはこちら!
詳細スコア
○侯英超 3-1 神巧也
10-11/11-10/11-10/11-10
まとめ
4ゲーム全てが11-10と大接戦となった侯英超と神巧也の試合。どちらが勝ってもおかしくない紙一重の試合は最後まで立ち位置の微調整を繰り返し、ミスを減らしていった侯英超に軍配が上がった。これで侯は今季7勝目を挙げ、Tリーグ男子個人ランキングで首位を走る。侯がこのままシーズンMVPを獲得するのか、注目したい。