文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 12月22日(火)>
Tリーグサードシーズン男子の試合が22日行われ、岡山リベッツ(以下、岡山)がT.T彩たま(以下、彩たま)にマッチカウント3-1で勝利した。岡山はこれで今季4勝目、一方の彩たまは泥沼の7連敗となった。
丹羽とジオニスが対戦
1番のダブルス、2番の吉田雅己が快勝し、回ってきた第3マッチ。岡山からはエースの丹羽孝希、彩たまからはカットマンのパナギオティス・ジオニスが登場した。両者は昨季のTリーグで対戦しており、その際はジオニスが3-0で勝利していた。
写真:パナギオティス・ジオニス(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
ジオニスは、ギリシャ代表で五輪4大会連続出場を誇り、歯科医師の免許も持つ異色の経歴のカットマンだ。安定したバックカットと時折見せる鋭い攻撃が持ち味で、2019年の世界卓球では林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)を下すなどまだまだ第一線で活躍している。
写真:丹羽孝希(岡山リベッツ)/提供:©T.LEAGUE
一方の丹羽は言わずと知れた天才サウスポー。東京五輪でもシングルスと団体で代表に内定している。しかし、丹羽は「去年(ジオニスに)0-3で負けていて、オーダー的にも厳しいなと思った」とジオニスに苦手意識を持っていた。
我慢の卓球で勝利した“絶対的エース”
写真:丹羽孝希(岡山リベッツ)/撮影:ラリーズ編集部
丹羽は相手のボールの威力を利用したカウンタープレーを得意とするが、守備型のカットマン相手にはこちらから積極的に攻めざるを得ない。
「そもそもカットマンとの試合が1年ぶりくらいで、非常に準備も難しかったです。僕の場合、他の選手と違って強いフォアの決め球がなく、(ラリーで)粘るしか方法がなかった。サーブ3球目だけ強く打って、粘ろうという展開でした」。粘りのラリーの中でも、丹羽はフォア側に短いツッツキを織り交ぜてジオニスに攻めさせ、持ち味カウンターに繋げる。様々な工夫がこらされた試合となった。
写真:丹羽孝希(岡山リベッツ)/撮影:ラリーズ編集部
また、試合では、クールな丹羽が、力を入れて打つ声が無観客の会場に響き渡った。1ゲーム目からはガッツポーズも飛び出す熱い展開となった。岡山の“絶対的エース”として垣間見える丹羽の意地が徐々に流れを引き寄せる。
フルゲームにもつれ込むんだ試合は、最終ゲームで丹羽が4連続ポイントで勝負あり。見事リベンジを果たし、チームの勝利も確定させた。丹羽は、大激戦を勝利しベンチに戻った後、満面の笑みを見せた。
岡山の白神監督は「我慢の卓球で勝ってくれた。僕自身は岡山リベッツ1人1人がエースだと思っているが、丹羽は岡山の絶対的エースとして頑張ってくれている。最後まで我慢してくれて、そういうプレーが見られるのが嬉しいです」とコメント。
写真:岡山リベッツメンバー/提供:©T.LEAGUE
「今日勝てたのは良かった。ただ次の日に肩が痛くなるような戦い方だった。(五輪などの)トーナメントだと響いてしまう。もっとサーブ3球目で早く決めないといけない」。個人としての反省も忘れない。
丹羽は「チーム初の連勝は嬉しい。(年内)残り2試合勝てば6勝6敗でタイに持ち込めるので頑張りたい」と淡々と語り、会見を終えた。丹羽の気持ちはすでに次の試合に向かっている。
T.T彩たま 1-3 岡山リベッツ
篠塚大登/曽根翔 0-2 〇森薗政崇/サティアン・グナナセカラン
4-11/10-11
神巧也 1-3 〇吉田雅己
1-11/6-11/11-10/8-11
パナギオティス・ジオニス 2-3 〇丹羽孝希
10-11/11-8/11-10/10-11/7-11
〇松平健太 3-1 上田仁
4-11/11-10/11-7/11-9
丹羽孝希インタビュー
写真:丹羽孝希(スヴェンソン)/撮影:伊藤圭
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