写真:森薗美月(左)・張本美和(ともに木下アビエル神奈川)/提供:©T.LEAGUE
大会報道 【卓球・Tリーグ】10歳・張本美和が初出場 石川が平野にリベンジでKA神奈川、ファイナル進出決定
2019.02.02
文:ラリーズ編集部
<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月2日(土)ゼビオアリーナ仙台>
2日、仙台にてノジマTリーグの試合が行われ、首位を走る木下アビエル神奈川(以下、KA神奈川)と、2位の日本生命レッドエルフ(以下、日本生命)が対戦した。10歳の張本美和(KA神奈川)が地元・仙台で初出場するなど注目を集めた首位攻防戦、結果は3-2でKA神奈川が接戦をものにした。石川佳純が平野美宇とのエース対決を制したことが、チームに流れをもたらした。この勝利により、KA神奈川は勝点を41に伸ばし、プレーオフ・ファイナル進出を確定させた。
KA神奈川 VS 日本生命 各マッチの解説
1番:森薗美月/張本美和 1-2 常晨晨/蒋慧
首位攻防戦の流れを決める大事な1番、KA神奈川は10歳の張本美和を起用した。森薗美月とペアを組み、地元・仙台でのTリーグデビューとなった。日本生命は安定した戦績を誇る常/蒋ペアで対抗する形に。
第1ゲームの主導権を握ったのは森薗/張本ペア(KA神奈川)。5連続得点でスタートダッシュを切ると、11-7で逃げ切りゲームを先制した。しかし、第2ゲーム以降は常/蒋ペア(日本生命)の流れに。蒋のバック面の表ソフトラバー(回転の影響を受けにくく、ナックル性のボールが出しやすいラバー)が効き、日本生命ペアが逆転で勝利を収めた。
2番:石川佳純 3-0 平野美宇
2番シングルスは石川佳純(KA神奈川)と平野美宇(日本生命)のエース対決の好カードに。ともに今年の世界選手権代表に内定しているまさに国内トップのぶつかり合いだ。両者は昨年11/8に対戦しており、その際は平野が3-1で勝利を収めている。
今回の対戦で流れをつかんだのは石川佳純だった。高速卓球といえば平野の代名詞にもなっているが、逆に石川が台に近い位置での高速ラリーに持ち込み平野を圧倒。石川が3-0のストレート勝利で平野にリベンジした。
平野も得意の巻き込みサーブ(ボールの外側をとらえるサービス)のみならず、順横サーブ(ボールの内側をとらえるサービス)を使うなど変化をつけたが、石川の対応力に阻まれた。これでTリーグでは初めて平野に黒星がついたことになる。
日本トップレベルの対戦に観客もヒートアップした状態で、ハーフタイムに突入した。
3番:木原美悠 1-3 森さくら
大事な3番は中学生Tリーガー・木原美悠(KA神奈川)と、森さくら(日本生命)が任された。この対戦カードは今年の全日本選手権の準決勝のカードであり、2番に引き続き国内トップレベルの好カードになった。
第1ゲームから全日本のリベンジに燃える森のパワーボールが火を噴いた。両ハンドの積極的な攻撃で流れをつかみ、森が1ゲーム目を取得した。続く第2ゲーム、森が4-1とリードした場面で木原はタイムアウトを選択。このタイムアウトが功を奏し、木原が逆転でゲームを奪い返した。
ゲームカウント1-1で迎えた第3ゲームはデュースにもつれる接戦となったが、積極的に攻めた森がゲームを奪い、再びリード。これで勢いをつけた森が第4ゲームも取得し、全日本選手権の雪辱を果たした。
森のパワーボールをその目で確かめよ!
4番:袁雪嬌 3-0 常晨晨
後がないKA神奈川はTリーグ・シングルス個人順位3位の袁雪嬌に大役を任せた。日本生命はベテランの常晨晨で対抗する形だ。剛の袁と、柔の常。第1ゲームから互いの個性がぶつかった。
丁寧なプレーでチャンスを作る常だったが、袁のパワーが若干上回る形に。第1ゲーム、第2ゲームともに接戦になるも、終盤でポイントを重ねた袁がゲームを連取した。
第3ゲームも9-9まで得点が進んだが、冷静に対応した袁が11-9でストレート勝ちを決めた。勝負は1ゲームマッチのヴィクトリーマッチ(延長戦)へもつれ込んだ。
5番:石川佳純 1-0 森さくら
勝負を分ける運命のヴィクトリーマッチを任されたのは石川(KA神奈川)と森(日本生命)。互いにシングルスで勝利をあげて勢いに乗っている選手を起用した。
1本目から激しいラリーになったが、4-4からの連続サービスエースで中盤を有利に進めた石川がリードを広げ、11-5でチームに勝利をもたらした。
KA神奈川 3-2 日本生命 スコア詳細
森薗美月/張本美和 1-2 常晨晨/蒋慧◯
11-7/7-11/6-11
◯石川佳純 3-0 平野美宇
11-5/11-9/11-3
木原美悠 1-3 森さくら◯
7-11/11-7/11-13/6-11
◯袁雪嬌 3-0 常晨晨
11-8/11-9/11-9
◯石川佳純 1-0 森さくら
11-5