【卓球・Tリーグ】2試合連続「前田vsハン」の珍事!日本生命はこの勢いのまま両国国技館へと突き進む | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:日本生命レッドエルフ/提供:©T.LEAGUE

大会報道 【卓球・Tリーグ】2試合連続「前田vsハン」の珍事!日本生命はこの勢いのまま両国国技館へと突き進む

2019.02.25

文:寺西ジャジューカ

<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月24日(日)西尾市総合体育館>

2月24日、西尾市総合体育館でトップおとめピンポンズ名古屋(以下、名古屋)と日本生命レッドエルフ(以下、日本生命)の試合が行われた。レギュラーシーズンの最終戦だ。
すでに日本生命はプレーオフ進出を決めている。是が非でもここで勝って弾みをつけ、木下アビエル神奈川との対決に臨みたいはず。もちろん、名古屋も最終戦を勝利で飾りたいと思っている。有終の美を飾るべく、両チーム共に負けられない一戦である。

1番:安藤みなみ/野村萌0-2常晨晨/蒋慧

名古屋からは安藤みなみと野村萌が登場。2人は今シーズン初めてのペア結成だ。一方の日本生命からは、常晨晨(チャン チェンチェン)と蒋慧(ジャン ホイ)という不動のコンビが登場。日本生命はまずダブルスで先取するというのが今シーズンの必勝パターン、そこに若い安藤&野村がどうプレッシャーを与えられるかが見ものである。

安藤&野村はスタイルが同タイプということもあり、ペアの相性は良さそう。今日が初めてと感じさせない息の合った動きを見せた。第1ゲームでは4連続ポイントをゲットするなど、勢いもいい。結果、このゲームはデュースに突入。その後、安藤&野村も果敢に攻めてゲームポイントを握ったが、最終的に第1ゲームは常&蒋が取った。競り合いになるとこの2人は決して譲らない。

第2ゲームになると常&蒋が盤石の強さを見せ、2-0のストレートで勝利を収めた。特に、今日は蒋が好調だったようだ。試合前から試合後まで一切表情を変えない彼女の闘気が凄まじい。

2番:ソ ヒョウォン3-0森さくら


写真:ソヒョウォン(左・名古屋)と森さくら(日本生命)/提供:©T.LEAGUE

名古屋からはソ ヒョウォンが、日本生命からは森さくらが登場。森は素晴らしいパワーボールを持っている選手。このボールをいかに出せるかが鍵になってくる。威力あるボールを出されるとカットマンは抑えることで精一杯になってしまうからだ。対するソは良いバックサーブを持っている。果たして、森は対応できるのか? ちなみに、2人は今回がTリーグ初対決である。

試合が始まると、森はペースを掴めない。プレーに迷いが見える。一方、勢いに乗ったソはそのまま第1ゲームを奪取。第2ゲームに入ってもソの勢いは止まらず。3連続、4連続ポイントを決め、このゲームもソが取ってみせた。

結局、この試合はソが森を3-0のストレートで下した。時折、森にもいいプレーはあったが、全体的にソのサーブにしてやられた印象。ソの気合勝ちだった。

3番:鄭怡静1-3蒋慧

名古屋からはエースの鄭怡静(チェン イーチン)が、日本生命からはダブルスに続いて蒋慧が登場した。過去にこの2人は対戦しており、そのときは3-2で鄭が勝利している。加えて、2人は中国のリーグでのチームメイトでもあり。お互いがお互いを知り尽くす顔合わせなのだ。

ダブルスのときもそうだったが、今日は蒋の調子がすごくいい。顔色1つ変えず、第1ゲームは蒋が先取した。相手がよく見えている蒋、サーブの組み立ても良し。エースサーブである下回転の使いどころもバッチリだ。

続く第2ゲームも蒋は盤石。4連続ポイント、3連続ポイント、4連続ポイントと一気に攻め込んで、このゲームも蒋が取った。気合が入っているし、冷静さもある。こんなに強い蒋は今シーズン初めてかもしれない。一方の鄭は足が止まってしまったよう。まだ、本来の動きが出ていない。

第3ゲームになると鄭が挽回し、少しずつ足も動いてきたようだ。ペースを取り戻した鄭が11-3で第3ゲームを取り返した。第4ゲームに入るとまたしても蒋がいい攻めを見せ、最終的には蒋がこの試合をものにした。同時に、蒋は過去の敗戦のリベンジも果たした。

4番:ハン イン3-0前田美優


写真:ハンイン(左・名古屋)と前田美優(日本生命)/提供:©T.LEAGUE

名古屋からはカットマンのハン インが、日本生命からは前田美優が登場。比較的、前田はカットマンの攻略がうまい。どのボールを狙い、どのようにチャンスを作っていくか判断のできる選手である。

まず、第1ゲームは11-8でハンが取った。要所要所で前田もいいボールを決めたのだが、強いボールだけにならないよう注意する必要もある。軽いボールを混ぜつつ、パワーボールを打つのだ。経験豊富なハンが相手なので、速いボールを活かす戦術を意識したい。

続く第2ゲームも、うまさの光るハンが取った。一方的な展開になり、前田は苦しい。第3ゲームで活路を見出そうと前田も頑張ったが、やはりここもハンが取った。結果、この試合はハンがものにし、両チームはヴィクトリーマッチに突入する。最終戦にふさわしい大接戦である。

5番:ハン イン0-1前田美優

延長5番、両チームからは誰が出るのだろう? ……4番と同じハンと前田! 体が温まったままの両者が再戦である。

名古屋は今回でヴィクトリーマッチが5試合目だが、このチームは今までヴィクトリーマッチで1度しか勝ったことがない。対する日本生命もヴィクトリーマッチは5試合目で、これまでの戦績は1勝3敗。両チーム共にヴィクトリーマッチは不得手なのだ。

前田は4番で負けたハンとの再戦となるが、メンタルが強い彼女には問題ないはず。始めから前田はアクセル全開だった。よく踏み込んで打つボールがいいところへズバズバ入っていった。3連続、4連続と得点を重ねていき、いつの間にかポイントは2-7に。とにかく、前田が止まらない。一度はハンも追い上げたが、タイムアウトを挟むことで日本生命は主導権を渡さなかった。

結果、押し切った前田がヴィクトリーマッチをものにした。4番のリベンジを果たすと同時に、日本生命に勝利をもたらしたのだ。「4番で負けてまさか5番で勝てるとは思わなかった」とは日本生命・村上恭和監督の弁だが、やはり最後は精神力である。

●前田美優、4番でハンに負け、5番で即リベンジ!

プレーオフに向けて弾みのつく白星を挙げた日本生命は、この勢いに乗ったまま3月17日の両国国技館に突き進む。

2/24トップおとめピンポンズ名古屋2-3日本生命レッドエルフ

安藤みなみ/野村萌 0-2 ◯常晨晨/蒋慧
12-14/3-11

◯ソ ヒョウォン 3-0 森さくら
11-6/11-6/11-5

鄭怡静 1-3 ◯蒋慧
7-11/3-11/11-3/9-11

◯ハン イン 3-0 前田美優
11-8/11-6/11-7

ハン イン 0-1 ◯前田美優
6-11