文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 2月18日(木)アリーナ立川立飛>
卓球Tリーグ男子は18日、2位の木下マイスター東京(以下、KM東京)が、3位の岡山リベッツ(以下、岡山)をマッチカウント4-0で下した。これによりKM東京は、プレーオフファイナル進出を決めた。
>>木下マイスター東京、ファイナル進出決定 水谷隼「1位で通過したい
松島輝空がダブルスでTリーグ初勝利
写真:田添健汰・松島輝空/提供:©T.LEAGUE
KM東京はトップのダブルスに田添健汰・松島輝空ペアを投入した。一方の岡山は、全日本選手権のダブルスで優勝経験もある三部航平・森薗政崇ペアが登場した。
2ゲームともに終盤まで接戦となるが、最後の1点を取りきった田添・松島ペアが勝利をあげた。これにより、13歳の松島はTリーグで最年少初勝利をあげたこととなる。
続く2試合目は、KM東京の水谷隼と岡山の田添響との対決となった。3ゲーム目は水谷から田添が奪うも、水谷が貫録を見せて3-1で下した。
写真:及川瑞基/提供:©T.LEAGUE
後がない岡山は、上田仁が登場。一方のKM東京は全日本シングルス王者の及川瑞基が出場した。両者の戦いは、1ゲーム目を上田が奪取するも2ゲーム目を及川が取り返す。3、4ゲーム目もお互いが1ゲームずつを取り合うシーソーゲームとなり、勝負は最終ゲームへもつれ込む。最終ゲームも接戦となるが、及川が勝負を決めた。
4試合目は、KM東京から張本智和、岡山からは吉山僚一が登場した。3ゲーム目は10-10と接戦を繰り広げるも、張本が強さを見せて、吉山をストレートで下した。
写真:張本智和/提供:©T.LEAGUE
監督、選手のコメントは以下の通り。
邱建新監督コメント
試合を振り返って
相手のメンバーがフルメンバーじゃなかったので、今日勝てたのは普通です。
松島輝空の初勝利について
今日は絶対勝つぞと伝えたので、勝ってくれて嬉しい
松島輝空の良いところは
若くても、難しいボールに対応できる。
シーズン残り3試合とファイナルに向けて
2ヶ月前からファイナルは行けると思っていた。引き続き応援よろしくお願いします。
水谷隼コメント
写真:水谷隼/提供:©T.LEAGUE
シングルス1番で出場して、田添響選手とは去年同じチームでやっていたので、プレースタイルも分かっていて対策はしっかりできた。
パフォーマンス自体はそんなに良くなかったんですが、バックハンドは比較的入りましたし、竸ったときに点数が取れて良かった。
水谷選手の試合でファイナル出場が決まったが
4連勝すれば1位だな、としか思っていなかったので、意識してなかった。今日4-0で勝てば、残り3試合で2勝すれば楽になるな、と1位しか見てなかった。
相手のオーダーを見れば分かる通り、相手もある程度あきらめていたので、正直ファイナルのことより1位のことしか考えてなかったです。
松島輝空のプレーをどう見たか
日に日に良くなっている印象がありますね。過去2試合も負けはしたんですが、内容はそんなに悪くなかったですし、今日は良いプレーもでてましたし、次回さらに良いパフォーマンスを見せてくれるんじゃないかと。
ここまでのチームの戦いは
張本がずっと調子良かったことが、チームの勢いになっている。僕が負けても、他の及川も大島も、他の選手がカバーしてくれる。チーム一丸となって戦えているなという印象です。
今季を通して
最初のほうは張本は出てませんでしたし、最近松島を起用していることでも分かる通り、僕たちとしては1位にもこだわりつつ、なおかつ来年・再来年も見据えて、今後に繋げていけるチームにしたいと思っています。
他のチームも強かったが
他のチームも強い。今季は丹羽が岡山に行ったり、宇田・戸上が琉球行ったり、非常にバランス良く戦力が分かれた。また、Tリーグは特殊なルールなので、同じくらいのレベルの選手がいろんなチームに行けば、こういう風に接戦になる。
ファイナルも、どっちが勝ってもおかしくないと思っています。
水谷隼選手自身の課題は
国際大会は、去年のカタールOP以来ちょうど一年出場していないので、海外の選手とボールを打ち合ってないことには多少不安はあります。この一年間、木下グループの選手としか練習しかしていなかったので、ボールの癖も一緒なので、レシーブだったり、相手の攻撃の読みなどが、うまくできていない印象がありました。
今、強化しているところ
あくまでミックスWをメインに考えている。シングルスのときでも、ミックスWのことを意識したサービス・レシーブを取り入れるようにしています。
松島輝空コメント
ここまでの2試合、競った場面で負けていて悔しかったんですが、今日勝てて嬉しかったです。
今日はどんなところに気をつけてプレーしたか
競った場面で、レシーブが浮いて打たれる場面があったので、レシーブミスしないように気をつけました。
同年代と比べて相手のサーブが良いからレシーブに気を使った?
大人の選手がサーブがうまいのはもちろんなんですが、自分がストップレシーブが苦手なので、チキータ中心でいきました。
田添健汰との組みやすさは、どんなところか
田添選手は、自分が打ちやすいボールを返してくれたり、ミスが少ないところです。
少し落ち着いてきた部分はあるか
まだ緊張する部分はあるんですが、1試合目と比べると、少し落ち着いてできました。
13歳でのTリーグ勝利は最年少だが、そのことについて
そんなに気にしてないんですが、1勝できたことが嬉しかったです。
自分らしいプレーができたところはあったか
9-9からのチキータが良かったと思います。普段せった場面でミスがあったので、今日はしっかり入れてラリーに繋げることができました。
白神監督コメント
今日は新しい若手の爆発力にかけたが、惜しい試合もあった。
丹羽選手を外した理由は
ずっと前から思っていたんですが、真っ向勝負してなかなか勝てるチームじゃない。吉山の爆発力に期待しての起用だった。丹羽がどうこうという話じゃないです。
ファイナル進出を逃したが
次が最後だが、選手たちはあきらめずに戦ってくれた。最後の最後にいい状態に持ってこれたかなというのが正直な気持ち。前半戦4連敗が響いた。
来季は自分が監督するかどうかは別として、前半戦スタートダッシュできるチームづくりをしないといけないと感じました。
スタートダッシュできなかった理由は
丹羽が参加できなかったことは大きかった。丹羽が入ってからは流れがだいぶ変わった。ダブルスも、後半になるにつれて、上田も森薗も感覚を掴んできて、何が良くて何が悪いかを言葉にできる状態になってきた。次に繋がる形になっていたので、もう少し早くそうなれば良かった。
今シーズンの収穫は
絶対的エースは必要だなと。あと、卓球が変化していくなかで、こういうプレーができる選手を起用すると勝てるのかな、という風な手応えはあった。
上田仁コメント
写真:上田仁/提供:©T.LEAGUE
及川選手との試合、最終ゲーム9-9から2失点となったが
チャンスボールミスしてしまって、もったいない。悔やまれる一球だった。
ファイナル進出がなくなったことについて
昨年最下位から一つ順位を上げて3位。シーズン通して全員で戦えたのは良かった。
丹羽選手が合流してからは、勝ち越しができたが、それまでの、開幕4連敗が最後まで響きました。ビクトリーマッチでも、もう少し勝ち星を上げていければ、チャンスはあったかなと。
ダブルスもあまり勝てなかったが
どこのチームも強い。自分たちが悪かったと言うよりは、今シーズン、他のチームのダブルスの方が強かったという印象。
及川選手との戦術について
粘り強い選手。学生時代の後輩でもあるので、どういう選手はわかっていた。自分が慌てないように、というのを意識しました。自分の得意なレシーブをストップして、自分から先に仕掛けられるように、戦っていました。
現全日本王者で格上の相手なので、もったいない試合だったかなと思うんですが、昨年自分も休んでいる時期があり、久しぶりのシングルスだったので、手応えはあった試合でした。
来季に向けて
まずは残り1試合、怪我なくベストを尽くそうということ。
来季はメンバーがどうなるかもわからないんですが、岡山のファンの皆さんは温かいので、今年以上の成績を残せるように頑張りたいと思っています。
木下マイスター東京 4-0 岡山リベッツ
写真:木下マイスター東京/提供:©T.LEAGUE
〇田添健汰/松島輝空 2-0 三部航平/森薗政崇
11-9/11-9
〇水谷隼 3-1 田添響
11-9/11-9/3-11/11-6
〇及川瑞基 3-2 上田仁
5-11/11-7/7-11/11-10/11-9
〇張本智和 3-0 吉山僚一
11-5/11-5/11-10
水谷隼インタビュー
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:伊藤圭
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