【卓球】石川佳純のTリーグ参戦に見る、スポンサーと選手の関係づくりとは? | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

大会報道 【卓球】石川佳純のTリーグ参戦に見る、スポンサーと選手の関係づくりとは?

2018.10.06

取材・文:川嶋弘文(ラリーズ編集長)

*写真は石川佳純(右)と長澤豊氏(全農会長)

石川佳純(25、全農所属/木下アビエル神奈川)のTリーグ参戦が5日、正式に発表された。

参加する男女各4チームの選手が次々に発表され、世界ランキング4位という日本女子トップに位置する石川の動向が注目されていた中、開幕日(男子は10月24日、女子は25日)まで3週間を切るこのタイミングで発表された裏にはいろいろな事情があったのではと推察されるが、なにはともあれTリーグの盛り上がりのためには朗報といえるだろう。

Tリーグに参戦する選手を所属契約という観点で見ると、平野美宇(日本生命所属/日本生命レッドエルフ)や水谷隼(木下グループ所属/木下マイスター東京)らのようにTリーグ球団企業と元々所属契約を結んでいたケースと、今回の石川佳純のようにTリーグ球団企業と所属契約先が異なるケースがある。

後者のように他の企業(団体)と所属契約を結び、プロとして活動してきた選手は、Tリーグへの参加に当たっての調整に手間がかかることは容易に想像がつく。まして石川は、長年日本卓球協会や代表スポンサーとして、全日本選手権や、小学生以下の日本一を決める全日本ホカバなどを支えてきた全農の所属である。

石川は5日、全農を訪問し長澤豊経営管理委員会会長にTリーグへの参加を報告し、長澤会長からも激励の言葉をもらったという。

全農は卓球の他にも、平昌五輪で女子がメダルを獲得して「カー娘」として話題を呼んだカーリングや、小学生サッカーなどのスポーツ支援を行っている。これらは一般企業のように宣伝や広告効果を狙ってのスポンサーというより、「スポーツを通じて健康な食生活を応援する」「子供を中心とする食農育(SR)活動の一環」としての側面が強いという。このような背景から、以前スポンサーになっていた大相撲やプロ野球へのスポンサーについては、広告的色彩が強いため、今は降りているとのことだ。

前述の卓球・全日本ホカバ、小学生サッカーへの支援に加え、毎年子どもの日に行われる「チビリンピック」への特別協賛や、親子農業体験ツアー企画など、子供のスポーツ支援を支える姿勢が明確に見て取れる。

Tリーグは今後、選手育成や競技の普及にも力を入れていくと表明しており、各球団もジュニアチームの創設を計画している。石川の参戦決定を機に、全農が純粋なプロリーグであるTリーグにどうかかわっていくのかも注目される。

写真提供:全農

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Tリーグ開幕戦のカード

・10月24日(水) 
男子:T.T彩たま vs 木下マイスター東京(両国国技館)

・10月25日(木) 
女子:TOP名古屋 vs 日本生命レッドエルフ(両国国技館)

・10月26日(金) 
男子:岡山リベッツ vs 琉球アスティーダ(武田テバオーシャンアリーナ)     
女子:木下アビエル神奈川 vs 日本ペイントマレッツ(立川立飛アリーナ)

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