文:ラリーズ編集部
Tリーグの見逃せない名勝負をラリーズ編集部独自の視点で解説する【T.LEAGUE 名場面解説】。
今回は9月8日に行われた木下アビエル神奈川とトップおとめピンポンズ名古屋の一戦から、浜本由惟と鄭怡静のビクトリーマッチ(1ゲーム限りの延長戦。以下、VM)を取り上げる。
VMは11-9で浜本が勝利し、世界ランク10位の鄭怡静が敗れる結果となった。鄭怡静は第3マッチで石川佳純に勝つなど、好調な様子を見せていたが、浜本はその鄭怡静を見事に封じた。
浜本の勝利の要因となったのが得意のサーブ。今回は浜本がこの試合で見せた強気の戦術とサーブ技術に迫る。
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木下アビエル神奈川 対 トップおとめピンポンズ名古屋:浜本由惟VS鄭怡静
VMをダイジェストで振り返る!
詳細スコア
〇浜本由惟 1-0 鄭怡静
11-9
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1. 浜本由惟のロングサーブ
写真:浜本由惟(木下アビエル神奈川)のサーブの配球/図:ラリーズ編集部
浜本は序盤からロングサーブを多用した。一般的にロングサーブは短いサーブのための布石として使われることが多いが、浜本の場合は全くの逆。ロングサーブの得点率を上げるために短いサーブを使っていた。
ロングサーブで勝負する作戦は見事に成功し、鄭怡静はレシーブミスを連発した。また鄭怡静にサーブでの勝負を仕掛けることで、鄭怡静の得意なラリーに持ち込ませないことにも成功。VMという短期決戦で、鄭怡静にリズムを掴ませなかった。
浜本は投げ上げサーブと巻き込みサーブで、この試合サービスエースを5本も奪っている。ロングサーブを多用するという戦術は、サービスエースを生みやすくなるが、反面先に攻められるリスクも伴う。
実際に鄭怡静がレシーブで決める場面も見られたが、それでも浜本はロングサーブを続けて繰り出した。VMという場でも強気のサーブを貫いたことが浜本の勝因と言えるだろう。
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まとめ
浜本は昨シーズン、女子選手のサービスエース獲得数ランキングで1位に輝いている。木下アビエル神奈川の主力として定着している浜本。これからの活躍にも注目だ。