*写真:森薗美月(木下アビエル神奈川)/©T.LEAGUE
大会報道 【卓球・Tリーグ】森薗美月が“意地のバックハンド対決”制す エース不在も神奈川勝利<12/4 ニッペM vs KA神奈川>
2018.12.04
文:ラリーズ編集部
<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 12月4日(火)高砂市総合体育館>
12月4日、日本ペイントマレッツと木下アビエル神奈川との試合が兵庫県高砂市総合体育館で行われた。11月までTリーグに出場がなかった加藤美優が加わった日本ペイントマレッツに対し、木下アビエル神奈川は石川佳純を欠いたメンバーでの試合となった。
ニッペM VS KA神奈川 各マッチの解説
1番:加藤美優/馮天薇 0-2 浜本由惟/杜凱琹
第1マッチのダブルスは日本ペイントマレッツ加藤美優と馮天薇(フォン・ティエンウェイ)のエース2枚を投入。かたや木下アビエル神奈川は浜本由惟と杜凱琹(ドゥホイカン)が登場。両チーム初めてのペアリングだ。
1ゲーム目は木下アビエルが先行。要所要所での加藤美優の逆チキータ“ミユータ”が炸裂するもアビエルが先取、2ゲーム目も木下ペースが続いた。浜本のパワフルなリターンに新加入の杜のチキータやバックドライブが威力を発揮、8連続ポイントで、ストレートで制した。日本ペイントマレッツの2人はポジショニングが重なるシーンもあり、初ペアリングの明暗が別れた結果になった。
2番:打浪優 1-3 袁雪嬌
第2マッチは神戸松蔭女子学院大学に在籍中の現役大学生・打浪が登場。一方木下アビエルは中国で「地上TOP12」に選出されたほどの強さを持つ袁雪嬌(エン・シュエジャオ)が登場。巻き込みサーブが得意技の打浪はどこまで袁に迫れるか。
第1ゲーム、打浪は巻き込みサーブとスピードの早いサーブを織り交ぜ袁を翻弄、新鋭・打浪が4連続ポイントで袁に先行、だが、袁も力強さを発揮、4連続ポイントを返し、すぐさま追いつく。接戦をモノにしたのは袁。それまで淡々としたプレーだったが、ゲームポイントをとったときには雄叫びをあげ、感情を見せた。
第2ゲームも同様にサーブリターンからの3球目を狙う展開が続く、両者ともに譲らぬシーソーゲームの様相だ。だが8−8のタイムアウト明けに連続ポイントを取った打浪がゲームポイント、最後は袁のサーブを完璧に読み切り、最速の“攻めレシーブ“でゲームをとった。
打浪の会心のレシーブで、世界トップクラスが目を覚ます。3ゲーム目はオープニングから5点連続得点。打浪のサーブも攻略され11−3でゲームカウントは2−1にされる。第4ゲームも袁のペース。甘くレシーブしたところを強打し、打浪を突き放すも袁が好機を逃すミスが目立ち、打浪も追いすがりデュースにもつれ込む。最後は袁が地力を見せ、第2マッチを木下アビエルがものにした。
3番:加藤美優 3-2 杜凱琹
第3試合は日本ペイントから加藤美優が、一方の木下アビエル神奈川からは杜凱琹(ドゥホイカン)が登場。杜は世界ランキング13位の実力者。すでに第1試合、第2試合を落として後がない日本ペイントマレッツはエース加藤を据えた。
第1ゲームは加藤が左右に打ち分け散らし杜を翻弄、オープニングから5点連取で弾みをつける。その後も終始加藤ペースで11−3の大差で1ゲーム目をなんなく先取。エースの意地を見せる。
2ゲーム目も加藤が先行するも、加藤のミスも誘いながら杜が徐々に追い上げる。派手なプレーの加藤に対し、じわじわと杜が迫り、気づけば逆転しゲームポイントに。接戦を制したのは杜だった。
これで杜が勢いづく。3ゲーム目、バック対バックに戻したい加藤に対し、杜はレシーブをミドルや加藤のフォア側に返し、リズムを作らせない。かたや加藤も杜のレシーブに対応、回り込んで強烈なバックハンドで巻き返す。どこにサーブをだし、どこにどう返すか。壮絶な読み合いを制したのは加藤。11−7で3ゲーム目を取った。
4ゲーム目は一進一退の末、杜が取り返し、勝負は第5ゲームに。Tリーグ特別ルールで6−6から始まる最終ゲーム。1本目は3球目を思い切って加藤がリターン。その次もバック対バックの打ち合いを制し8−6。さらに次もバック2本のリターンからのフォアで3点目と加藤が9−6と突き放す。だが加藤のミスもあり、9−8へ。だが、次の1本は加藤が競り勝ちマッチポイントを握る。最後は杜のボールがネットにかかり、加藤が木下アビエルに一矢報いた。
4番:田代早紀 2-3 森薗美月
4番手は日本ペイントマレッツが田代早紀と木下アビエル神奈川から森薗美月が登場した。実力が拮抗する2人、1ゲーム目は一進一退の攻防だ。潮目が変わったのは4−4からの局面。積極的な攻めで森薗が6連続ポイントをゲットした。勢いそのままに1ゲーム目を森薗が掴んだ。一方、第2ゲームは田代が徹底して森薗のミドルを攻め込み、森薗の得意な3球目を封じながら田代が点差を広げる。森薗もなんとか追いつきデュースへ。その後田代が苦しみながらも勝利。第3ゲーム目も両者は拮抗、9−9までもつれ、10点目を田代が握る。最後は森薗が大胆にチキータを振るもオーバーミスで田代が2ゲーム連取する結果となった。
4ゲーム目は後がなくなった森薗が積極的な攻めを見せる。一方の田代はミスを誘いながら堅守する展開に。ミドルを攻める田代に対し、森薗はフォアとバックにフットワークで跳ねるように動きながら田代を崩し、ゲームカウントを2−2へと戻す。再び試合は最終ゲームにもつれ込んだ。6−6から始まった第5ゲームは互いの意地を見せるかのようにバックハンドの打ち合いに。デュースまでもつれ込んだ“意地の張り合い”は森薗に軍配。バック戦に終止符を打った。
12/4 日本ペイントマレッツ 1-3 木下アビエル神奈川
加藤美優/馮天薇 0-2 ◯浜本由惟/杜凱琹
7-11/5-11
打浪優 1-3 ◯袁雪嬌
9-11/11-8/3-11/10-12
◯加藤美優 3-2 杜凱琹
11-3/9-11/11-7/6-11/11-8
田代早紀 2-3 ◯森薗美月
6-11/12-10/11-9/9-11/10-12
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