文:石丸眼鏡
Tリーグ・2019-2020シーズンが8月29日開幕。男子開幕戦では、昨季の王者・木下マイスター東京が岡山リベッツに勝利した。
しかし、張本智和(木下マイスター東京)がいきなり森薗政崇(岡山リベッツ)に敗れるなど開幕戦から波乱の展開。
また女子も昨季シーズン11戦無敗の早田ひな(日本生命レッドエルフ)がすでに4敗を喫するなど、変化を感じる2シーズン目となっている。
他にもTリーグでは、2シーズン目で変わった部分がある。代表的な例がユニフォームだ。
「インパクト」というリーグ全体のデザインコンセプトでユニフォームデザインが一部変更された(2018-2019シーズンに引き続き、提供・デザインは株式会社ドーム)。
>>Tリーグ2019-2020シーズンのユニフォームデザイン決定
昨シーズンのユニフォーム
写真:1stシーズンの石川佳純(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部
上記の写真は、昨シーズンのTリーグの試合の様子である。
木下アビエル神奈川対日本ペイントマレッツの試合で、アビエルのホームゲームだ。この試合では、アビエルは青、マレッツも水色のユニホームを着用しており、同系統の色合いだった。
野球やサッカーのように両チームの選手が入り乱れるようなこともなく、コートを挟んで選手が対峙する卓球では、ユニフォームの色が同系統になることに競技上の問題は全くない。
Tリーグのユニフォーム規定は?
ユニフォームに関するTリーグの規定はどうなっているのだろうか。
Tリーグ規定におけるユニフォームに関する条文を確認すると、以下のように記述されている。
ユニフォーム規定第5条
Tリーグチームは、 1stカラーユニフォーム(主にホームゲームで着用)と2ndカラーユニフォーム(主にアウェーゲームで着用)の2種類を最低限用意することとする。
1stカラーユニフォーム、2ndカラーユニフォームおよび全ての試合用ユニフォームの主たる色には、白色を使用することはできないこととする。
上記のように、試合に着用するユニフォームの色について対戦チームとの色被りに関する規定は存在しない。
その一方で、1stユニフォーム、2ndユニフォームそれぞれを主にホームゲーム、アウェーゲームで着用という規定が存在している。
つまり、試合で着用するユニフォームは原則的にホームかアウェイかによって決定されているものの、「主に」という表現にあるように最終的な判断は各チームに任されていると考えられる。
冒頭の試合では、アビエルはホーム用の青を基調とした1stユニフォーム、マレッツはアウェー用である水色の2ndユニフォームを選択したようだ。アビエルのホームゲームであったことを考えると、妥当な選択だ。
見栄えの話に戻ろう。Tリーグは多くの観客を集めて行われる興行だ。
相手と同系統の色よりは、対照的なカラーリングのユニフォームを着ている方が、より「チーム対チームの団体戦」の雰囲気が出て、応援する側にも身が入るのではないだろうか。
野球やサッカーの試合会場でみられるような、満員の観客席が両チームのチームカラーで真っ二つに分かれている光景は圧巻だ。
選手のユニフォームの色だけではなく、チームカラーのグッズを身につけた両チームのファンが会場を埋め尽くすことができれば、スポーツ興行として最高の空間を作りだすことができるのではないだろうか。
>>Tリーグの誕生で卓球界にも「応援」の文化はできるのか 韓国OPでも選手の力に
Tリーグセカンドシーズンの進化に注目
写真:開幕戦は満員の中試合が行われた/撮影:ラリーズ編集部
Tリーグは2年目のシーズンが始まったばかり。
昨シーズンの開幕当初は、人気選手個人に注目し応援するファンが多かったが、シーズンが進むにつれ、チーム単位でファンがつくようになってきたという声も聞かれるようになってきた。
ほぼ満席となった立川立飛アリーナでの試合で幕を開けた2ndシーズン、ビクトリーマッチまで縺れた白熱の試合に会場は大きく沸いた。会場の熱気を作り出したのは選手や会場の演出は勿論だが、観客の盛り上がりも大きな要素だ。
両チームのファンがチームカラーを身に纏い、会場を埋め尽くす光景が今後もみられるような客入りが続くことを願っている。
選手、チーム、そして観客が一体となってつくる試合会場、Tリーグ2年目の進化に注目だ。