吉村真晴、9年ぶりの水谷越え 2012年全日本決勝以来の悲願 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:吉村真晴/提供:琉球アスティーダ

大会報道 吉村真晴、9年ぶりの水谷越え 2012年全日本決勝以来の悲願

2021.01.30

文:ラリーズ編集部

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 1月29日(金)>
29日、卓球Tリーグ男子で首位を走る琉球アスティーダが、木下マイスター東京にマッチカウント3-1で勝利した。琉球は緊急事態宣言の影響でベンチ入り選手が最小の4名しかいない中で、ホーム3連戦の初戦を白星でスタートした。

特に注目が集まったのは第3マッチ。吉村真晴と水谷隼のキャプテン対決では、吉村がフルゲームの接戦を制し、今季初のホームゲームで200人を超える地元沖縄のファンを沸かせた。

吉村が水谷に勝利するのは2012年1月の全日本選手権の決勝戦以来実に9年ぶり。同大会では当時高校3年生だった吉村が大逆転で初優勝をし、水谷の6連覇を阻んだことで話題を呼んでいた。

木下マイスター東京は、張本智和が安定感のあるプレーで今季3勝目を挙げ、一矢報いた。

スコア詳細と試合後の監督、選手コメントは以下の通り。

張一博監督(琉球アスティーダ)コメント


写真:張一博監督が村松雄斗にアドバイス/提供:琉球アスティーダ

試合を振り返って

メンバー4人しかいないので、この状態で勝てたのは選手だけでなく、ファンの方々の応援が力になったからです。選手たち1人1人もプロ。チームのマッサーが帯同してますので、ケアは大丈夫。連戦は相当体力を消耗すると思うんですけど、気合で乗り越えていかないといけない。

なぜベンチ入りが4人か

緊急事態宣言下ということもあり、来られる選手が4人だった。母体チームの考えを最優先にしなければいけないので、そこは理解している。残り2連戦、ベストを尽くしてやっていきたい。

吉村真晴(琉球アスティーダ)コメント


写真:琉球アスティーダ/提供:琉球アスティーダ

試合を振り返って

今回村松が2番で本来分の悪い大島選手に素晴らしい形で勝った。僕も水谷選手に(2012年の)全日本ぶりの勝利。本当にみんながミラクルを起こしての勝利だったので、ホームマッチの良さが出たかなと。

水谷戦の手応え

普段はアップダウンサーブで崩そうという展開で、サーブが出て攻められることが多かった。今回はサーブをとにかく短くする。YGサーブで安定したサーブから組み立てていく。下回転と上回転を上手く使いながら、相手のレシーブで上手くストップさせなかったり、レシーブミスを誘ったり、冷静に戦うことができました。
自分がサーブで攻められているときや3球目で攻められているときの自分の良さがこの試合で出たかなと思います。サーブよりも3球目、5球目に(意識を持った)。いつもラリーが強くて打ちミスして負けていることが多い。
サービスに意識を置かずに、3球目、5球目でそこからラリーにするという、自分の考えた方を変えたのがまず1つ大きいところと、水谷さんの調子が2、3割くらいだったんじゃないかと。

4人での戦いについて

全員試合に出るという事で準備もしやすい。試合に向けた気持ちの高め方は、いつも以上にまとまって準備できた。寂しいところや苦しいところもプラスに考えてやっていきたい。この試合に出てない、平野選手、戸上選手、有延選手らが、都内からリモートで応援してくれているということで、恥ずかしい試合はできない。離れていてもみんなで試合ができている。

村松雄斗(琉球アスティーダ)コメント


写真:村松雄斗/提供:琉球アスティーダ

4人での試合について

最低人数で、自分が必ず試合に出ると決まっていたので、準備はしやすかった。逃げ道がないという感じで自分が練習してきたことを出せるように努力しました。

大島戦を振り返って

フォアが強くボールが速い選手なので、カットがきかないと思い、攻撃を織り交ぜた。まず1ゲーム、1点ずつとればチャンスが生まれると思って、目の前の1点を取ろうと思った。

0-2からの逆転のポイント

大島さんと過去に練習も何回もして、勝ったことがなかった。同じことしてても厳しいなと思ったので、練習してきたバック表ソフトでの攻撃や、フォアのカーブロングとか違うことをしたら相手のミスが出てチャンスも生まれた。相手のボールが速く、うまく粘れずに1,2ゲーム目を落とした。3ゲーム目以降は粘る時と打つ時のメリハリをつけて、それがいい方向に働きました。

琉球アスティーダ 3-1 木下マイスター東京


写真:張本智和(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE

◯木造勇人/吉村和弘 2-0 水谷隼/田添健汰
11-9/11-9

◯村松雄斗 3-2 大島祐哉
9-11/8-11/11-4/11-6/11-7

◯吉村真晴 3-2 水谷隼
11-10/11-4/6-11/10-11/11-6

吉村和弘 1-3 ◯張本智和
6-11/11-6/9-11/5-11

吉村真晴インタビュー


写真:吉村真晴/撮影:伊藤圭

>>「アスリートとして終わったな」一瞬を今も悔やむ男<吉村真晴・第1話>

>>「当たり前が怖くなった」ナショナルチーム辞退の真相<吉村真晴・第2話>

>>「ベストを厳選する」 吉村真晴、大一番の強さの秘密とは<第3話>

>>「卓球男子って、めちゃくちゃ面白いんすよ」<吉村真晴・第4話>

ダブルスを制すものがTリーグを制す!?『データでみるTリーグ』

ダブルスで勝利するとその試合に勝つ確率は70%以上ってホント?
サーブよりレシーブで点数を稼ぐ選手は存在する?
Tリーグ出場選手の最も多い年代は25〜29歳?

データから読み解く、卓球「Tリーグ」の魅力。日本卓球界に新たに誕生したTリーグ。「いまさら聞けない」Tリーグの基礎知識から、観客動員数、外国人選手の貢献度まで、どこよりもわかりやすく解説します。

>>電子書籍 データでみるTリーグはこちら