写真:篠塚大登(左)、曽根翔ペア(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
大会報道 【Tリーグ】17歳、篠塚大登 嬉しいシングルス初勝利に坂本監督「卓球は我慢の連続、人生と同じ」
2021.02.20
文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 2月19日(金)アリーナ立川立飛>
卓球Tリーグ男子は19日、4位のT.T彩たま(以下、彩たま)が前日にプレーオフ進出を決めた木下マイスター東京(以下、KM東京)をマッチカウント3-1で下した。彩たまは今季初の連勝となった。
彩たま、篠塚が単複2勝 英田が張本の連勝止める
この日のヒーローは17歳の篠塚大登(彩たま)だった。篠塚は第1マッチのダブルス(ペア:曽根翔)で水谷隼、大島祐哉ペアに逆転勝利で今季10勝目を挙げると、第4マッチのシングルスでは今年の全日本選手権王者の及川瑞基を3-1で下し、嬉しいTリーグシングルス初勝利を挙げた。この結果を受け、篠塚のTリーグ選手ランクは「A」から「AA」に昇格した。
>>クールに戦う“冷男”篠塚大登、Tリーグ選手ランク昇格 今季ダブルス10勝の17歳左腕
写真:英田理志(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
また、今季からTリーグに参戦した英田理志(彩たま)が、東京五輪代表で12連勝中だった張本智和(KM東京)を3-0で下し、シングルス8勝目を挙げた。
試合後の両監督、選手のコメントは以下の通り。
坂本竜介監督(T.T彩たま)コメント
写真:英田理志にアドバイスする坂本竜介監督(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部
試合を振り返って
木下戦で難しいと思っていたが、選手には「年齢関係なくプロとしての責任を持ってプレーしよう」と言って、今日の結果に結びついたかなと思います。
英田の張本戦勝利について
前回のビクトリーは1ゲームだったので、あまり比較にならない。初見だと思って、張本も特別カット打ちが好きな選手でもないので、英田ならチャンスがあるのではないかと思い、張本に当てにいった。
英田選手が今季水谷はじめトップ選手に勝てていることについて
英田がTリーグ3rdシーズンで一番成長した選手だと思う。補強と言われるが、英田は補強ではなかった。当初は強くなかった。7月に加入して本人が頑張って、世界的に見ても半年でここまで強くなった選手はいないんじゃないかと思う。補強と言われると本人もかゆいんじゃないか(笑)
篠塚選手のシングルス起用の意図は
開幕でも2点使って、そこからずっと見てきた。(所属する愛工大名電高校監督の)今枝さんのお気遣いのおかげで、篠塚は11月から彩たまでずっと練習してきた。当初から良いものは持っているんだけど、まだまだ経験値不足だった。シングルスで勝つのはまだ遠いと思ったので、練習メニューも全部変えてしっかりやりこんで、ここ3週間くらいで良くなってきた。どこかでシングルスで使いたいなと思っていた。及川という全日本チャンピオンに勝てたのは、積み重ねた練習の賜物。嫌な練習ばかりやらせた。本人「無理です」と言っていたが「嫌なら名古屋帰れ」とか言いながら(笑)。今日の勝利で厳しい練習の大切さを感じたのではないか。
具体的にはどんな練習をしてきたのか
動く練習。今の若い選手はすごいボールを持ってるが、すごいミスもする。卓球は1球でも多く返したほうが勝つ。いいボールを打つより、ミスをしない練習をした。
卓球は我慢の連続。我慢ができないと試合で勝てない。人生と同じ。勝ったこともそうだが、この短期間で成長が見られたことが一番良かったです。
邱建新監督(木下マイスター東京)コメント
写真:邱建新監督(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
試合を振り返って
昨日の試合勝ってプレーオフを決めて、残り3試合のうち2試合勝てばレギュラーシーズン1位で通過できる状況。今日の試合は準備が足りなくて実力が発揮できず残念だった。
張本ー英田戦について
前回ビクトリーマッチでは勝っているので、そんなに難しい相手だとは思っていなかった。相手のカットがとても回転がかかっていた。張本はまだパワーが足りないので打ち抜けなかった。3ゲーム目からは戦術はうまく行っていった。
及川ー篠塚戦について
今日の試合は準備が足りていない。2年前のスペインOPでは4-0で勝っていたので、勝てると過信していた部分もあるのではないか。1ゲーム目取られて慌ててしまって、全てがうまくいかなくなっていた。相手も思い切ったプレーをしてきたので、今日の負けは仕方がない。
英田理志(T.T彩たま)コメント
写真:英田理志(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
試合を振り返って
ダブルスが高校生二人が勝って流れを作ってくれて、いい流れで試合に入れたので感謝しています。
張本戦での勝因
前回ビクトリー(マッチ)で自分が打って相手にいなされて負けたので、今回はカットを多くして相手に打たせていこうと、戦い方を変えていきました。どんな相手でも、挑戦者の気持ちを持ってプレーしています。
戦術と手応え
相手を見ながらコース取りを考えました。自分のカットが効いていたので、自信になりました。
Tリーグ参戦した最初の頃と比べて自分の成長を感じるか
今までに経験したことのないほどレベルの高いリーグでやれてるので、良い経験になっている。(成長は)自分ではあまり実感はない。平常心で試合をできるようにはなってきた。
篠塚大登(T.T彩たま)コメント
写真:篠塚大登(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
試合を振り返って
自分が2本とも勝つことができて、とても嬉しいです。
ダブルスでの勝利について。第2ゲーム目から内容が良くなったように見えたが
一番で自分たちが勝って流れを作ろうと思っていたので良かったです。つなぐときはつなぐ、思い切るときは思い切る、ということを意識して2ゲーム目に臨みました。自分は年下なので、思い切っていこうと。
シングルス初勝利。勝因は?
これまで強い選手とやると競った場面で1本多く返されて負けることが多かった。今日は最後の1球まで思い切るだけだと思って試合ができたので、少しは成長できたのかなと思います。入れてるだけでは絶対勝てないと思ったので、思いきるだけだと思ってやりました。
ヒーローインタビューに立つ際、チームメイトから何か言われたか
感情があまり表に出ないので、もっと喜べと言われてました。
木下マイスター東京 1-3 T.T彩たま
写真:大島祐哉(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE
水谷隼/大島祐哉 1-2 ◯曽根翔/篠塚大登
11-5/8-11/9-11
張本智和 0-3 ◯英田理志
8-11/1-11/10-11
◯大島祐哉 3-0 松平健太
11-7/11-6/11-4
及川瑞基 1-3 ◯篠塚大登
7-11/4-11/11-7/8-11
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