卓球ニュース 王者中国がダブルスでも金メダルを独占!【世界ジュニア卓球選手権:混合複、男女複】
2017.12.05
文:中川正博(ラリーズ編集部)
文:中川正博(ラリーズ編集部)
<11月26日〜12月3日 2017年世界ジュニア卓球選手権 (イタリア / リーヴァ・デル・ガルダ)>
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2017年世界ジュニア卓球選手権ダブルス種目の結果
大会最終日となる12月3日(以下、現地時間)は、混合ダブルス、男女ダブルスの決勝戦が行われた。
決勝戦のカードは、混合ダブルスが薛飛(ITTF世界ランキング79位、11月発表時点、中国)/王曼昱(同10位、中国)と、安宰賢(同ランク外、韓国)/金智淏(同ランク外、韓国)、男子ダブルスが薛飛/王楚欽(同106位、中国)と、安宰賢/白鎬均、女子ダブルスが石洵瑶(同79位、中国)/孫穎莎(同9位、中国)と、銭天一(同92位、中国)/王曼昱となり、それぞれ白熱した試合が繰り広げられた。
結果は、混合ダブルスで薛飛/王曼昱が、男子ダブルスで薛飛/王楚欽が、女子ダブルスで石洵瑶/孫穎莎が、それぞれ優勝し、中国が男女シングルス、団体と合わせて完全制覇をする形となった。
日本選手は男女ダブルスで出場した男女各2組、計4組がベスト4へ入賞。混合ダブルスは、出場した2ペアともがベスト16の段階で、決勝を争ったペアに当たるという組み合わせの不運が悔やまれた。
混合ダブルスは中国の薛飛/王曼昱ペアが順当に優勝
決勝は薛飛/王曼昱(中国)と、安宰賢/金智淏(韓国)の戦いとなった。出だしからチキータや力強い攻撃で3ゲームを中国ペアが連取。韓国ペアも1ゲームを返したが、中国ペアの安定感の前に屈した。薛飛は2015年にも陳可(同61位、中国)と組み、混合ダブルスで優勝しており、通算2個目の世界ジュニア混合複の金メダル獲得を決めた。
日本勢は田中佑汰/長崎美柚のペアと、高見真己/木村光歩のペアの2組が出場したが、ベスト16に入った決勝トーナメント3回戦で、それぞれ薛飛/王曼昱(中国)、安宰賢/金智淏(韓国)と対戦し、ともに0-3負けを喫した。
男子ダブルスは2組ともベスト4入り!優勝は薛飛/王楚欽
中国の薛飛/王楚欽ペアと、韓国の安宰賢/白鎬均ペアの対戦となった決勝は、1ゲーム目こそ韓国ペアが何とかデュースで取得できたものの、そこからは台上で中国ペアが主導権を握り、4ゲームを連取。薛飛/王楚欽ペアが2年ぶり2回目の優勝となった。薛飛は、団体戦、混合ダブルスに続き、男子ダブルスも制し、3冠が確定した。
日本勢は宇田幸矢/田中佑汰のペアと、髙見真己/木造勇人のペアが出場し、ともにベスト4に入賞した。特に宇田/田中ペアは準々決勝のクヌーデ/ドヴォス(ベルギー)で苦しみながらもフルゲーム11-9の激戦を制し、嬉しい銅メダルを獲得した。準決勝でもともにどちらに転んでもおかしくない接戦を展開。日本チームのテクニックの高さを世界に見せつけた。
女子ダブルスでも2組ともベスト4入り!優勝は石洵瑶/孫穎莎
石洵瑶/孫穎莎ペアと、銭天一/王曼昱ペアの同士討ちとなった決勝戦は、互いに一歩も譲らないハイレベルな試合となった。ゲームカウント2-2となった5ゲーム目を12-10で落とすも、積極的なプレーで攻め切った石洵瑶/孫穎莎ペアが6ゲーム目、7ゲーム目を11-9で取得し、優勝を決めた。
特に石洵瑶はここまで団体戦で唯一敗戦してしまった他、シングルスも2回戦で敗戦してしまうなど、本大会で活躍できていなかったため、嬉しいタイトルとなったと思われる。
日本勢は加藤美優/長﨑美柚と、木原美悠/木村光歩のペアが出場し、男子同様に2ペアともにベスト4に入賞した。加藤/長崎ペアは2回戦で台湾ペアにフルゲーム11-9と苦しめられるも何とか準決勝まで勝ち上がり、石洵瑶/孫穎莎ペアにもあと一歩と迫った。一方で木原/木村ペアはすんなりと準決勝進出を果たしたが、準決勝では銭天一/王曼昱に歯が立たずストレート負け。世界のレベルの高さを改めて感じる結果となった。
総括として、本大会の混合・男女すべてのダブルスにおいて、中国勢が金メダルを獲得した。しかしながら、日本勢は、優勝もしくは準優勝のペアにしか負けておらず、中国に次ぐダブルス力の高さを世界にアピールできた。オリンピックではダブルスが団体戦の勝負の鍵を握るため、ダブルスの強化も引き続き行っていく必要がある。
2017年世界ジュニア:ダブルス結果
混合ダブルス優勝:薛飛/王曼昱(中国)、準優勝:安宰賢/金智淏(韓国)、ベスト4:プレテア/ディアコヌ(ルーマニア)、王楚欽/孫穎莎(中国)
男子ダブルス優勝:薛飛/王楚欽(中国)、準優勝:安宰賢/白鎬均(韓国)、ベスト4:宇田幸矢/田中佑汰、髙見真己/木造勇人
女子ダブルス優勝:石洵瑶/孫穎莎(中国)、準優勝:銭天一/王曼昱(中国)、ベスト4:加藤美優/長﨑美柚、木原美悠/木村光歩
2 017年世界ジュニア:ダブルスの主な日本選手の結果
混合ダブルス
決勝トーナメント1回戦
田中佑汰/長崎美柚 3(7,5,3)0 スペルブス/ザハリア(ルーマニア)
高見真己/木村光歩 3(2,4,6)0 イシダ/リマ(ブラジル)
決勝トーナメント2回戦
田中佑汰/長崎美柚 3(4,7,-2,5)1 ドヴォス/ルン(ベルギー)
高見真己/木村光歩 3(-9,6,8,8)1 ムッティ/ロウレンティ(イタリア)
決勝トーナメント3回戦
田中佑汰/長崎美柚 0(-6,-7,-5)3 薛飛/王曼昱(中国)
高見真己/木村光歩 0(-6,-8,-8)3 安宰賢/金智淏(韓国)
男子ダブルス
決勝トーナメント1回戦
宇田幸矢/田中佑汰 3(-3,2,5,9)1 ベンタンコル/サンチ(アルゼンチン)
髙見真己/木造勇人 3(9,3,6)0 フエンテス/トロサ(アルゼンチン)
決勝トーナメント2回戦
宇田幸矢/田中佑汰 3(8,7,-7,8)1 エンゲマン/ヒップラー(ドイツ)
髙見真己/木造勇人 3(6,4,10)0 ムッティ/ロッシ(イタリア)
準々決勝
宇田幸矢/田中佑汰 4(-9,7,-3,6,6,-9,9)3 クヌーデ/ドヴォス(ベルギー)
髙見真己/木造勇人 4(11,6,4,-9,10)1 イヴォニン/シドレンコ(ロシア)
準決勝
宇田幸矢/田中佑汰 2(9,6,-7,-7,-5,-10)4 王楚欽/薛飛(中国)
髙見真己/木造勇人 1(-10,-13,-8,2,-9)4 安宰賢/白鎬均(韓国)
女子ダブルス
決勝トーナメント1回戦
加藤美優/長﨑美柚 3(-8,4,7,10)1 ゴーティエ/モスタファヴィ(フランス)
木原美悠/木村光歩 3(4,1,1)0 マテジョフスカ/スレザコバ(チェコ)
決勝トーナメント2回戦
加藤美優/長﨑美柚 3(7,6,-14,-9,9)2 陳亭婷/蘇珮綾(台湾)
木原美悠/木村光歩 3(7,5,7)0 李幼芃/蔡育勤(台湾)
準々決勝
加藤美優/長﨑美柚 4(5,12,6,3)0 スラゼク/ベングジン(ポーランド)
木原美悠/木村光歩 4(5,6,-8,10,9)1 ディアコヌ/ドラゴマン(ルーマニア)
準決勝
加藤美優/長﨑美柚 2(10,8,-6,-8,-6,-7)4 石洵瑶/孫穎莎(中国)
木原美悠/木村光歩 0(-6,-6,-8,-9)4 銭天一/王曼昱(中国)
試合結果の見方
表記ルール: 選手名A ゲーム数(各ゲームのポイント)ゲーム数 選手名B
各ゲームのポイントの表記例: 選手Aが選手Bと対戦し、1ゲーム目11対6、2ゲーム目11対5、3ゲーム目12対10で選手Aが勝ち、選手Bが負けた場合、
「選手A 3(6,5,10)0 選手B」 または 「選手B 0(-6,-5,-10)3 選手A」 と表記。