樊振東がオフチャロフを圧倒し初優勝【ITTFワールドツアーグランドファイナル】(男子シングルスの結果) | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球ニュース 樊振東がオフチャロフを圧倒し初優勝【ITTFワールドツアーグランドファイナル】(男子シングルスの結果)

2017.12.18

文:中川正博(ラリーズ編集部)

文:中川正博(ラリーズ編集部)
写真:aflo
<12月14日〜17日 ITTFワールドツアーグランドファイナル (アスタナ)>

グランドファイナル・男子シングルスの日本選手の主な結果

今年のグランドファイナルの男子シングルスには、丹羽孝希(ITTF世界ランク8位、12月現在)、松平健太(同15位)、張本智和(同17位)、吉田雅己(同22位)、大島祐哉(同25位)6名が代表として選ばれた。

結果としては、張本智和がベスト8。他選手は初戦敗退となった。

丹羽と張本がともにオフチャロフにフルゲームで敗戦

男子日本選手として最高ランクを背負ってグランドファイナルに臨んだ丹羽孝希は初戦で今勢いに乗るオフチャロフ(同3位、ドイツ)と対戦した。オフチャロフは今年のITTFワールドツアーで最多優勝となっており、中国選手を最も苦しめた選手である。

そのオフチャロフに対して、丹羽孝希は得意のカウンターを武器に接戦を繰り広げた。まず第1ゲームをデュースで奪うことに成功した。そこからオフチャロフもパワーを活かしたプレーを見せ、第2ゲームを取ると、第6ゲームまで交互にゲームを奪い合う形となり、勝負は最終ゲームまでもつれることとなった。最終ゲームの出だしでリードしたかった丹羽孝希だが、オフチャロフの巧みなサービスに苦しみ逆にリードを奪われてしまう。そのまま差を縮めることはできず、5-11で敗れた。

そして張本智和も、このオフチャロフと準々決勝で対戦した。今年のインドオープンでも張本はオフチャロフと対戦しており、その時は0-4で圧倒された。今回の再戦でどこまでやれるようになっているのか、張本の成長が問われた。そうして始まった1ゲーム目は、オフチャロフが7点で先制。インドオープンのようにあっさりやられてしまうのかと思われたが、やはり怪童・張本智和は成長していた。第2ゲームでデュースとなると、10-10の場面で類稀なるスーパーカウンターを見せて咆哮。そのまま第2ゲームを奪った。そこから互いに一歩も譲らぬ展開で交互にゲームを奪い合い、勝負の行方は最終ゲームへともつれ込んだ。勝負の最終ゲームの出だしは互いに譲らず3-3となったが、ここからオフチャロフのスーパープレーや、巧みなサーブに惑わされ、決め球でのミスが重なり4-10とされてしまった。諦めずに7-10まで追いついたものの、最後はフォアの強打をオーバーミス。これで3-4での敗戦となった。

ここ最近のオフチャロフのフルゲームでの強さはもはや恐ろしく、仕上がった体と、豊富な国際大会の経験による多彩な戦術がその原動力だと思われる。張本との対戦後の準決勝でも中国の林高遠に対してフルゲームで勝利した。

惜しくも敗れてしまったが、来月の世界ランク1位が決まったオフチャロフに対してフルゲームまで迫った丹羽孝希と張本智和の両選手は確実に力をつけてきていると考えられる。二人が出場する年明けの全日本選手権も非常に楽しみである。

樊振東がオフチャロフを寄せ付けず初優勝

決勝戦は乗りに乗っているオフチャロフと、樊振東(同2位、中国)の対戦となった。出だしからとてもハイレベルなラリーの応酬となったが、しっかりと足を動かしてフォアで打ち勝った樊振東の得点率が若干高く、樊振東が第1ゲームを7点で取得した。続く第2ゲーム、第3ゲームも同じような展開が続き、樊振東が大手をかけた。後がないオフチャロフも黙ってはおらず、第4ゲームは10-8でオフチャロフがリードした。競るとオフチャロフが強いとわかっているため、樊振東もここで決めたいという思いが強く、YGサービスからの展開で追いつくと大きな声が出た。10-10でも樊振東のフォアへの飛びつきが決まり、11-10とし、迎えたマッチポイントでも効いていたYGサービスでサービスエースをとり、優勝を決めた。

樊振東は、一昨年、去年と連続で決勝敗れており、これが嬉しい初優勝となった。

2017年グランドファイナル:男子シングルス結果

男子シングルス優勝:樊振東(中国)、準優勝:オフチャロフ(ドイツ)、ベスト4:林高遠(中国)、ボル(ドイツ)

2017年グランドファイナル:男子シングルスの主な結果

男子シングルス

1回戦
丹羽孝希 3(10,-6,12,-6,9,-9,-5)4 オフチャロフ(ドイツ)
張本智和 4(9,6,5,13)0 ゲラシメンコ(カザフスタン)
吉田雅己 0(-4,-1,-6,-7)4 林高遠(中国)
松平健太 0(-6,-8,-9,-8)4許昕(中国)
大島祐哉 2(-6,8,3,-10,-8,-6)4 ボル(ドイツ)

準々決勝
張本智和 3(-7,11,-8,12,-8,5,-7)4 オフチャロフ(ドイツ)

準決勝
オフチャロフ(ドイツ) 4(-7,-5,9,8,8,-4,10)3 林高遠(中国)
樊振東(中国) 4(6,4,-8,8,-9,7)2 ボル(ドイツ)

決勝
樊振東(中国) 4(7,9,7,10)0 オフチャロフ(ドイツ)

試合結果の見方

表記ルール: 選手名A ゲーム数(各ゲームのポイント)ゲーム数 選手名B

各ゲームのポイントの表記例: 選手Aが選手Bと対戦し、1ゲーム目11対6、2ゲーム目11対5、3ゲーム目12対10で選手Aが勝ち、選手Bが負けた場合、
「選手A 3(6,5,10)0 選手B」 または 「選手B 0(-6,-5,-10)3 選手A」 と表記。