文:ラリーズ編集部
<2026 ITTF世界卓球選手権ファイナルズ ロンドン大会(団体戦) 日程:4月28日~5月10日 場所:ロンドン(イギリス)>
4月28日から開幕する世界卓球2026ロンドン大会。世界選手権代表は国ごとに選出基準が異なるため、世界ランク上位の選手が必ずしも出場するわけではない。
そこで今回は、五輪金メダリストや世界ランク4位の選手など、世界卓球2026に出場しない選手を7人紹介する。
※世界ランキングは4/25時点のもの
陳熠(中国・世界ランキング6位)
写真:陳熠(チェンイー・中国)/提供:WTT
身長180cmの恵まれた体格を生かしたラリー戦を得意とする、21歳の中国の新鋭。2025年のUSスマッシュではノーシードから孫穎莎(スンイーシャ・中国)、早田ひな(日本生命)、蒯曼(クアイマン・中国)といった強豪を次々と撃破し、準優勝。一躍世界ランキングトップ10入りを果たすなど、国際舞台で急成長を遂げた。
世界卓球2026の代表入りも期待されていたが、重要な国内選考会で敗れため、代表入りは実現しなかった。
伊藤美誠(日本・世界ランキング13位)
写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:WTT
2015年のデュッセルドルフ大会で初出場を果たして以降、10大会連続で出場を続けていた伊藤美誠(スターツ)。昨年のワールドカップと世界選手権で銅メダルを獲得するなど、大舞台での抜きんでた勝負強さを見せていたが、今大会の日本代表には選出されなかった。
昨年のアジア選手権に出場していなかった伊藤は、今大会の日本代表選考基準では強化本部推薦枠のみで選出可能性があった。しかし、最終的に強化本部推薦枠には橋本帆乃香(デンソー)、早田ひな(日本生命)、長﨑美柚(木下アビエル神奈川)が選ばれた。
2021年の東京五輪で日本人初の五輪金メダルを獲得し、現役選手ながら「レジェンド」とも言われている伊藤。そんな伊藤の選外は、日本の卓球ファンに大きな衝撃を与えた。
石洵瑶(中国・世界ランキング14位)
写真:石洵瑶(シシュンヤオ・中国)/提供:WTT
2016年の世界ジュニア選手権で金メダルを獲得し、早くからその才能を嘱望されてきた中国の次世代エース候補。
直近1年では国際舞台での存在感を一層強めており、2025年のWTTコンテンダーマスカットで優勝を果たすと、今年1月の同大会でも連覇を達成。世界ランキングは最高11位まで上昇し、層の厚い中国女子のなかでも着実にステップアップを続けてきた。
しかし、中国代表選出の壁は依然として高く、今大会の代表枠を巡る国内選考会でも敗退。孫穎莎や王曼昱(ワンマンユ)ら常連選手に加え、急成長を見せる若手の蒯曼らの後塵を拝する形となった。
大藤沙月(日本・世界ランキング12位)
写真:大藤沙月(ミキハウス)/提供:WTT
パワフルな両ハンド攻撃と、強烈な横回転サービスを武器に、直近1、2年で一気に世界の階段を駆け上がった大藤沙月(ミキハウス)。今年2月のWTTスターコンテンダーチェンナイでも優勝を果たしており、その勢いは衰えることを知らない。
しかし、今大会の代表選考においては、世界ランキング最上位枠、全日本選手権優勝者枠、国内選考会優勝者枠での選出を逃し、最後の望みとなった強化本部推薦枠も橋本、早田、長﨑が選出された。
3月のWTTチャンピオンズ重慶では王曼昱に勝利するなど中国選手に対しても好成績を残していただけに、今大会の選外を嘆く声は少なくない。
朱芊曦(韓国・世界ランキング17位)
写真:朱芊曦(チュチョンヒ・韓国)/提供:WTT
韓国選手として申裕斌(シンユビン)に次ぐ世界ランキングに位置している朱芊曦(チュチョンヒ・韓国)。国際舞台でもその安定感は際立っており、2025年のWTTスターコンテンダーマスカット2位、WTTチャンピオンズモンペリエベスト4など、世界ランキングでは15位前後の順位を維持し続けている。
しかし、今大会の韓国代表入りは叶わなかった。なぜなら、中国からの帰化選手である朱芊曦は、ITTFの帰化規定(世界選手権・五輪には帰化後一定期間が経過しないと出場できない)により出場が制限されているからだ。ゆえに、これまでも韓国代表に入れる実力を示しながらも、朱芊曦は韓国代表入りを果たせていなかった。
今年9月に開催される名古屋・愛知アジア競技大会からは帰化規定をクリアできる見込みで、朱芊曦は待望の韓国代表入りが期待される。しかし、今大会には間に合わず、他選手に代表の座を譲る形となった。
温瑞博(中国・世界ランキング11位)
写真:温瑞博(ウェンルイボー・中国)/提供:WTT
2007年生まれ、19歳の中国の新星・温瑞博(ウェンルイボー)。ジュニア時代からその非凡な才能を現していたが、シニアの国際舞台でもその勢いは止まらない。
今年1月のWTTコンテンダーマスカットで、パトリック・フランチスカ(ドイツ)との激闘を制してWTT初優勝を飾ると、3月のWTTチャンピオンズ重慶では準優勝。そして、4月のWTTコンテンダー太原では吉村真晴(SCOグループ)を下して優勝を飾り、世界ランキングもキャリアハイの11位へとジャンプアップを果たした。
鋭いバックハンドと、若手らしからぬ勝負所での冷静さを武器に、一気に中国男子の主力候補へと名乗りを上げた温瑞博。だが、今回の世界卓球2026では、国内選考会で敗れたため代表入りは実現しなかった。
世界ランキング11位という、他国であればエース級の立ち位置にありながら選手層が厚い中国においては、わずか5つの代表枠はあまりに狭き門であった。
朱雨玲(マカオ・世界ランキング4位)
写真:朱雨玲(ジュユリン・マカオ)/提供:WTT
かつて中国代表として世界ランキング1位に君臨し、2017年のワールドカップ女王にも輝いた朱雨玲(ジュユリン・マカオ)。
2021年に病気療養のため第一線を退き、一時は競技復帰すら危ぶまれたが、2024年にマカオへの移籍と現役復帰を電撃発表。そこからわずか1年余りで並み居る現役トップランカーを一気に抜き去り、世界ランキング4位まで上り詰めた。だが、今回の世界卓球2026には、朱芊曦と同様、ITTFの帰化規定により代表枠には入らなかった。
現役の世界ランキング4位を世界選手権で見られないことは、卓球ファンからすれば残念ではある。しかし、一度は現役を引退し「もう2度とプレーする姿を見られない」と思われていた朱雨玲が、30歳を超えた今も世界のトップで戦っている。その事実そのものが、何より素晴らしいことなのだ。






