大会報道 日本女子の決勝T初戦はウクライナに。熾烈な女子決勝トーナメント1回戦の全結果【世界卓球2018】
2018.05.03
文:ラリーズ編集部
<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>
世界卓球2018 女子 決勝トーナメント1回戦の結果
世界卓球2018、大会4日目となる5月2日は女子の決勝トーナメント1回戦が行われた。日本女子は予選リーグを1位で通過したため1回戦はなく、続く準々決勝からの登場となる。
第1試合:香港 3-1 台湾
アジア同士の対戦となった台湾と香港の1戦、大事な1番を任された台湾のエース、鄭怡静が先に2ゲームを失う展開となる。しかしそこから何とかリズムを取り戻した鄭怡静が逆転で勝利し、台湾に流れを呼び込むことに成功した。続く台湾の劉昱昕は、香港の格上選手である杜凱栞に対して積極的な攻撃を仕掛けたが、うまくしのがれてしまい敗戦。勝負は1-1で3番へと回ったが、3番も香港に軍配。香港が準々決勝進出に王手をかけた。続く4番は前半戦で互いに勝ち星をあげた台湾・鄭怡静と、香港・杜凱栞の注目の一戦。結果は序盤から積極的なバックハンド攻撃を仕掛けた杜凱栞のストレート勝ち。香港に準々決勝進出をもたらした。
勝利した香港は、次の準々決勝ではルーマニアと対戦する予定。ルーマニアは予選リーグで台湾に3-0で勝利している勢いのあるチームであるため、白熱の一戦となることが期待される。
第2試合:ウクライナ 3-2 シンガポール
シンガポールの1番を任されたのはエースであるフォン・ティエンウェイ。予選リーグで中国から唯一1点を奪った注目選手である。そのフォン・ティエンウェイが1番でウクライナのカットマン、ビレンコを圧倒。続いてシンガポールのユ・モンユもカットマンのガポノワと対戦したが、変化を見切れず敗戦。1-1で3番へと回り、ウクライナの勢いが止まらないまま3番もウクライナが取得。シンガポールは後がなくなったが、4番はフォン・ティエンウェイの巧みなカット打ちでガポノワを攻略した。そして勝負はラストへ。カット打ちに不安が残るユ・モンユとビレンコの試合となったが、ビレンコがストレート勝ちでウクライナの準々決勝進出を決めた。今大会で唯一、中国に傷をつけたフォン・ティエンウェイを擁するシンガポールがここで消えることとなった。
この試合を制したウクライナは、準々決勝で日本と対戦することになる。日本とウクライナは予選リーグの初戦でも対戦をしており、その際は日本が3-0で勝利をしているが、強敵シンガポールを破っている相手に対して油断は禁物だ。
第3試合:オーストリア 3-2 ドイツ
ヨーロッパ同士の対戦となったこのカード。1番の試合からパワーのある選手同士のぶつかり合いとなったが、オーストリアのポルカノバがドイツのウィンターをフルゲームで振り切り、先制。しかし、ここからドイツの流れになる。ドイツのソルヤがリュウ・ジャとのサウスポー対決を制し1-1のイーブンに持ち込むと、ドイツのミッテルハムも3番でフルゲームの勝利をあげ、準々決勝進出まであと1本とした。そして迎えるのはポルカノバとソルヤの一戦。ソルヤがゲームカウント2-0とリードしていたが逆転負けを喫し、勝負はラストのリュウ・ジャ対ウィンターへと託された。結果はリュウ・ジャがフルゲームの末に勝利。オーストリアが5試合中4試合がフルゲームという大接戦を制し、準々決勝進出の切符をつかんだ。
勝者のオーストリアは、準々決勝で中国に挑むことになる。
第4試合:北朝鮮 3-0 ロシア
北朝鮮の1番には、幾度となく日本代表を苦しめたカットマンのキム・ソンイが登場。危なげなくキム・ソンイがストレートで勝利し2番に繋ぐと、2番も北朝鮮キム・ナンハエが相手エースのミハイロワを圧倒。あっという間に準々決勝進出に王手をかけた。続く3番でも北朝鮮の勢いは止まらずチャ・ヒョシムが快勝。オールストレートで北朝鮮の準々決勝進出が確定した。今大会の北朝鮮には、カットマンのキム・ソンイ、右攻撃のキム・ナンハエ、左攻撃のチャ・ヒョシムと異なる戦型の選手が揃っていることが特徴的だ。
勝った北朝鮮の次の対戦相手は韓国。日本がウクライナに勝った場合、北朝鮮と韓国の勝者と決勝進出をかけて争うことになるため、こちらも注目の一戦となるだろう。
写真:ロイター/アフロ*写真はシンガポールのエース、フォンテンウェイ。2010年の世界卓球で中国を破り、優勝したメンバーの一人だが、今回は決勝トーナメント1回戦で姿を消した。