石川がピンチ乗り越えコリアに劇的勝利 決勝進出を決める【世界卓球2018・日本女子】


<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>

世界卓球2018 日本女子 準決勝の結果

大会6日目、日本時間18時から行われた女子団体準決勝。

前日の準々決勝で韓国と北朝鮮が合同チームを作るというサプライズがあり、対戦相手は「南北合同コリア」となった。

南北合同コリアは、1991年にも一度設立されており、世界卓球千葉大会で中国を破り優勝した(2012年に「ハナ 〜奇跡の46日間〜」という映画にもなっている)ことがある怖いチーム。南北合同コリアに日本が挑む歴史的な一戦、そのドラマを振り返る。

第1試合:伊藤美誠 3-0 チョンジヒ(韓国)

1番に起用されたのは伊藤美誠(スターツSC・4月度世界ランキング7位)。対戦相手のチョン・ジヒ(韓国・同35位)は中国からの帰化選手で今回が韓国代表として世界卓球初出場となる。

伊藤は序盤からバックハンドの速攻でチョンジヒからリードを奪い、1ゲーム目を11-2で先取した。迎えた2ゲーム目はチョンジヒに0-4と一気にリードされるも、チキータ(バックハンドでサイドスピンをかけるレシーブ)やバックハンドドライブで丁寧にチャンスメイクし、強打で決めるプレーでゲームを連取。

勝負の3ゲーム目。伊藤が流れを掴んだワンプレーがあった。5-5の拮抗している場面で伊藤はバックに来たロングサーブを素早くフォアで回り込みチョンジヒのフォアサイドへ思い切り撃ち抜いた。このプレーから一気に流れを掴んだ伊藤が11-8でこのゲームを取り、貴重な先制点をあげた。

伊藤は試合直後のITTF(国際卓球連盟)のインタビューに勝因を聞かれ「ミスを少なくし、リスクを追わないプレーを心がけた」と答えた。

第2試合:石川佳純 3-2 キム ソンイ(北朝鮮)

今大会1ゲームも落としていない石川佳純(全農・同3位)だが、対戦相手のキム ソンイ(北朝鮮・同49位)には過去に苦い思いをさせられている。2016年リオ五輪のシングルス1回戦。石川が2ゲームを先取した後、カットで粘るキムソンイに主導権を握られフルゲームの末に敗れた。今年2月のチームワールドカップ準決勝では石川がストレート勝ちでリベンジし、通算成績は1勝1敗だが油断は全くできない。

試合序盤から、石川はキムソンイのバック側にロングサーブを出してからの速攻プレーを多用し長いラリーをさせない展開でリードを広げる。その後はキムソンイのバック側を徹底して突く戦術を貫き、完璧な形で1ゲーム目を取った。

2ゲーム目、キムソンイが徐々に石川のボールに慣れ、カットが石川が強打できないコート深くに入ってくる。加えて前陣でのブロックやフォアドライブなど、カット以外の攻撃的なプレーも織り混ぜるトリッキーなプレーに対応できず6-11で落とす。

3ゲーム目の石川は1ゲームに効いていた戦術を徹底した。相手のバックへロングサーブを出して返ってきたボールを攻撃する。カットに対してはつなぎのフォアドライブで粘りながらも時折浅いドライブを混ぜて相手を前後に揺さぶる。チャンスボールだけを全力で鋭いコースに叩き込み11-8でこのゲームを奪った。

4ゲーム目に入ると石川のつなぎのフォアドライブに対し、キムソンイが鋭い攻撃で狙ってくるようになり、6-10まで離される。石川も意地を見せて5本連取で11-10とするも、そこから再びキムソンイのペースとなり11-13と逆転される。

迎えた最終ゲームは、互いに譲らず10-10のデュースとなると石川優位で進んだラリーでなんとキムソンイのボールがエッジに当たる。その後も13-12と石川がマッチポイントを握るが、キムソンイの攻撃がネットとエッジに当たる。不運が続き集中力が切れそうなこの場面で、キャプテンの石川は強い精神力を見せた。

決して諦めることなく15-14と再びマッチポイントを握ると、キムソンイのネットインしたカットにも対応し、最後は強打を叩き込み、ゲームオール16-14で勝負を決めた。

第3試合:平野美宇 3-1 ヤン ハウン(韓国)

3番の平野美宇(日本生命・同6位)は2015年の世界選手権ミックスダブルス金メダリストのヤンハウン(韓国・同27位)と対戦。ヤンハウンは平野の圧倒的な早さを誇るプレースタイルに為す術がなく、防戦一方。勢いに乗った平野が1、2ゲームを連取する。

平野は3ゲーム目も攻撃の手を緩めず、点数を3-0とリードしたところで南北合同コリアがタイムアウトを取る。そこから流れが変わり、ヤンハウンは回転量の多い、ゆっくりしたバックハンドドライブで平野のミスを誘い、このゲームを制した。

第4ゲームは平野も戦術転換をし、積極的にストレート攻撃を使うことで相手を圧倒。最後はヤンハウンが回り込んで打って来たフォアドライブを完璧なブロックでストレートに返し、試合を決めた。これで日本女子の銀メダル以上が確定し、決勝で中国と対戦する。

急遽合同コリアチームが結成されたことで、ベンチ入りメンバーが増えるなど、異様な雰囲気の中で行われたこの準決勝。2番の石川佳純が度重なる相手のネットやエッジに耐え抜いて取ったポイントが日本に勝利をもたらした。今大会予選ブロックからの7試合を全て3−0のストレート勝ちで決勝まで勝ち上がった日本女子。47年ぶりの金メダルに期待がかかる。

世界卓球2018女子団体準決勝結果詳細

日本 3-0 南北合同コリア

伊藤美誠 3-0 チョンジヒ
11-2/11-8/11-8

石川 3-2 キム ソンイ
11-4/6-11/11-8/11-13/16-14

平野 3-1 ヤン ハウン
11-4/11-5/9-11/11-6

文:ラリーズ編集部
写真:AP/アフロ

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