卓球をやる目的はひとそれぞれ異なる。
「本気で強くなりたい」という選手もいれば、「楽しく卓球をやりたい」という選手もいる。
そのため、チームとして共通の目標を持つということは、意外と難しいことだと言える。
富山県で創設30年以上の歴史を持つクラブ「UOZU.JTC」は、「強くなること」を第一としながらも、卓球を通した「自己実現」も目指している。
そこには、どのような想いがあるのだろうか。
二人監督体制でチームを率いる黒崎正監督と山林慎弥監督に話を伺った。
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チーム創設30年以上の歴史 五輪代表候補選手も輩出
私は小学校5年生で卓球をはじめ、当時所属していたのもその前身のチームだったんです。
私が小学生の頃はかなり力を入れていて、中国からコーチを招聘して、教えてもらっていました。
当時はレベルが高くて、宮坂昌利君(※)といった全国で活躍する選手もいるチームでした。
※宮坂昌利:東山高等学校→筑波大学。シドニーオリンピック日本代表候補選手の1人。現在は魚津市市議会議員を務める。
ですが、彼も今は市議会議員になられたので、私と山林監督の2人体制に変えました。
写真:UOZU.JTCの黒崎監督(写真左)と山林監督/提供:UOZU.JTC
デザインがほかのチームのユニフォームよりも目立つため実際試合でもどこで試合をしているのか一目でわかるため、このユニフォームにしてよかったと思っております。
写真:Rallys×Pandaniユニフォーム(R.Abe Edition・ミントグリーン)を揃えてくれました/提供:UOZU.JTC
「全中出場」への熱い想い
写真:UOZU.JTCの練習風景/提供:UOZU.JTC
もちろん、単に好きなだけではダメなので、礼儀や挨拶、練習に取り組む姿勢はしっかりと指導しています。
チームとして掲げている具体的な目標はありますか?
その中でも、個人的には全中(全国中学校卓球大会)出場を最大の目標に考えています。
県大会で1番になったら出られるわけではなく、県大会を抜けた後に各地方のブロック大会を勝たないといけません。
つまり、富山県で勝てても北信越大会の初戦で負ければ、そこで敗退となります。
特に北信越は新潟や石川に強いクラブチームが多いので、魚津市からはもちろん、富山から全中に出ることは難しいです。
ただ、富山全体のレベルを上げるためにも、UOZU.JTCから全中に出場させたいと思っています。
そのため、UOZU.JTCになってから入ってきてくれた子たちも勝てるようにしてあげたいとは思っています。
毎日練習のできる理想的な環境
「この大会で優勝する」って目標を立てて優勝できたときはやっぱり嬉しいですね。
あとは、その選手がいかに満足できるか、自己実現できるかという部分は考えています。
極端な話、卓球をやっている人全員がオリンピックに出たり、プロになれたり、実業団に入れたりするわけではないです。
しかし、卓球を通じていろいろな仲間と出会えたり、嬉しいこと楽しいことを経験できたり、そういう瞬間はかけがえのないものになると思っています。
UOZU.JTCは毎日練習をやっているので好きなだけ卓球ができて、僕らも指導してあげられるので、環境は充実していると思います。
練習環境はすごく重要で「指導者が毎日は来られないから、毎日は練習できない」というチームも多いと思うんです。
でも、UOZU.JTCは練習に来たければ毎日来ることができますし、「強くなりたい」と言っている子には、強くなるための練習を組んでしっかりと指導します。
写真:UOZU.JTCの練習風景/提供:UOZU.JTC
私は、週2、3回は来るのですが、山林さんは毎日来てくれるので大いに助かっています。山林さんは卓球が好きすぎるので(笑)。
練習場所自体は、大きい体育館を使ったり、小学校のコミュニティーセンターを使ったりと変わるのですが、とにかく毎日練習できる環境は整えています。
とはいえ、強くなるためにはしっかりと休みを取ることも重要なので、練習時間は平日は2時間、土日でも3時間だけでやっています。
そういうときは「完璧じゃなくてもいい」と、自分の中で言い聞かせてやっているので、毎日続けられているのかなとは思います。
写真:UOZU.JTCの練習風景/提供:UOZU.JTC
そのときに、僕と同年代のUOZU.JTCの選手たちのプレーを見て、「強いな」「俺もこういう風に強くなりたいな」と感じていて、UOZU.JTCの選手は当時の僕の目標でした。
そういう風に周りから憧れられる、目標にされる選手を育てたいという思いがあるので、今も指導を続けられているのだと思います。
クラブ外の選手も練習に参加できる
例えば、5年間指導している選手と、1週間前に入ってきた選手だと、関係性も全然違います。そのため、そこの伝え方は工夫していますね。
例えば、ラリー戦で負けたときは、「ドライブを打った後の戻りが遅いから、次の動作も遅れてしまうんだよ」と伝えてあげると、「そうか、なるほど!」と選手たちも理解してくれていると感じています。
僕が子どもの頃は「それはお前が弱いからだ!」と怒られるだけでしたが、それだと選手は成長できないですよね(笑)。
では、UOZU.JTCには、どういう選手が向いていると思いますか?
そういうやる気のある子はもちろんですが、他のクラブチームや学校の部活に所属していて「毎日練習したいけどできない」という子も来てほしいですね。
今ちょうど、学校の練習じゃ物足りないという子たちに向けて「外部選手登録」という仕組みも作って、広く選手を受け入れるようにしています。
1回100円~200円程度で参加できるようにしていて、今は10人ぐらい外部の選手が来てくれています。
幼い頃から卓球をやっていたほうが強くなれる可能性は高くて、例えば中学校1年生の未経験者を1年後に県チャンピオンにするとなると、相当練習を頑張らないといけない。
最初は週1回でもいいので、早めに始めて徐々に練習回数を増やしていって、強くしていくのがいいのかなと思っています。
クラブを通じて富山県全体の卓球振興も
あとは、中学や高校を卒業したら県外の学校を目指す子もいると思います。県外の学校に入ったときに、「UOZU JTCで卓球できてよかったな」と思ってもらえるといいなとは思います。
あとは、UOZU.JTCは母体が魚津市の卓球協会ということもあるので、公的な団体として果たすべき役割もあると思っています。
例えば、魚津市の卓球振興や魚津市を含む新川地区の卓球振興、ひいては富山県内の卓球振興にも関わっていきたいです。
他のチームをたくさん呼んで練習会をやるなど、僕らだけじゃなくて、富山県全体の卓球のレベルを上げていきたいです。
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