1回戦で中国選手に敗れた伊藤美誠「イエローカードには『え?』ってなりました」<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 1回戦で中国選手に敗れた伊藤美誠「イエローカードには『え?』ってなりました」<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026>

2026.08.07

文:ラリーズ編集部

<2026WTTチャンピオンズ横浜 日時:8月4日〜9日 場所:横浜BUNTAI(神奈川県)>

5日、WTTチャンピオンズ横浜は2日目を迎え、女子シングルス1回戦では伊藤美誠(スターツ)が王藝迪(ワンイーディ・中国)と対戦した。

第1ゲームは伊藤のひらめきに満ちたプレーが功を奏して先制するも、王藝迪が徐々に対応。サービスで伊藤を苦しめ、ゲームカウント3-1で勝利した。伊藤は初戦敗退となった。

試合後、伊藤が報道陣の囲み取材に答えた。

伊藤美誠(スターツ) コメント

── 試合お疲れ様でした。試合を振り返ってみていかがですか?

伊藤:第1ゲームは自分の中でもとても良かったと思いますし、いいラリーの後の流れで取ることができました。ただ、第2ゲーム以降は相手選手も工夫してきましたし、第2ゲームは自分らしさを出せませんでした。

第3ゲームを取り切れなかったところが負けたポイントだったかなと思いますけど、第3ゲームはとても自分らしさを出せたゲームでしたので、こういう形でやっていけば少しはチャンスがあるなと思えたゲームでした。

── 第1ゲームではカットのようなレシーブをしたり、伊藤選手らしい変化に富んだプレーが多かったと思いましたが?

伊藤:前回のシンガポールスマッシュでもできてはいたんですけど、そのときはもう少しミスが多くて。今回は相手の打ちミスを誘えましたし、カット性のボールから入る展開は、100%近く取れていたんじゃないかなと思っています。

「相手に打たせる展開でもいいんじゃないか」というのは、(去年の)世界卓球の時からずっと思っていました。ただ、強い上回転(サービス)を出されるとカットが難しいので、調整や判断は必要だなと思いました。

1本入れば、めちゃくちゃ切れているので(相手の)打ちミスを誘えるんですけど、相手のサービスによって(レシーブを)変えていたわけではないので、結構自分でもリスクはあったんですよ。

粒高ラバーではないので前陣ではなかなか切れないぶん、色々な打点でカット性のボールを出せるようになることは、もっと必要だなと思いました。

── 昨年の世界卓球では勝利した王藝迪選手が相手でした。どの辺りに王藝迪の強さが出ていましたか?

伊藤:(第3ゲーム)9-10での相手のサービスです。(昨年の)世界卓球の時よりもサービスの幅が広がったように感じます。

今大会の半年前にも戦っていて、そのときも第1ゲームを自分が取っての(ゲームカウント)1-3負けだったんですけど、自分のスタートが良くなってきていて、第1ゲームを取る機会も増えてきました。ただ、やっぱり中国選手は第1ゲームは様子見で、第2ゲーム以降に本調子を出してくる選手がほとんどなので、(ゲームカウント)2-0でいければ大きなチャンスになるだろうと。

(ゲームカウント)1-0では、まだ相手がリードしているのと同じくらいですし、第2ゲームを相手に簡単に取らせてしまうと余裕が出てきてしまうので。前回も思ったんですけど、第1ゲームを取った後の第2ゲームの入り方を工夫したり、競った展開に持ち込めたら、相手にもっともっとダメージを与えられたんじゃないかなとは思いますね。


写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部

── 伊藤選手の持ち味の、変化をつけてスマッシュでの強打といったプレーもあったと思いますが、その辺りはいかがでしたか?

伊藤:良かったところは良かったと思いますし、1点を盛り返すところでミスをしてしまう場面もありました。自分の良さは全部のボールが入ることではなく、何が起こるか分からないことなので、相手は「え?」となることが多いと思うんです。

そうなったときにチャンスは逃したくないですし、そこで流れが変わったりもするので。(今日の試合では)ちょっともったいないところはあったんですけど、自分の良さは今日は出ていたと思います。

卓球は結局、相手との駆け引きなので。「この変化はいいな」と自分は思っても、相手目線では今日は効くけど次は効かないということもあるので、そこが卓球の面白い部分であり、難しい部分でもあるなと。変化もスマッシュも、今日は良かったと思います。

── 初戦から中国選手との対戦になりました。この初戦敗退という結果自体は、今どのように受け止めていますか?

伊藤:結局WTTチャンピオンズは組み合わせで決まるので、自分の中ではWTTチャンピオンズは1回戦で勝つのが奇跡だと思っています。

グランドスマッシュとチャンピオンズでは組み合わせのやり方が全然違って、自分的にはグランドスマッシュの方が公平だなと思っていて。でも、チャンピオンズは本当に誰と当たるか分からないですし、結局どこに入ってもめちゃくちゃ強い人と当たるので、どの選手と当たっても決勝戦みたいなものだなと思ってやっています。

今回も王藝迪選手と当たると決まったときに、「中国の4選手の中で王藝迪選手に当たるのは、自分っぽいな」という感じで、どちらかというと諦め半分くらいの気持ちでやる方が思い切ってできるなと思っていました。

特に初戦なので感覚の部分もありますし、そのくらいの気持ちでやったほうがいいんじゃないかと思ってプレーして、結果的に結構良かったと思います。

初戦にしてはいい試合ができたとは思うんですけど、王藝迪選手も初戦ですし、第1ゲームはおそらく本調子ではなかったと思うので。そういう部分では、(相手が)本調子を出す前に自分が第2ゲームを取りたかったという気持ちですね。

── 何か収穫になった部分はありますか?

伊藤:前回とちょっと似ているんですけど、王藝迪選手は最後のサービスだけ工夫してきた部分もあって。自分がやれる範囲も増えましたけど、王藝迪選手の「そうさせない範囲」も増えていて、やっぱり卓球は駆け引きだなとすごく思いました。

どちらかというと、私は相手どうこうよりも自分がどうかなので。自分が良いときは良いという感じで。調子の波は他の選手は少ないと思うんですけど、私は多い方で。

相手が本調子ではないなと感じたら「このまま取っちゃえ」と思うときもありますけど、そういった展開は大人になって少し減った感じはします。子どもの頃みたいに、急激にバーンといくような展開は少なくなってきてはいるんですけど、そういう思い切りの良さは欲しいと思っているので、試合で出せるように頑張っています。

── 第3ゲームで審判から(両者に)イエローカードが出ていましたが?

伊藤:(観客席からの)応援の声があったので、2人でその応援のタイミングを待っていたら(イエローカードを)出されたので。自分もサービスを出すために台の近くにいたので、(何でイエローカードを出されたのかは)ちょっとわからないです。

よくわからない理由でイエローカードを出される時もあって。自分の中では「え、自分?」と思ったんですけど、お互いにちょっと厳しく判定されましたね。開始時間も遅れてるし、最終試合だったからなかなとは思うんですけど。

ただ、大事な場面でたしし、休憩していたわけではなかったので、(状況は)考えてほしいですし、逆にそういうときにどうすればいいんだろうと自分でも思います。


写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部

── 大人になってプレーが変わってきているというお話もありましたが、卓球への考え方や戦術の組み立て方などを、自分の中で噛み砕いてやるようになったということでしょうか?

伊藤:逆に子どもの頃はあまり(複雑なことは)考えていなくて。そのときのボール、そのときのタイミングでパッとひらめいたことをやっていたんですけど、今は「自分にはこういうサービスを出してくるよな」「こういう場面でこういうことをやってくるよな」というのも(経験で)分かっているので、戦術を決めてプレーすることは多いです。

昔はわからない状態でやってたので、(ボールが)来たところにパッと動く、色々やる、みたいな感じだったんですけど、今は(何をされるかが)分かってるうえでの戦いになるので、少し自分の卓球(の良さ)が欠けていくときがあったんですね。

そこのバランスを意識するようになってから、ちょっとずつまた面白みが増えたり、試合中にひらめいたりするようになったので、「子どもの頃の考えもすごい大切だな」と思えるようになりました。

意識してやるのはなかなか難しいんですけど、「どうやったら近づくんだろう?」と考えながら続けていたら、ちょっとずつ近づいてきた形なので、自分にとっていいことだと思います。

── そういった変化も、ここ数年で思うようになってきたということですか?

伊藤:東京五輪後ぐらいからですかね。東京五輪のときは年齢的にちょうどいいバランスで、考えすぎず、でも考えてないことはないという感じで。

大人になると、気になることが増えたり、考えられる幅が広がったりして、何でも頭に入ってきちゃうんです。そうなると、自分のストレスになるので、卓球でも私生活でも「どうでもいい」ぐらいに思えるようになるのは、すごい大事だなと思っています。

── 長く現役を続けるうえで、同世代の選手の存在の感じ方は変わっていますか?

伊藤:美宇ちゃんとは4歳ぐらいから一緒にダブルスを組んだり、同じ合宿に行ったりしていたので、平野選手と最近久々に練習したり話したりしたんですけど、やっぱり話が噛み合うというか。会場で話すことは少ないんですけど、今回も練習のやり方だったりを練習時間にみんなで喋っていました。

そういう存在がいてくれるおかげで、自分も頑張れるなと思っています。美宇ちゃんも「美誠と練習したら、盛り上がるというか、気持ちが入る」って言ってくれて。それは私も本当にそうで、「美宇ちゃんと練習するから、ちょっと練習もやっておこう」みたいな気持ちになれるので、すごくプラスになっている存在だなと思いました。


写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部

── 伊藤選手、かつては横浜で生活もされていたと伺ってますが、横浜の地でのプレーというのはいかがでしたか?

伊藤:私が2歳ぐらいの頃に、お母さんが教えてた生徒さんが(今大会)見に来てくれたらしくて、ちょっとお会いはできなかったんですけど、懐かしい方が見に来てくれてとても嬉しいなと思いますし、去年よりもお客さんとの距離が近くなったなと。

最終試合というのもあったんですけど、皆さんも駆け寄ってきてくれて、皆さんとお話ししたり、写真撮ったりとかできたので、とても良かったと思います。

── 試合後のファンサービスもすごく丁寧に対応されていた印象ですが?

伊藤:最終試合でないとこれだけできないので、勝利できなくてあまり良い締めくくりじゃなかったかもしれないですけど、皆さんにとって今日という1日が良い思い出になれたらと思います。

長く卓球やってる間に日本で試合できることが少ないので、行った先々でこういう触れ合いというか、話し合いとかできたら記念になるなと思うので、すごく良い思い出になります。

── 伊藤選手のプレーを楽しみにしていた皆さんの前でプレーして、今後も国際大会の戦いは続いていくと思いますが、今後への気持ちや向かい方について教えてください。

伊藤:日本での試合は応援の力が本当にあって、とても楽しく試合ができたなと思いますし、もっともっと実感したかった気持ちがあります。

一瞬だったので、もっとたくさん試合したかった気持ちはありますけど、アジア競技大会の名古屋で活かせるように頑張りたいです。

── 来月また名古屋でアジア大会あって、日本のお客さん、子供たちの前にやる機会がありますけども、また次はこの日本のお客さんの前でどんな姿を見せたいですか?

伊藤:もっと盛り上がると思いますし、卓球をあまり見たことない方でも絶対に見に来てくれるんじゃないかなと思います。

卓球ってすごいな、面白いなと思ってもらえるように、自分たちがいいプレーできたらいいなと思いますし、どんな方たちが来てくれるか、すごく楽しみです。

── 最後に日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。

伊藤:最終試合ということで、夜遅くまで応援ありがとうございました。現地にいる方もそうですし、平日の夜ということで夏休みの方も、仕事がある方も(応援していただき)ありがとうございます。

次はスウェーデンスマッシュがすぐあって、その後私はアジア競技大会になるかもしれないんですけど、また日本でいい試合を見せるように頑張りたいと思います。

女子シングルス1回戦

〇王藝迪(ワンイーディ・中国)3-1 伊藤美誠(スターツ)
8-11 / 11-1 / 11-9 / 11-3

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