文:ラリーズ編集部
今回は、東京五輪、パリ五輪フランス代表のシモン・ゴジを紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても紹介します。
シモン・ゴジとは?
シモン・ゴジはジュニア時代からフランスのエースとして活躍しており、2010年のユースオリンピックではシングルスで銅メダルを獲得し、翌年のヨーロッパユース選手権ではフランスをジュニア男子団体優勝に導きました。当時のフランスはQ.ロビノ・フロール・ロレンツなど有望な若手が多く、ヨーロッパでは上位独占、世界ジュニアでも中国を苦しめるなどずば抜けて層が厚い国でした。
その後、隣国のドイツ・オクセンハウゼンで腕を磨き、ヨーロッパ選手権準優勝やワールドカップ4位など輝かしい成績を残しています。
2019年の世界選手権ブダペスト大会では3回戦で許昕(シュシン・中国)に勝利し、準優勝したマティアス・ファルク(スウェーデン)に敗れたもののベスト8に輝きました。
シモン・ゴジのプロフィール
シモン・ゴジ(Simon Gauzy)は1994年10月25日生まれの29歳(2024年7月現在)で、フランス出身です。丹羽孝希と同年代で、ともに小さい頃からその才能に注目が集まっていた選手です。
南フランスで生まれたゴジは12歳の時に、フランスナショナルチームのミッシェル・ブロンデルコーチに見いだされ、パリのインセップ(フランス・ナショナルトレーニングセンター)に移りました。その後ブロンデルコーチがドイツのオクセンハウゼンにあるLMC(マスターカレッジ)でスポーツディレクターに就任すると、フランスからオクセンハウゼンに移住し、LMCで腕を磨いています。LMCは日本の村松雄斗が所属していたこともある若手が成功を夢見、心身ともに鍛える選手養成機関です。
そこで腕を磨いたゴジはフランス選手権でシングルス・ダブルスの2冠を達成し、フランスを代表する選手に成長すると、2016年以降ヨーロッパ選手権やヨーロッパトップ16などで好成績を残しており、若手の有望株がいないと言われるヨーロッパ卓球界を引っ張っています。2019年の世界選手権ブダペスト大会では、許昕、カットマンのワン・ヤン(スロバキア)に勝利しベスト8に輝いてます。
2019年1月にはアンドロと契約を結び、11月にはシモン・ゴジの名を冠したブレードが、3本リリースされました。
新型コロナウイルスが収まり始めた2022年以降も精力的に国際大会に出場しますが、同じフランスのルブラン兄弟や、他国の若手選手の台頭により、なかなかトーナメントを勝ち上がれない期間が続きます。
それでも、2023年にはWTTフィーダーハビージョフで準優勝に輝くと、9月のWTTフィーダーパナギュリシテでは念願の優勝を飾りました。
シモン・ゴジのプレースタイル
ゴジの戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。中陣からの回転を生かしたプレーやテクニックを生かした台上技術が特徴の選手です。
横回転を加えたドライブを使用することが多く、ロビングでも相手に下げられたとしてもカーブドライブやシュートドライブで相手の返球のコースを限定し、攻めに転じるプレーが得意です。
ゴジの代表的なプレーとして「ヴィアグロ」と呼ばれる逆チキータです。日本の早田ひなや加藤美優など女子選手が使用するイメージがありますが、ゴジの逆チキータは変化だけでなくノータッチが狙えるスピードも兼ね備えています。
サーブは順横回転や巻き込み回転のサーブを多用し、出るか出ないかのサーブで相手に打たせてからのカウンター等のプレーも見られます。
世界選手権の許昕戦や10月に行われたスウェーデンオープンの丹羽戦など勢いに乗せると止まらない選手で、ランキング上位選手を下す力を持っています。
シモン・ゴジの使用用具
シモン・ゴジはandroの契約選手で、ラケットはandroの『SYNTELIAC VCI OFF』、ラバーは両面にandroの『ラザンターR53』を使用しているようです。
>>【卓球】ラザンターR53試打レビュー スピン・スピード最高峰ラバーが新登場
シモン・ゴジの世界ランキング
シモン・ゴジの世界ランキングは31位(2024年8月時点)で、最高ランキングは8位(2017年8月)です。
2014年の8月時点で88位でした。2015年から徐々にランキングを上昇させ、ヨーロッパ選手権準優勝となった2016年12月時点では16位とトップ10を狙える位置までランキングを上げました。その後、ワールドツアーの活躍もあり、2017年8月に自己最高ランキングとなる8位に輝きました。2019年に入って以降少し世界ランキングは低迷していましたが、ランキングを戻しつつあります。
シモン・ゴジの主な戦績
2010年 | ユースオリンピック | 男子シングルス:銅メダル |
世界ジュニア選手権 | 男子ダブルス:銀メダル | |
2011年 | 世界ジュニア選手権 | 男子ダブルス:銀メダル |
2013年 | フランス選手権 | 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:優勝 |
2016年 | ヨーロッパ選手権 | 男子シングルス:銀メダル |
2017年 | ワールドカップ | 男子シングルス:4位 |
ヨーロッパTOP16 | 男子シングルス:ベスト4 | |
2019年 | 世界選手権ブダペスト大会 | 男子シングルス:ベスト8 |
2021年 | WTTコンテンダードーハ | 男子シングルス:ベスト4 |
WTTコンテンダーノヴォ・メスト | 混合ダブルス:準優勝(ペア:プリティカ・パバド) | |
2022年 | WTTフィーダーフォートローダーデール | 男子シングルス:準優勝 |
2023年 | WTTコンテンダーダーバン | 男子シングルス:ベスト4 |
ヨーロッパTOP16 | 男子シングルス:ベスト8 | |
WTTフィーダーハビージョフ | 男子シングルス:準優勝 | |
WTTフィーダーパナギュリシテ | 男子シングルス:優勝 | |
WTTコンテンダーマスカット | 男子シングルス:ベスト4 | |
2024年 | 世界選手権釜山大会 | 男子団体:銀メダル |
WTTコンテンダーザグレブ | 男子ダブルス:優勝(ペア:アレクシス・ルブラン) | |
WTTスターコンテンダーザグレブ | 男子ダブルス:準優勝(ペア:アレクシス・ルブラン) |
まとめ
ジュニア時代から、同級生の丹羽と共に将来を期待されてきたシモン・ゴジ。ロビングやカウンターやテクニックを生かした華のあるプレーが多い選手でもあるため、試合を見ても飽きない選手です。ヨーロッパを代表する選手になのは間違いないため、2020年の東京五輪をはじめ今後が楽しみな選手です。