卓球帝国・中国男子 圧倒的王者の強さの理由|東京五輪ライバル国特集 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:2019年チームワールドカップでの中国男子代表/提供:ittfworld

卓球選手紹介 卓球帝国・中国男子 圧倒的王者の強さの理由|東京五輪ライバル国特集

2020.01.07

文:ラリーズ編集部

中国は、多くの世界チャンピオンを輩出し、「最強」の存在として卓球界に君臨する。「卓球帝国」とも呼ばれ、長きにわたって卓球界を牽引している。東京五輪でも日本最大の難敵になるであろうチームだ。今回はそのような中国の成績や名選手たちを紹介し、さらにその強さの理由に迫る。

>>水谷隼が語る!なぜ中国は卓球が強いのか?

卓球帝国・中国

まずは中国の戦績を振り返ってみよう。世界選手権団体では2001年大阪大会から2018年ハルムスタッド大会まで9連覇を成し遂げており、金メダルの常連国となっている。また五輪では団体競技が種目に加わった2008北京五輪から3大会連続で金メダルを獲得している。

日本にとっても最大の難敵である。近年レベルが高くなっている日本卓球男子だが、直近のチームワールドカップでは中国にストレートで敗れるなど、日本にとって大きな壁となる存在だ。

>>名将・邱建新が語る!中国はなぜ卓球が強いのか?

中国の英雄たち

ここでは中国チームを支えてきた選手たちを紹介する。どの選手も素晴らしい実力と実績を持ち、英雄と呼ぶのにふさわしい選手ばかりだ。

劉国梁


写真:劉国梁/提供:アフロスポーツ

まずは1990年頃から2000年代初頭まで活躍した劉国梁(リュウ・グォリャン)だ。世界選手権では1993年イエテボリ大会から通算では14個のメダル(金7、銀4、銅3)を獲得、さらに五輪でもシングルスで金メダル、ダブルスで金メダルを獲得するなど、輝かしい実績を持つ。

中国では世界選手権、オリンピック、ワールドカップの全てで優勝することを「大満貫」と呼ぶが、劉国梁はその大満貫を達成した数少ない選手だ。現役を退いた現在は中国卓球協会会長として国家チームをサポートしている。

張継科


写真:張継科/提供:ittfworld

続いては言わずと知れた中国のスター、張継科(チャンジーカ)だ。2011年の世界選手権でシングルス初出場ながら優勝し、その後ワールドカップ、ロンドンオリンピックを次々と制すと、わずか15か月という史上最速での大満貫を達成。世界選手権は2011年、2013年と連覇を果たし、2016年のリオ五輪ではシングルスで銀メダルを獲得している。

リオ五輪を機に一時国際大会から身を引いたが、2018年に再び戦列復帰し、ジャパンオープンでは張本智和との激闘も話題となった。しかし、2018年の韓国オープン以降、国際大会には出場しておらず、現在はその去就に注目が集まっている。

馬龍


写真:馬龍/提供:ittfworld

続いては馬龍(マロン)だ。早期にビッグタイトルを制した同世代の張継科(チャンジーカ)の後塵を拝する時期もあったが、2015年の世界選手権で悲願のシングルス初優勝。その後リオ五輪で金メダルを獲得すると、2017年、2019年の世界選手権シングルスを制し、世界選手権3連覇を成し遂げた。

また中国で4人目の「大満貫」達成者であり、五輪、ワールドカップ、世界選手権に加えグランドファイナル、アジア競技大会、アジア選手権、アジアカップ、中華人民共和国全国運動会、全中国卓球選手権という中国国内・アジア・世界の各所で催された主要大会全てで優勝する「9冠」、いわゆる「全満貫」を成し遂げている唯一の選手でもある。東京五輪に出場すれば、日本選手最大の脅威となるだろう。

許昕


写真:許昕/提供:ittfworld

最後はペンホルダー・許昕(シュシン)だ。世界選手権ではダブルスで3つの金メダル、混合ダブルスで2つの金メダルを獲得しており、中国のダブルスの名手として知られている。長いリーチから繰り出す強烈なドライブと強靭なフットワークが強みだ。今年のチームワールドカップでは第1マッチで丹羽孝希/吉村真晴、第3マッチで吉村真晴を圧倒。東京五輪でも日本に立ちふさがる大きな壁となりそうだ。

>>“伝説の中国越え男”・松平健太が語る中国の強さとは?

中国・強さの秘密

中国の強さの秘密は、やはり「卓球人口の多さ」だろう。中国は卓球人口が日本の約300万人に対し、約8,500万人いると言われている。中国の卓球プロ選手は男子だけで600人を超えるが、日本男子は純粋なプロが15名~20名ぐらいのため、日本に比べると30倍~40倍ほどである。

その国の競技レベルには競技人口が大きく関係するため、その点で中国が卓球帝国となるのは納得がいく。選手層の厚さが競争レベルを高くし、選手を鍛える。単純明快なシステムであるからこそ、中国の強さは揺るがないのだろう。

中国対日本 直近の対戦成績

2019年 チームワールドカップ準決勝

日本 0-3 〇中国

丹羽孝希/吉村真晴 0-3 〇梁靖崑/許昕
6-11/6-11/6-11

張本智和 0-3 〇樊振東
7-11/4-11/11-13

吉村真晴 1-3 〇許昕
9-11/5-11/11-6/1-11

2018年 チームワールドカップ決勝

日本 0-3 〇中国

丹羽孝希/上田仁 0-3 〇馬龍/許昕
8-11/9-11/7-11

張本智和 0-3 〇樊振東
7-11/4-11/8-11

丹羽孝希 1-3 〇馬龍
8-11/11-3/5-11/3-11

2016年 リオデジャネイロ五輪決勝

日本 1-3 〇中国

丹羽孝希 0-3 〇馬龍
6-11/9-11/6-11

〇水谷隼 3-2 許昕
12-10/11-9/3-11/7-11/12-10

丹羽孝希/吉村真晴 1-3 〇許昕/張継科
11-4/6-11/9-11/5-11

吉村真晴 0-3 〇馬龍
1-11/4-11/4-11

2016年 世界選手権決勝

日本 0-3 〇中国

水谷隼 0-3 〇許昕
6-11/8-11/8-11

吉村真晴 0-3 〇馬龍
3-11/8-11/6-11

大島祐哉 1-3 〇張継科
11-9/8-11/6-11/7-11

2013年 チームワールドカップ準決勝

日本 1-3 〇中国

丹羽孝希 0-3 〇張継科
5-11/9-11/8-11

水谷隼 2-3 〇許昕
11-8/8-11/12-10/9-11/4-11

〇松平健太/丹羽孝希 3-2 王皓/張継科
12-14/6-11/11-6/13-11/12-10

松平健太 1-3 〇許昕
11-9/10-12/9-11/3-11