中国から帰化して活躍しているシンガポール代表の馮天薇選手とは?


2000年代の前半までは、シンガポールの女子卓球の代表チームは国際大会でのメダルの取得とは無縁でした。しかし、たったひとりの選手によって、シンガポール代表は大きく変わることになりました。その選手こそ、現在シンガポールの代表選手として活躍している馮天薇選手です。
以下では、そんな馮天薇選手のプロフィールと、彼女の戦績についてご紹介します。

馮天薇選手のプロフィール

馮天薇(フォン ティエンウェイ/Feng Tianwei)選手は、中国の黒龍江省にあるハルビン市出身の女子卓球選手です。2007年にシンガポールに帰化して以来、シンガポール代表として活躍しています。彼女の生年月日は、1986年8月31日です。
2002年に中国のジュニア選手を対象とする全国大会で優勝を果たし、2003年から中国の女子ジュニアナショナルチームに所属しました。しかし心筋炎を患ってしまったために、ナショナルチームへの昇格を待たずに代表チームを離れています。
2005年には来日し、日本卓球リーグのチームであるサンリツでプレイをした後、2007年にシンガポールに渡りました。そこで出会った当時のシンガポール女子代表の監督である劉国棟監督から厳しい指導を受け、馮天薇選手は大きく成長しました。同年に、シンガポール国籍を取得しています。そして、2008年に開催された「北京オリンピック」において、シンガポール代表は彼女の活躍により銀メダルを獲得します。これは、シンガポールがイギリスから独立した1965年以来初めてとなる、オリンピックでのメダル獲得でした。

馮天薇選手は、前陣でのラリー主戦型を得意としています。どんなにラリーで左右に揺さぶられても、体勢を崩すことなくフォアハンドからでもバックハンドからでも連続して打ち返し続けることができます。また、打ち返す球のコースに変化をつけながら相手のミスを誘ってチャンスボールで仕留めるといった頭脳的な戦術も得意としています。これらのプレイスタイルによって、力では劣る中国代表選手に対しても互角以上のゲームを展開することができます。

馮天薇選手の使用しているラケットはシェークハンド型の「インナーフォース・レイヤー・ZLC」で、そのラケットの表面と裏面の両方に「ブーストTC」と呼ばれるラバーを貼っています。
彼女の戦型は、「右シェーク両面裏ソフトドライブ型」です。

■馮天薇選手の戦績

2008年の「北京オリンピック」でシンガポール代表を銅メダルに導いた後、馮天薇選手は同年に開催された「ワールドカップ」のシングルスで3位に入賞し、世界でもトップレベルの選手のひとりとして認知され始めました。2009年には、「世界選手権」のシングルスでベスト8に入っています。
そして迎えた2010年の「世界団体選手権」では、シンガポール代表は決勝戦で対戦相手の中国代表を下し優勝を成し遂げました。この決勝戦で、馮天薇選手は中国のエースであった当時世界ランキング1位の劉詩雯選手と、当時世界ランキング4位であった丁寧選手を破って2点を獲得し、シンガポール優勝の立役者となりました。試合後のインタビューで彼女は、「シンガポール人として、誇りを感じる」と語っています。なお、当時、中国代表は「世界団体選手権」で8連覇中であり、このシンガポール代表の優勝は「モスクワの奇跡」と呼ばれています。
馮天薇選手はその勢いのまま、同年に開催された「ITTFプロツアー・グランドファイナル」のシングルスで優勝しています。

2012年に開催された「ロンドンオリンピック」では、馮天薇選手は再び団体戦でシンガポール代表の銅メダル獲得に貢献し、オリンピック2大会連続でメダルの獲得を成し遂げました。また、彼女は同大会のシングルス3位決定戦において、日本の石川佳純選手を打ち破り、銅メダルを獲得しています。

馮天薇選手はダブルスでも実力を発揮し、2013年に開かれた「世界選手権」ではダブルスで3位に入賞しました。続く2014年の「ITTFワールドツアー・グランドファイナル」で、シングルスとダブルスでどちらも3位に入賞し、2015年の「ITTFワールドツアー・ポーランドオープン」ではダブルスで準優勝を成し遂げています。

シングルスでも馮天薇選手は、2017年8月時点に至るまで好成績を残しています。2016年に開催された「ITTFワールドツアー・スロベニアオープン」や、2017年に開催された「ITTFワールドツアー・韓国オープン」では優勝を果たしています。

上述した戦績から、馮天薇選手は日本の石川佳純選手と並んで、中国代表チームが最も警戒する他国選手といわれています。
2010年に彼女は世界ランキングで2位を獲得し、それが2017年8月時点の彼女の過去最高の世界ランキングでの順位です。なお、2017年8月時点での世界ランキングでは、彼女は6位に位置しています。

まとめ

馮天薇選手は、中国から帰化したシンガポールの女子卓球の代表選手です。2008年の「北京オリンピック」や、2010年の「世界団体選手権」でのシンガポール代表の躍進に大きく貢献しました。
中国の代表選手になることを断念するほどの病気から復活した彼女は今、かつて自分が所属するはずだった中国代表にとっての最大の脅威として、これからも活躍が期待されています。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
Twitter で フォローする