【初心者必見】フリックの対策|卓球基本技術レッスン | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ 【初心者必見】フリックの対策|卓球基本技術レッスン

2019.06.30

撮影:ラリーズ編集部

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」

このシリーズでは初心者向けに卓球の基本的な技術についての説明や、そのやり方、対処法などについてお話していく。実際のプレイヤーはもちろん、テレビなどで観戦される方にとっても、頻繁に出てくる用語が登場するので、知っているとより卓球の面白さが分かるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。

(特に記述がない限り、右利きのシェークハンドの選手を想定している)

さて、前回はフリックの封じ方、つまりフリックをさせない方法についてお話ししたが、今回はフリックをされた時に、しっかりと対処する方法について考えていこう。状況をシンプルに想定する為に、相手のフォア前にこちらがサーブ、あるいはストップをした時に、次球で返ってくるフリックへの対処としてお話しする。

>>【初心者必見】フリックの封じ方|卓球基本技術レッスン

フリックを返すのはなぜ難しいのか

以前のわたしの記事の中で、フォア前は誰にとっても有効なコースなので積極的に狙うべき、といった主張をしたと思う。
例えばそれに倣って、フォア前にしっかりと短いサーブを出せるようになった。あるいは、ストップを覚えて、相手のフォア前にしっかりと止められるようになった。ところが、少し実力の高い相手になると、それをパチンとフリックされてしまい、返せない。初心者なら誰しもが通る道であろう。

フリックを返すのはなぜ難しいのか。それは端的に言えば、「打球地点からこちらに届くまでの距離が短い」からである。

例えば、通常のドライブであれば、相手コートのエンドライン付近で打球をしてから、こちら側のコートに届くので、およそ卓球台1台分の時間的余裕があるのだ。一方でフリックといった台上のボールは、文字通り台の上で打球をする為、こちらに届くまでの距離が短く、時間的な余裕が少ない。よって通常のボールよりも素早く反応する必要がある為、どうしても返球が難しくなってしまうのである。

フリックをいざ打たれてから、それに反応することは、非常に難しいのだ。では、どうすれば良いか。フリックを打たれてから反応するのではなく、打たれる前に予測をし、準備をすれば良いのだ。

>>上回転サーブに効果的なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

フリックを想定し『台のフォア寄りで待つ』

卓球は基本的にクロスに返ってくることを想定するのがセオリーである。そのため今回の場合も、相手のフォア前にボールを送ったのならば、次のボールもクロスであるこちらのフォア側に飛んで来る確率が高い、とみて問題ないだろう。

あなたがフォア前にサーブを出した、あるいはストップをした、その時点で半歩フォア側へ動いて構えよう。フォアクロスへ8割、バックストレートへは2割の確率で返ってくる、というように考えて待つ。8割の方にしっかり対応出来るよう、体をフォア側へ寄せておくのだ。

>>ナックルサーブに効果的なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

フリックを想定し『台との距離を取って待つ』

人間の目は左右の距離感はすぐに判別できても、前後の距離感・奥行きといったものの認識は少し苦手としている。卓球でも同じように、左右のコースには対応できても、前後の距離感を把握するのは難しいのだ。自分で気付かないうちに台との距離が適正ではなくなっている、というのはよくある話。

フリックに備えて待つ、ということであれば、台とはやや距離をとって待つ方が良いだろう。例えば、あなたがレシーブで構える時の台との距離よりも、ラケット一つ分くらい後ろの位置で待ってみよう。ボールへの対応のしやすさが全く変わってくるはずだ。

>>【初心者必見】逆横回転サーブへのレシーブ対処法|卓球基本技術レッスン

フリックを想定し『ラケットを高くして待つ』

基本的にラケットは高い位置に置いて待つべきだ。卓球台よりも上、ネットの高さと同じくらいの位置だ。なぜか。ラケットを卓球台よりも低い位置から出す場合というのは、下回転のかかったツッツキやカットのボールを打つときくらいだ。そういったボールの球速はゆっくりなので、ラケットを高い位置に構えていたとしても、そこから低い位置に下げてバックスイングをとっても、時間的に十分に間に合うのだ。逆に低い位置にあって、そこからスピードのあるボールが来たから急に高い位置に引き上げる、というのは相当難しい。

試合では、サーブを出してツッツキのレシーブが返ってきて、それを3球目ドライブする、というのが最も多い展開かと思われる。それに慣れすぎてしまうと、サーブをした後のラケットの位置が無意識のうちに低くなってしまっていることがある。特に初心者には多く見受けられる。

フォア前にサーブを出せば、フリックで速いレシーブが返ってくることが考えられる。フォア前へのストップも同様だ。なので、サーブを出した時点・ストップした時点で、それに備えて意識的にラケット高い位置に置いて構えるということを心がけたい。

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<まとめ>

今回は相手のフリックへの対処方について考えてみた。つまりは、フリックされる可能性があるボールをこちらが出した時点で、フリックに備えてしっかりとした準備をしようということだ。
非常に基本的なことではあるのだが、初心者の方、あるいは中級者でも試合の中ではうまく出来なかったりするものである。なので、まずはしっかりと自分の中で、今回の内容を「意識的に」行うことが大事である。それを繰り返していけば、体に染み付いていって、試合の中でも無意識に出来るようになってくるであろう。

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