今回は、天性のボールタッチで数々の強者に勝利してきたアレクサンダー・カラカセビッチ(セルビア)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
>>卓球の見方は5分で変わる 16cmのトスが明暗を分ける「サーブ」に注目
>>プレイしている時間は2割。残りの8割は「掛け声」「表情」を見るべし
>>卓球の練習時間外の活用法7選 打てない時でも強くなれる【頭で勝つ!卓球戦術】
アレクサンダー・カラカセビッチとは?
アレクサンダー・カラカセビッチは、セルビア出身のダブルスの名手です。2000年代には左利きの利点を生かし、混合ダブルスや男子ダブルスで入賞している経歴があります。どの立ち位置、どの打球点からでも打つことができる天才的なボールタッチの感覚があり、卓球界のレジェンドもその才能を高く評価しています。
ラケットも使っている選手が少ない珍しい製品を使用しており、彼の自由自在な卓球をサポートしています。それでは、アレクサンダー・カラカセビッチのプロフィールについて詳しく見ていきましょう。
プロフィール
アレクサンダー・カラカセビッチは、1975年12月9日生まれの45歳(2021年4月時点)です。セルビア出身で、現在はセルビア代表として国際大会に出場しています。
国際大会ではダブルスで入賞することが多いです。2000年にヨーロッパ選手権混合ダブルスの部でルタ・パスカウスキエネ(リトアニア)と優勝すると、2002年に準優勝、2005年と2007年にふたたび優勝とダブルスでの才能を光らせていました。また、男子ダブルスでも2001年のドイツオープンや2005年のロシアオープンで優勝した経歴があります。
2021年のWTTスターコンテンダードーハ大会では、ルボミール・ピシュテイ(スロバキア)と男子ダブルスを組み、初戦で2019年世界選手権男子シングルス準優勝のマティアス・ファルク(スウェーデン)とクリスチャン・カールソン(スウェーデン)のペアとフルゲームに及ぶ熱戦の末、3-2で勝利しベスト8に輝いています。
プレースタイル
アレクサンダー・カラカセビッチは左シェーク裏裏の攻撃型で、天性のボールタッチを活かした多彩な攻撃パターンが特長の選手です。両ハンドで不得意な技術がなく、どの位置からでも自在に打ち分けられます。
特に注目すべき技術はバックハンドドライブです。どの立ち位置からでもクロスとストレートに打ち分けられるのはもちろんのこと、ループドライブとスピードドライブの使い分けも自由自在で相手からすると直前までどこに飛んでくるかわかりません。無論フォアハンドドライブも、様々な打球点からコースと回転量を操ることができます。
ボールタッチの良さはブロックにも表れます。相手の強打に対して台上2バウンドで収めるような柔らかさを持ち合わせつつ、時にカットブロックをするなどセンスのあるプレーが見られます。ボールタッチは、打球時のインパクトの強弱を使い分けることで磨くことができますが、アレクサンダー・カラカセビッチはその体現者と言えます。
アレクサンダー・カラカセビッチの天性のボールタッチは、卓球界のレジェンドであるヤン=オベ・ワルドナー氏からも評価されています。
使用用具
アレクサンダー・カラカセビッチの使用用具は、ラケットがキラースピン社の『ダイヤモンド TX』で、ラバーは両面にBUTTERFLYの『テナジー05』を使用しているそうです。
『ダイヤモンド TX』は、キラースピンから販売されている5枚合板+2枚のテクサリウムで構成されたラケットです。「テクサリウム」という素材は、柔らかさと強靭さを兼ね備えているので様々な打球点で打っても安定した打球を可能にします。
世界ランキング
アレクサンダー・カラカセビッチの世界ランキングは113位(2021年4月時点)です。
国際大会での主な成績
2000年 | ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス優勝 |
2001年 | ドイツオープン | 男子ダブルス優勝 |
地中海競技大会 | 男子ダブルス優勝 | |
2002年 | ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス準優勝 |
2005年 | ロシアオープン | 男子ダブルス優勝 |
地中海競技大会 | 男子ダブルス優勝 | |
ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス優勝 | |
2006年 | セルビアオープン | 男子ダブルス優勝 |
2007年 | ヨーロッパ選手権 | 混合ダブルス優勝 |
2016年 | チェコオープン | 男子シングルス3位 |
2020年 | ポルトガルオープン | 男子ダブルスベスト4 |
オマーンオープン | 男子ダブルス優勝 |
まとめ
40歳を超えても世界の舞台で活躍を続ける天才肌が、この先も国際大会で優勝を飾ることができるのか。今後の彼の活躍に目が離せません。